昨日はいい天気で気温も高く、
あの日の秋山主席参謀♯1の電文
『天気明朗なれど波高し』の再来の如く、ここ屋上は風が強かった。
♯1 「坂の上の雲」では本木雅弘が演ずる
「ギガ」レモンと「鬼」レモン どちらも負けていません。
○ 本文
(問)「診断」と「手術」どちらが大事か?
(答)両方です。
但し、(当たり前のことですが)診断がつかないことには治療(手術)へ進まないので、やはり正確な「診断」は重要度が高いと言えます。
◎診断
画像診断も無論重要ですが、「その先」にある生検手技にこそ、その神髄があります。
♯2 昨今話題の芸能人が診断目的でMRIを撮影したとすれば、とても残念なことです。
Aさんを例に解説しましょう。
しこりを自覚して、某クリニックを受診
不整形、前方境界線断裂
カテゴリー5です。
1.画像診断
(Aさんから聞きましたが)これを良性とも癌とも「どちらとも言えない」と説明を受けています。
これ自体、かなり問題と言えますが…
(更に)
2.生検手技の選択
(そのクリニックでは)何故か細胞診を行っています。
何のため? (癌の診断には現在、細胞診では不十分であり組織診が必要)
細胞診をする理由があるとすれば、基本的に「良性を疑っている」場合に、
「細胞診で良性」を確認し、経過観察を行う目的のみと(本来)言えます。
具体的に例を挙げるとすれば、
画像所見(エコー)で扁平な線維腺腫の所見、(この所見なら生検無で)経過観察でいいだろうと思ったが、患者さんが不安がり生検して欲しいと言われた。
「明らかな良性所見」だから(なるべく痛みがないように)細胞診で良性を確認した。
↑
これなら「細胞診」という選択も理解できます。
ただし私であれば、このような際にも(患者さんが嫌でなければ)「組織診」を選択して(その後の)経過観察は不要としてしまいますが…
いずれにせよ今回の場合は(そのクリニック医師の診断が甘いとはいえ)さすがに「癌を疑っていた」はずです。
このケースで何故細胞診を選択したのか?(ポアロさえも解けない難題と言えます)
3.生検の精度
しかも! なんと細胞診の結果はクラス3A !!
『なんたーるちーや(古)』流石に言葉も浮かびません。
(皆さんご存知?のように)細胞診クラス3Aは良性所見です。
これでクラス5を出せないようでは、下手糞呼ばわりされても仕方が無いでしょう。
4.結局…
Aさんは自覚症状で受診し(良性とも悪性とも言えないなぁ。と言われ)細胞診され(しかもクラス3A!)、その結果を聞きに受診すると「細胞診はクラス3Aだけど、画像が怪しいから針生検を予定します」と言われたのです。(ここで何故、この医師が最初の「どちらとも言えない」から「画像が怪しい」にニュアンスを変えたのか?これも謎ですね)
↑
この経緯に「どうにも納得できず」当院を受診されたわけですが、
無論、私はその場で「CELERO生検」して診断したわけです。
何故、細胞診を選択した?
何故、(癌なのに)細胞診でクラス3Aしか出せない?
これでは患者さんが可哀想になります。