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今週のコラム 436回目 ある腫瘍マーカーの軌跡

皆さん、おはようございます。

実は私、今(2024/3/10 am7:55)とてもテンション上がってます!

人生最良の日かもしれません。

私の患者さん達はきっと『いつもの先生からは、とても想像できない!』と声が聞こえてきそうですが…

あるのです。そんな日が(きっと)誰にも。

 

あるスーパースターとの素敵なワインな夜。

こんなテンションでは(舞い上がってしまい)頭がついてこないから?というわけでもありませんが、今回のコラムは手短に…

 

CEA 2.4⇒2.6⇒2.8⇒2.9⇒4.4(全て3か月毎)

CA15-3 7.8⇒8.3⇒8.5⇒8.6⇒9.7(全て3か月毎)

まずは、ここまで。

これを見て、まず皆さんはどう思いますか?

♯ 因みに通常は採血腫瘍マーカーは半年に1回ですが、この方はご希望で3か月となってます。

少しずつ(かなり微妙な数値とはいえ)上昇して、最後は(特に)CEAが明確に上がった!

そんな風に思いますよね?

私もCEAが(2.4~2.9までは全く気にしてませんでしたが)流石に2.9⇒4.4はドキッとしました。

 

この場合、どうするか?(皆さん、いろいろ考えてみてください)

正解は(元々の受診予定である3か月を待たずに「その中間あたりに、(再度腫瘍マーカー取るために)受診してください」でした。

 

○ 結果どうなったか?

まず(この患者さんは)結構な遠方の方なので、患者さん自身からの提案がありました。

地元で(かかりつけ医)腫瘍マーカーとってもいいか?』でした。

CEA   4.4⇒(地元での次の月)1.2⇒(地元での更に次の月)1.0⇒(当院最新)2.6

CA15-3 9.7⇒(地元での次の月)3.5⇒(地元での更に次の月)2.7⇒(当院最新)8.0

 

まず最初の(地元での採血)報告で「大丈夫だ―!」と、ほっとしました。

「検査値あるある」ですが、特に腫瘍マーカーは(取り扱う)業者によって値が「そもそも」微妙に異なります。

とは言え…

CEA 1.2で心配しろ!というのが無理な話なわけで、(それが)更に次の月の地元での採血結果 CEA 1.0で裏付けられました。

最終的に、当院で(結果的に、予定通りの)3か月後採血となったわけですが、これも2.6に完全に戻ってます!

 

今回のことを紹介した訳は…

腫瘍マーカーの微妙な動きで、揺れ動く(右往左往する)気持ちは良く理解できます。

ただし、一見「これは本物(再発による上昇)かな?」と疑ったとしても、(こんな風に)自然と下がるケースも(意外と)しばしばあるのです。

 

治療を変えない限り、(もしも本物の再発だったら)決して腫瘍マーカーが自然に下がることはありません。

一つ知ってほしいのは、『(経時的に)微妙に上がっているように思えたとしても、一度でも下がる局面があれば、それは偽物(原因不明、肝機能など)だということ』なのです。