Site Overlay

今週のコラム 411回目 管理番号11324 骨転移ステージ4   原発手術について

今回も土曜日掲載する理由は…

世の中3連休!(残念ながら、私自身は土曜日外来があるので2連休ですが…)

口コミで、異口同音に「hospitality 抜群」とされる興味津々のホテルに明日から1泊滞在してきます。(今まで、ここまで興味深く口コミを読んだことなし)

私自身の感想を是非、次回!

 

DSC_0905

 

戴きものです。

♯当院で製造販売しておりません。

 

 

DSC_0901

 

先週日曜日屋上

きれいな青空、夏の最後っていう感じでしょうか?

 

 

骨転移ステージ4  原発手術について

管理番号:11324] 質問

①田澤先生はステージ4でも手術をされるという事ですが、

私の様に現在はPETでは目に見えないのですが、どの部分を手術されますか?

⇒「原発側の腫瘍は約80mmと大きかった。」と、ありますので

 

原発巣の全摘+腋窩鎖骨下郭清となります。

 

②ステージ4でも手術をした方がいいと思われる根拠は、

どの様なことからやご経験なのでしょうか?

⇒根拠ではなく2つの「理由」があります。

1.局所コントロール目的

2.原発巣を切除することによる(そこからの)新たな全身への転移のリスク回避

 

1と2の「どちらに、より重点があるのか?」は、その患者さんそれぞれで異なります。

 

1は(現時点で画像上消失しているとしても)細胞レベルで癌細胞が生き残っていないのか?は(摘出して顕微鏡で見ない限り)誰にも解りません(答えられません)

もしも生き残っていれば、(薬剤が効かなくなった際に)再増殖して、今度こそ「手術不能⇒皮膚浸潤⇒出血や浸出液」などとなる可能性があるのです。

それに対し、現時点であれば切除してしまえば(薬剤が効かなくなったとしても)少なくとも上記のような著しいQOLの低下は避けられるのです。

この「QOLの低下」がどの位悲惨なことなのか?誰しも経験しなくては解らないでしょう。

腫瘍が皮膚を破り出血、もしくは壊死を起こして悪臭を放つ、浸出液がとめどもなく流れる。

このような状況が(癌が薬剤で良くならない限り)決して良くなることはなく、酷くなるばかりなのです。

実際に、そのような患者さんを診たことが無い限り想像はできないでしょうし、診療する医師として(もしそうなったとしても)『困るのは患者さんであって、我々ではない』のような「他人事」であってはいけないのです。

 

 

 

2は、リスク回避のひとつとなります。

これも将来的に(例えば質問者の場合には骨転移が照射などで制御されても)原発巣の増大⇒新たな血行性転移⇒命を脅かす状況という(可能性のある一つの)シナリオの回避になるのです。

 

★手術しても無駄だという考え方は(私から見れば)とても危険な考え方に思えます。

それは、「エビデンスがあるとか、無いとか」ではなく、患者さんが将来的に困る可能性があるわけだから(乳腺外科医なら、一度はそのような悲惨な状況に陥ってしまった患者さんを診たことがあるわけだから)当然それは提案されるべきなのです。

無論、患者さん自身が(上記を)理解されたうえで(何らかの理由で)選択しないとしたら、それは自由意志なので仕方がないことです。

ただ、医療者として、そして実際にそのような悲惨な状況を診たことがある者としての説明は必要です。

 

遠隔転移と「一括り」にする事に無理があるのです。

遠隔転移にも「制御しうる状況」と「現時点で命を脅かしている状況」では(手術を含めた)局所治療のウェイトが異なることを認識していないと「turning pointをみすみす逃す」ことになるのです。