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今週のコラム 370回目 SCとIC

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一風堂の「赤丸」でヘルシーに鶏鍋です。

土曜日は関東地方会だったので(帰りは夜)

日曜日です。

 

 

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日曜日、寒かったので屋上は断念

屋内からベランダ越しに外を眺めながらの食事

BASE BREAD(手前) 皆さん知ってますか?

 

○ 本編

外科医とは

患者さんを前にして「それ(癌)は何とか取れないのか(手術できないのか)?」と考えるのが外科医です。

それを可能とするのは自尊心でもなく、お金でもなく(難しい手術をしても給料は一緒です)外科医としての情熱なのです。

その情熱を失い、「手術しなくても(自分にはできなくても)ガイドラインに反しているわけでは無く、自分は避難されない」そんな現状が実際に全国から助けを求めて受診される患者さんから日々感じるのです。

 

きっと、それらの医師も(もしも自分自身で手術できるのであれば)手術を選択する筈。

そして(もし手術できるのであれば)手術したほうが患者さんのためになることも勿論解っている筈です。

それでいて、他院(当院)で手術した患者さんの診療は行いません(実際に紹介状に記載している「強者」も存在します!)とは、どういうこと?

本来なら(自分ができない)手術をしてくれて助かった! 私の大事な患者さんが手術で病変が取り除かれることは患者さんのために本当によかった。

それが人間じゃないのか?

患者さんにとっての幸せは、主治医である私にとっての幸せ。それが本来あるべきでは? そんなに自分の(極めてちっぽけな)プライドの方が大事なのか?

 

実際の紹介状の最後の文章

『なお、当院では他院での術後の患者様に対しての治療は行っておりませんのでよろしくお願いします。』

皆さん、どう思われますか?

本当に患者さんのことを思っている医師ならば、寧ろ

『なお、手術してもらえるのは患者様にとって本当にありがたいことです。希望があれば是非その後の治療はきちんと当院で行いますのでよろしくお願いします。』

こうでしょ? 実際に自分の家族だったらそうなるでしょ???

 

SC(supraclavicular 鎖骨上)とIC(inflaclavicular鎖骨下)

 

SCのPET画像

 

黄色く光ってます

SCは頸の位置で鎖骨の上にあることがわかります。

 

 

ICのPET画像

 

頸ではなく、筋肉(大小胸筋)の裏側であることが解ります。

この画像で何と放射線科読影医が「SC転移」と判断したのです!

 

 

 

SCのUS画像

 

 

USで見るとSCは皮膚のすぐ裏にある(だから腫大すると触知する)ことが解ります

 

 

 

ICのUS画像

ICの表面には2枚の筋肉(大胸筋と小胸筋)があり、表面からは触知しません。

 

 

★そのリンパ節がSCなのかICなのかはUSをすれば、すぐに解ります。

皆さん、自分で鎖骨を触ってみるとそれより上(SC領域)は窪んでいる(鎖骨上窩と表現します)ので硬いリンパ節なら容易に触知します。

それに対して鎖骨より下(IC領域)は筋肉(大胸筋)がありますよね? ICは大胸筋に邪魔されて触知できないのです。

上記がUS画像で明らかですよね?

それだったらIC再発をSC再発と間違う事はありえないように思うでしょ?

 

でも、そんな間違いが実際に会ったのです!

続きは次回で。(昨日、乳癌学会関東地方会の発表が東京ビッグサイトであったので時間がとれませんでした)