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今週のコラム 346回目 私が目指しているのは、そういうものではなく「100%完璧な確定診断」と「絶対的な手術」なのです。

梅雨時にしては、週末屋上行けてます。

これだけでも感謝です。

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高知からの乙女鯛

鯛鍋です。

(隠れてますが)舞茸、シイタケにキャベツ、そしてニラとニンニクの芽

 

 

 

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「〆のラーメン」ならぬ、鍋の具とスープをそのまま使ったラーメン

これぞ、鯛ラーメン

この季節には鬼レモンが合います

 

そして日曜日!

いい天気! 体感は夏そのもの

 

鶏鍋!

昨日の鯛鍋からの味変

鯛の出汁と鶏の出汁!

最高のハーモニー!

ラーメンに最高です。

パンは(コーヒー色していますが)トースト時間が少々長すぎただけ((笑)

因みに、この日差しで私自身もかつてのシャネルズのように(古!)トースト色に…

この食パンはパン屋で焼き立てだったので、2斤そのまま購入(熱すぎて1斤に切るのを断られた)

 

〇 本文

 

 

前回予告では345回目に引き続いて 『局所療法が有効な血行性転移 骨転移vol. 2』の予定でしたが…

Passion! 

自分の中の何かに突き動かされて、急遽内容を変えることにしました。(上記は347回目かな??)

複数の要因がありました。(そして、短期間に重なりました)

 

要因1.出版社から贈られてきた「広告掲載のご案内」の文言

頼れる「乳腺センター」 診断からメンタルケアにいたるまで、包括的な乳癌治療を施す

要因2.他院のMMTEで「鑑別困難」となった患者さんが当院MMTEで「いとも簡単に」乳がんと確定診断となった

♯これ自体は、日常茶飯事ですが他の要因と時期的に重なったので、いろいろ考えさせられたのです。

要因3.管理番号10350「レベル3リンパ転移にて術前抗がん剤」を回答した。

要因4.地元で「手術不能」と言われた患者さんを手術した。

 

最初は、(上記)要因2を例に挙げて(私から言わせれば)最も簡単だと思われるMMTEでさえも、現実に上手くできない医師が存在すること。 そこに気付かないと早期診断が得られないこと。それが最終的には「最大のターニングポイントと言える」ことをお話ししようと考えていました。

ただ、『それならば、今までも(コラムなどで)散々(私が)嘆いてきたこと』

新鮮味がない!

しかも(上記他の要因も近い時期に重なり)『それだけでは十分ではない!』『根本的に間違っている!』

そんな思いで溢れてきたのです。 これが冒頭で言うところのpassionなのです。

 

 

熱いね!

それでは、まずは要因2(実例)から聞かせて!

 

 

 

Ok

そもそもはsecond opinionから話がはじまったんだ。

(前医での)要点は、画像上怪しけどMMTEしたらold fibroadenoma(陳旧性線維腺腫)の診断となった。

しかし、(どうやら前医自身、その手技に自信がもてないらしく)患者さんに「外科的生検」を勧めた。

そこで患者さんが『外科的生検が必要な状況なのか?どうしたらいいのか?』とsecond opinionで当院受診したのさ。

 

 

なるほど!

MMTEで診断がつかないってことは、余程(診断するのに)難しい所見ってことなの?

 

 

 

echo画像

不整形 1.2cm

 

 

 

doppler ultrasonography

血流は殆ど目立たず

 

 

 

echo画像は…

かなりの不整形で「癌を疑う」所見

fibroadenomaは閉経して「陳旧化」すると(画像上)歪んでくるとはいってもね。

腫瘤非形成性病変でもなく、大きさも1.2cm程度。

(私の経験上)MMTEで「病変全体から満遍なく採取できる=確定診断できる」病変と判断。

 

それでsecond opinionの(前医への)返事で、

『画像上1cm程度の病変なので、当院でMMTEすれば診断は確定できると考える。』と、送り返した。

 

 

ヒューヒュー!

(前医からすれば)まるで「アンタの腕が悪いだけですよ。私なら簡単に診断できますよ。」って、言われたも同然だよね!

怒ったんじゃないの?

 

 

相手の反応は不明だよ。(電話とか、直接話したわけではなく)あくまでも手紙の郵送だからね。

ただ(私の頭の中で)失礼にあたるとか、そう言う問題ではなくて重要なのは「患者さんのために、もっと精進しなくてはいけない」と自覚して欲しかったんだ。

(同業者である私から)ズバッっと言われることで「なにくそ!」って「やっぱり、今のままではいけないんだ!」って促したかったんだ。

 

 

まぁ、そのくらいの気概がある医師だったらいいけどね。(現実は、どうなることやら?)

それで、結局どうなったの?

 

 

後日、その患者さんから「確定診断希望」が来たので市川でMMTEしたよ。

病理結果は、あっさりと「浸潤性乳管癌」

echo画像から(当然)予想はしていたけどね。

 

 

んー。

前医でのMMTEで何故「old fibroadenoma」という結果になったんだろうね?

説明つくの?

 

 

MMTEの「狙いを外した」としか説明できないよね。

ただ、「1cmもあるシコリ」を外すようでは患者さんが可哀想だし、今までも同様の「被害?」を受けた患者さん達が大勢いることになるから…

何とか、ならないものか!

 

〇 私にできること

私が、(それら)平気で?針生検の狙いを外す医師を「まともに診断できるように」訓練することは現実的ではないから…

私にできることは「患者さん側に啓蒙すること」なんだよね。

それが、今回のコラムの目的とも言えるのです。

 

 

要因3については?

 

 

 

 

まず、そもそも題名の『レベル3リンパ転移にて術前抗がん剤』が問題を露わにしている!

 

 

 

 

おっ! かなり怒っている(不満に思っている)ね?

 

 

 

 

プンプンプン! その通り!

更に言うと、以下の2つ(Qより引用)が非常に気に入らない!

(以下、管理番号10350のQより引用)

 

1.場所はCTの結果よりレベル3で鎖骨静脈に近い

2.血管も近く手術は危ないので術前抗がん剤(タキサン系12w→アンスラサイワン系12w)を実施し小さくしてから手術を実施する

 

★1については、そもそもCTではなく(術者の目で)エコーして評価すべき!

レベル3リンパ節は(そもそも)手術して取れるものだし、それは「術者自身が行うエコー」で確認すべきなのです。

★2について…

レベル3リンパ節(鎖骨下リンパ節)郭清が「危なくて、手術できない」っていうのは、情けないどころか患者さんの運命を捻じ曲げかねない!

術前抗がん剤で誤魔化さずに、きちんと郭清してあげなさい! そう言うことです。

 

 

外科医としてのプライドがないのかねー?

困ったもんだね。

要因4については?

 

 

これはね。

要因3とも問題点は似ているとも言えます。(無論、別の症例です)

この患者さんも(要因3の患者さん同様に)『レベル3(鎖骨下リンパ節)に転移しているから、手術はできない。術前に抗がん剤するしかないよ』と言われた。

 

 

で、(担当医の言われるがままに)術前抗がん剤したんだね?

 

 

 

そうなんだ。

担当医に「それ(術前抗がん剤)一択しかない!」的に言われたようで、他に選択肢が無かったようだね。

ただその抗がん剤の副作用がとても酷く、『絶対に抗がん剤はもうやりたくない!』となった。

どうにか手術して欲しいと、頼んだのだけど頑として手術してもらえず(その技術が無いのだから仕方が無いとも言えるけど…)

そして、『うち(この病院)で手術できないと言っているのだから、県内(西日本)どこを探しても手術はできないよ。』の言葉。

 

 

このまま「抗がん剤もできない」そして『手術もしてくれない」状態で治療に対するモチベーションが下がって放置! なんてことになったら…

 

 

 

そこが癌の怖いところ!

ただ、幸い(本当に幸いだった思うけど)乳がんプラザに出会ったのです。

 

 

 

実際、どうだったの?

手術不能な状態?

 

 

 

とんでもない!

確かに、レベル3リンパ節はゴロゴロしていたけど、きちんと「視野」を確保して綺麗に切除しました。

青大将(鎖骨下静脈)にへばり付いてはいても、視野さえきちんととれれば何てことはないのです。

★同じレベル3リンパ節の手術でも「再発」の場合には(コラム342でも書いたけど)瘢痕によって青大将から容易には外せない!ことで難易度が全く別次元となります。

★★今回のように、どんなにレベル3が青大将に被さっていても、初発であれば手術はできるのです。

 

この方は当院に辿りついたから本当に良かったけど…

全国には「手術できない」と言われて、(そのうちに、モチベーションを失って)ターニングポイントを超えてしまう患者さんがいるのではないか。

「青大将が怖い!」そんな弱虫外科医ばかりになってしまうと、救われるべき命が救われなくなってしまう。

要因3、要因4は私が日ごろから危惧している事態を炙りだしているのです。

 

〇 そして最後に要因1に移ります。

頼れる「乳腺センター」 診断からメンタルケアにいたるまで、包括的な乳癌治療を施す

診断が稚拙な乳腺外科医

青大将がこわくて、まともに手術ができない乳腺外科医

彼らがただ集まった「乳腺センター」なるところが、果たして理想的な医療なのか??

要因4の症例は、まさに、そんな「包括的な乳癌治療を施している筈の地域中核病院」で、はじかれてしまったのです。

 

イシュランWarm30というのがあります。

毎年上位に入賞している(何故?)ことに違和感を常に感じています。

最新情報を詰め込み、それを宣伝し豊富な人員で「チーム医療」なる制度で責任を分担する。

いかにも頼れそうで「世間的に」評価を集めそうな、そんな医療機関

〇〇大学病院 〇〇医療センター 〇〇がんセンター

だけど、要因3や要因4のように本当に困ったときに何の役にも立たない。

 

私が目指しているのは、そういうものではなく「100%完璧な確定診断」と「絶対的な手術」なのです。