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今週のコラム 329回目 遺伝子検査を無暗に勧める風潮に一言

ウクライナ情勢

私にしては珍しく「政治の話題」驚かれた方もいらっしゃることでしょう。(そんなことないか?)

ネットを立ち上げる度に、目に入ってくるyahoo newsで「ロシア、ウクライナ侵攻!」なる記事が飛び込んでくるのではないか?と、毎回「ハラハラ」しています。

昨日は、バイデンが『現時点で彼は決断したと確信している』などと、何とも物騒な発言をしているのを見て『プーチンを刺激してどうするつもり?』と思ったけど、

もしかすると「裏の裏」なる手で、(つまり)天邪鬼のプーチンを「思いとどまらせる」ために「わざと」言っているかもしれませんね?

こんな時代でも、「一人の男の決断に世界が危機にたたされる」なんてことがあるんですね?

あぁ、ゴルゴ13が実在していてくれたらなぁ。

 

 

「一風堂」

鍋の素を見ていて、思わず目が留まりました。

仙台時代に、(通勤していた病院にも、ほど近くにあり)とても気に入って通っていたラーメン屋

「水炊き」といえば、やはり博多

まさかラーメン屋のスープが鍋のスープになるとは…

 

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赤丸新味

「水炊き」の本堂からは外れた味噌味でしたが、美味!

〆はラーメン入れました。

 

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再び登場

神戸のL’AVENUE

お二人の、それぞれのセンスが光ります。

 

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やはり、この時期は

バウムクーヘンにチョコレートが仲間入りし、いつもより上品な佇まい。

 

 

 

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宝石みたい

 

 

 

〇 本文

最近のQA 2つに刺激を受けて、今回のコラムは遺伝子検査(BRACAnalysis)としました。

先ずは、その2つを通読ください。

①管理番号10076

HBOCの遺伝子検査について

[管理番号:10076]
性別:女性
年齢:67歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2022年2月12日

今回は大変お世話になります。

67歳女性。
昨年4月左乳癌全摘出術を施行しました。
その際には遺伝性乳癌の遺伝子検査の説明はありませんでした。
今さらですが、ご相談させていただきます。

病理診断:大きさ1.6*1.2cm、0.3*0.3cm。
ER 90%, PgR 40%, Her2 (+1) 陰性、核グレード3,組織Grade III (3+2+3
=8)、Ki67 30%以上、センチネルリンパ陰性、リンパ・脈管浸潤なし。
ステージI、ルミナルB?と考えられ、ホルモン療法に化学療法を追加するかどうか、OncotypeDXの検査を提出し、RSスコア19のため、ホルモン療法にて経過を見ております。

一昨日ふとSNSを見ていて、疑問が芽生えました。
実は私の母親は、85歳の時乳癌を認め全摘出しています。
StageIIA,
センチネルリンパ陰性。
ホルモン感受性(-)、HER2(+)でした。
高齢のため悩みましたが、抗がん剤はせずハーセプチンの点滴のみ施行しました。
おかげさまで、10年経過しましたが、元気に生活しております。

母が乳癌で、今回私が乳癌と診断されました。
家族性ではあっても遺伝性ではない??
2020年4月から遺伝子検査は保険適応になり、私のケースも適応と考えられます。
確かにHOBCの乳癌の特徴は、45歳以下で乳癌発症・60歳以下のトリプルネガティブ・両側性・2個以上の原発乳癌ということで、私の場合は、あてはまりません。

主治医から、確定診断がついた時点で遺伝子検査の説明はありませんでした。
心配になり先日主治医の外来にアポを取るべく電話しましたが、乳癌専門Nsが対応し「可能性は低いと、主治医は言っている」との事です。
それっておかしいですよね。

色々説明を聞いたうえで、するかしないかを判断するのは、主治医ではなく患者だと思います。
とりあえず術式にも影響を及ぼすので、術前に説明をすべきだと思います。
(オンコサイトの検査を遺伝子検査だと思い込んでいて、HBOCのことは、私の頭から飛んでしまっていました。
勿論私にも非があるとは思っていますが)
こういうケースでは、遺伝子検査の説明はしないものなのでしょうか?
よろしくご助言お願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「こういうケースでは、遺伝子検査の説明はしないものなのでしょうか?」
⇒皆さん、なにか勘違いされているのでは??

「興味本位」で調べるものでは「そもそも」ありません。
もしも希望するのなら、「何のために」目的が必要です。

目的としては以下の3つが想定されます。
1.再発した場合の「治療の選択肢(Olaparibの適応があるのか?)」を増やす為
2.対側の予防切除(全摘)を希望する場合 (必要な条件がありますが、それはコラムで取り挙げます)
3.家族(娘さんなど)への警鐘のため

質問者が、もしもBRACAnalysisをする場合は…
(再発ではないので1は除外)
もしも対側の予防切除を考えているのであれば(上記2として)適応があります。
★但し(予防切除をかんがえているわけではなく、何となく)3を目的とする場合には、自費で検査してください。

今回、コラムで取り挙げることとしました。

 

②管理番号10096

乳がん

[管理番号:10096]
性別:女性
年齢:51
病名:乳がん
症状:
投稿日:2022年2月16日

先日、乳がんの診断を受けました。

左側に2個 右側に1個 両胸で3つの癌がある事が分かりました。

全てステージIですが、両胸全摘で先生にお話をしました。

質問ですが、癌になりやすい体質なのでしょうか?
先生からは遺伝子検査を進められましたが保険適応で7万円かかります。
将来の事、娘の事、姪っ子の事を考えたら受けた方が良いのか悩んでいます。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

(たまたまの)同時両側乳癌です。
進行度とは無関係。無駄な心配をしないように。

遺伝子検査は「無暗に」行う必要はなく、(もし行うとしたら)明確な理由をもって行いましょう。
これに関しては、次の「コラム」に取り挙げます。

「興味本位」で調べるものでは「そもそも」ありません。

もしも希望するのなら、「何のために」目的が必要です。

 

 

目的としては以下の3つが想定されます。

1.再発した場合の「治療の選択肢(Olaparibの適応があるのか?)」を増やす為

2.対側の予防切除(全摘)を希望する場合 (必要な条件がありますが、それはコラムで取り挙げます)

3.家族(娘さんなど)への警鐘のため

 

 

最近、やたらと(理由もなく)BRACAnalysisを患者さんに勧める医師がいるようだね?

それって正しいの?

 

 

 

困ったものだよね。

医師側が「この患者さんにとって必要なのか?」と考えたうえでならばいいのだけど、実際には(特に若い医師は)「この患者さんは若いから、調べたらいいんじゃない?」みたいな「全く無意味に(もしくは、自分の知識をひけらかすために)患者さんへ勧めている」のが現状みたいだね。

患者さん自身は(申し訳ないけど)中途半端な知識で、「目的がはっきりしないまま」に(医師に勧められたから)検査を受けているようです。

〇 知ってほしい事実

1.再発しない限り治療に変化はない。

(再発治療ではない)術後に、BRACAnalysisを調べて陽性だったら「Olaparibを使えるのではないか?」と勘違いしてしてはいけない。

★ Olaparibの適応は「再発」乳癌です。 つまり、BRACAnalysis陽性であっても術後補助療法として行うのはBRACAnalysis陰性の患者さんと全く同じです。

 

★★ BRACAnalysis陽性だからといって(再発してもいないのに) 再発予防としてOlaparibを使用したら、それは「明確な保険外診療」となります!! 絶対に行ってはいけません。

★★★最近はcapecitabineなど「平気で」保険適応外診療を行っている医師が(QAの中にも)目立ちますが、私はそれは「絶対に許さない」立場なので、そのような記載のあるQAには回答しません。

つい最近 管理番号10102 「炎症性乳がん トリプルネガティブ 遠隔転移 ステージⅣ」にもそのように回答しました。

 

 

2.術式選択目的で使用してはいけない

他院から転院してきた患者さん(特にトリプルネガティブ)の多くが(他院で)「あなたはトリプルネガティブだからBRACAnalysisすべきです。そして陽性ならば(温存しても、また出る可能性が高いから)全摘を選択しましょう」

などと言われています。

★ あくまでも「もしもBRACAnalysis陽性であれば、対側の予防切除(全摘)を行う」ことを目的とした保険適応であり、(対側の予防切除をせずに)患側の術式選択目的で行ってはいけないのです。(その場合は「自費」です)

 

 

私が強調したいのは上記2つです。

無論「再発もしていない」「対側の予防切除も希望していない」のに、ただ「もしもBRACAnalysis陽性ならば、家族に注意しないといけないから」などという理由は論外です。

★それは(そもそも)保険適応ではなく、(そんなに気になるなら)自費で行ってください。

 

最後にBRACAnalysisの保険適応について記載します。

1.再発乳癌

2.対側の予防切除を希望し、かつ以下の基準を満たす場合

乳癌を発症しており,以下のいずれかに当てはまる
✓ 45歳以下の乳癌発症
✓ 60 歳以下のトリプルネガティブ乳癌発症
✓ 2 個以上の原発性乳癌発症
✓ 第 3 度近親者内に乳癌または卵巣癌発症者が 1 名以上がいる

 

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