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今週のコラム 311回目 pembrolizumab 実践編

今、これを書いている時点では東京は「かろうじて」雨が降ってはいません。(セーフ)

もしも午後にも雨が降って居なければ、今日も屋上で…

北のフネさんばりに、今度は白ワインに合わせて「しょっぱい系」を食べたい。

「カレーパン(東京マリオットホテル)」「ビーフジャーキー」「(リンゴの国からの)つまみ」

願いが叶ったら、明日更新します。

⇒東京は3時頃から(雨が)やみました!

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さっそく、屋上へ行って撮影

左から「ナッツ」「カレーパン」「(リンゴの国の)黒ニンニク」「(同)ほたて」

 

visual 的には地味ですが… 味は抜群!

ただ寒かったので20分位で退散しました。

 

先週 某日…

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『期間限定なんです。』

 

「マウントバーム モンブラン・デコレ」

おっ! ねんりんやですね。 週末が楽しみです。

 

と、いうことで昨日(土曜日)は「かろうじて」晴れていたので。

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右「治一郎」 奥「Club Harie」

手前「ねんりんや」

「モンブラン」というだけあって、まずは「モンブラン」の強烈な美味さの後に「しっかりとした」バウムクーヘンの食べ応え!

強烈でした!

 

ところで…

医局には毎朝「日経新聞」が届くのですが、昨日何気なく見ていたら「日経プラスワン」に

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こんな記事が…

最近のコラムのトレンド?としては黙ってはいられません?

 

 

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ベスト2にClub Harie  流石です!

 

北海道の「きのとや」がベスト1 三方六だけではなかった「北海道の底力」 きっと材料の強み(牛の数?)なのでしょう。

私的には(それらを抑えて)気になったのはベスト3の「ドレスデン風バウムクーヘン」

形も綺麗(日経プラスワンの写真の右です)だし、「本場ドイツ伝統の製法」にも惹かれます。

そしてシナモンなど複数のスパイスで「大人のテイスト」とあります。

誰が食べたことある人の感想教えて!

 

本文

tripple negative再発治療

かなり前から「プラチナ製剤がトリネガに、いいのでは?」と囁かれながら、エビデンスの壁に阻まれていましたが、今回pembrolizumabの臨床試験で「何気に」併用療法として承認されたことは(pembrolizumab承認の陰に隠れた)トピックスと言えます。

さて、それではcase studyを行います。

〇基本

①tripple negativeでは、(浸潤径が5mm以下でない限り)anthracycline + taxaneが(術後補助療法として)既治療であることが多い。

②anthracycline+taxaneの中身としてはanthracycline(EC or AC or FEC or FAC) taxane(docetaxel or paclitaxel)であり、(万が一)再発した場合のfirst choiceはanother taxane(補助療法としてdocetaxelを選択していた場合にはpaclitaxel/nab-paclitaxelとなり、補助療法としてpaclitaxelを選択していた場合にはdocetaxelを選択する) 注1)

 

③薬剤の種類

③-1通常の抗がん剤

anthracycline, taxane(docetaxel, paclitaxel, nab-paclitaxel)

bevacizumab + paclitaxel

eribulin

 

③-2免疫チェックポイント阻害剤

atezolizumab + nab-paclitaxel

pembrolizumab + gemcitabine + carboplatin

pembrolizumab + paclitaxel

pembrolizumab + nab-paclitaxel

注2) ③-2では『PD-L1抗体が陽性であること』が適応基準となります。

同じ「PD-L1」の免疫染色でもatezolizumbではSP142抗体(ベンタナ社製)を用いて行う『IC score』を用いるのに対し、

pembrolizumabではPD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」を用いる『CPS』で判定します。

 

 

えっ?

(どちらもPD-L1抗体の発現をみるためなのに)別々の試験なの?

 

 

そうなんだよ。

何故そうなるのかというと、単純に「臨床試験で用いた診断基準を順守するため」なんだ。

「臨床試験縛り」は、(エビデンス的に)仕方が無いことだけど、患者さんにとっては「2度手間」

 

 

IC scoreもCPSもPD-L1の発現をみているのだから、結果は一致するんだろうね?

 

 

 

 

そこは「80%」程度らしい。

つまり、IC scoreで陰性と判断されてもCPSで陽性となる(逆も真なり)可能性があるということ。

患者さんにとっては大変だけど「両方の試験を同時オーダー」することになります。

 

 

③-3 PARP阻害剤

orapalib これはBRCAnalysisが陽性であることが条件となります。(確率は5%以下)

 

〇 case study  (以下のsubtypeは全てtripple negativeとします)

case.1 術後補助療法としてEC + DTXx4施行、1年以内に再発

 

 

「1年以内」とは、結構早いね。

この「期間」は(今後の)薬剤選択に影響するの?

 

 

 

そうなんだ。

DFI(disease free interval)と言って、

1.予後の指標

2.補助療法で使用していた薬剤の感受性(効果があったのかどうか?)

と関係することが多い。

今回は2に注目しよう。

docetaxelが終了してから1y以内の再発ということはdocetaxelの感受性が低いのかな?(もしかして同じtaxaneであるpaclitaxelも低いかも?)という印象となります。

 

 

そうすると、「基本」にあったような原則「another taxane」では無い薬剤選択が候補となりやすい?

 

 

 

 

謎雄君、察しがいいね!

そうなんだ。

このcaseの場合、docetaxel使用後の比較的早期の再発となるのでanother taxaneであるpaclitaxel/nab-paclitaxelよりも、他の選択肢にいきやすい。

つまり、ここでのfirst choiceはpembrolizumab + gemcitabine + carboplatineと(私的には)なります。

 

本来は

first choice pembrolizumab + gemcitabine + carboplatine

2nd choice atezolizumab + nab-paclitaxel

3rd choice bevacizumab + paclitaxel

 

注3) 現実にnab-paclitaxelの供給停止およびpaclitaxelの供給制限(施設の備蓄量により事情は異なりますが、江戸川では新規登録不可となってます)があるので

 

現状は

first choice pembrolizumab + gemcitabine + carboplatine

2nd choice eribulin

3rd choice  anthracyclin(の再登場) 議論が別れるか?

 

case.2  術後補助療法としてEC + DTXx4施行、5年で再発

5年で再発となると、注1)に従いanother taxaneが基本となります。

 

本来は

first choice atezolizumab + nab-paclitaxel

second choice pembrolizumab + gemcitabine + carboplatine

3rd choice bevacizumab + paclitaxel

 

注3)で示したように現状another taxaneである「paclitaxel / nab-paclitaxel」が使えないので

現状は

first choice pembrolizumab + gemcitabine + carboplatine

2nd choice eribulin

3rd choice anthracycline(EC)もしくはdocetaxel(の再登場)