木曜日のスカロケでマンボウから「週末、雨」と聞かされていたので半ば諦めていただけに、この土日の40kmが「雨無で走り切れた」ことに、とても感謝しています。(誰に? 神?)
昨日の午後にはお気に入りの屋上で気持ちいい風に吹かれながら南アフリカのシュナンブラン。小さな幸せです。
何度目かの「騎士団長殺し」を読みながら、いつの間にかのお昼寝もこの季節の醍醐味です。
昼寝のおかげで日頃の寝不足も解消されて、ランニングも気持ちよかった。
zoomx 久しぶりに登場
Ⅱが出ました。
左がⅠで右がⅡです。
「違いは何?」
ズバリ「素材」です。(この写真で解るかどうか?)
Ⅰは(軽さを追求するあまり)かなり「ペラペラ」な安っぽい素材
(安っぽいとの批判があったのか定かではありませんが)Ⅱはメッシュ状に生地が「しっかり」しています。
★特徴である「厚底のソール」に変更はありません。
その代償が「十数グラム」の重さ。
「新型」が出ると、しばしば『旧型の方が良かった』との意見が出ると、(いつも)想いだすのは「スカイライン」論
名車と言われたR32、その後出たR33に対する批判ったら!(「ローレルクーペ」と揶揄されていました)
〇 本編
前回のコラム『今週のコラム 294回目 乳癌、再発 あなたは諦めますか?』で、少々「熱く」吠えました?が…
「何を根拠に、あんたは勝手なこと言ってるの?」と、詰め寄る読者もいる「かも」しれません。
今回のコラムは、そんな「懐疑的な」あなた(冗談です)に対するanswerかもしれません。
★再発治療にスタンダードはない。
それが、「何をしても予後は変わらない」という誤った解釈に繋がっているのでは??
「転移、再発」と一括りにすべきではない。
「手術で(少なくとも)肉眼的には取りきれる」ケースと「手術不能な」ケース
「放射線でcCRが見込める」ケースと「放射線では叩ききれない」ケース
実に様々。
確かに(これでは)スタンダードが無いのは当然ですよね。でも「何をやっても変わらない」わけではない。
そんな想いに駆られた実例を少々、ご紹介しましょう。
皆さんはどう思うのでしょうか??
① 術後4年で「縦隔リンパ節」及び「鎖骨上リンパ節」再発し、当院へ転院したケース
当院初診時のCT
下)再発前の「正常」な状態(同部位)
上)SC(CT画像)
下)同部位のUS画像
内頸静脈に沿った「縦」方向
SCが内頸静脈を「下から圧迫」している
下)再発前の「正常」な状態(同部位)
治療
1.縦隔リンパ節はradiation(Tomotherapy)
2.SCは手術しました。
★SC転移を手術したのは、このケースが初めてだったと思います。
患者さんの「強い希望」と「単発で取れそうだな」という私の思惑が一致したのです。
3.(1,2の後に)抗がん剤したのか?
⇒しました。(一人QAみたいですね)
リンパ節転移だけとはいえ、純粋な「局所」とは言えないので「敵が小さいうちに叩いておく」方式
weekly PTX x12としました。(術後補助療法でanthracycline+docetaxelしていたため)
経過
その後はホルモン療法だけ行っていますが、cCRのまま5年以上なってます。
ホルモン療法で5年以上「cCRが維持」されると「根治では?」と期待しているわけです。
もしも「あの時」再発は何をやっても同じとして「ホルモン療法だけ、ダラダラしていたら?」
② 術前施行されて骨転移(胸骨転移)が見つかり、(患者さん自身が手術を希望しても)「手術はできない(無意味)」と当院を受診されたケース
前医で術前に撮影したPET
「胸骨転移」所見あるが、骨転移は「多発」ではなく「単発」
骨転移とは言っても「単発」だし、十分に全身療法でコントロールされることも期待できます。
原発巣(乳腺及びリンパ節)も十分「手術可能」だし、手術しましょう。
手術 (左乳房切除+腋窩郭清)施行
術後抗がん剤 bevacizumab + paclitaxel 3クール
★ anthracyclineを何故、やらなかったか?
かなりの遠方の患者さんであり(飛行機でないと通えない)「副作用の為に完遂できないリスク」を危惧してでした。
bevacizumab+paclitaxelは(通院頻度は大変ですが)「副作用を心配しなくても済む」最強の薬剤なのです。
抗癌剤終了後のPET
cCR(胸骨の取り込みも消失し、画像上完全緩解)
その後、radiation(通常の「胸壁+SC」に加え、「胸骨」も)を行い、
cCRの状態でホルモン療法へ移行しました
★術後4年をそろそろ迎えますが、cCRを維持しています。
もしも、この患者さんが(地元の医師の言葉に)諦めて、その提案通りに
(「どうせ、何やっても一緒だから」として)ホルモン療法でダラダラ治療していたら…
4年後の状況は全く違ったことになっているのではないか??
私は、時々想像するのです。
あのまま前医でホルモン療法していたら…
(以下は、「もしも」という想像の世界)
1年後、(ホルモン療法の制御が効かなくなり)原発巣(乳腺の癌)の増大
(抗がん剤は「もう少し後のために、取っておきましょう」などと言われながら)抗がん剤をすることなく
2年後には、原発巣は増大し皮膚潰瘍を形成し浸出液や出血するようになし、(腋窩の)リンパ節が増大し(腕のリンパ管を閉塞し)腕はパンパンに。
胸骨転移(骨転移)は拡がり…
ようやく「抗がん剤に踏み切る」も、増大した原発巣や拡がった転移巣は(一旦は改善するかに見えても)再増大を繰り返し、
やがて…
今回は①再発症例 ②転移性乳癌 についてお話ししました。
★②は「再発」ではなく(最初から)「転移している」症例なので今回の主旨とは厳密には異なりますが、そこのところはご勘弁を
次回は『乳癌、再発 あなたは諦めますか? 続々編』として「腋窩再発(厳密には「手術時の取り残し」)」にfocusして紹介します。