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今週のコラム 277回目 果敢なる挑戦 vol. 1

東京は昨日から暖かい。

今日はもっと暖かくなるとのこと。とても楽しみ。

暖かいと鍋ではないものが食べたくなりますね。

昨日は牡蠣、牡蠣とガーリックバター とっても美味。

こんな時にはワインは白 南アフリカのKleine Zalze  ブドウはChenin Blank

ただ、これから暑くなってくるとワインよりもビールが美味しくなってきます。

 

最近のお気に入りは伝説のホップを使ったSORACHI

騙されたと思って、一度お飲みあれ!

 

 

 

○ 本編

 

前回からの続き(この画像)

 

 

 

 

 

 

乳腺を摘出すると、実際にはこのような状態となります。

ここに見えているリンパ節(レベル1)は裏側では筋肉(前鋸筋)浸潤しています。

表側では小胸筋には浸潤していますが、(今見えている)大胸筋には浸潤していません。

 

 

 

 

大胸筋には(浸潤せず)ただ「被さっているだけ」なので、大胸筋は(通常通り)捲り上げることができます。

 

 

 

 

 

 

 

このように… (大胸筋を捲り上げると)

リンパ節が、(裏側から)小胸筋に直接浸潤しています。

 

 

 

 

ここからが(外科医の)腕の見せどころ

このようにリンパ節が(周辺から)コロッと外れない。

つまり周囲の筋肉へ直接浸潤していることを「節外」浸潤といいます。

ここで(将来)局所再発しないためには、

このように周辺の筋肉も(マージンをつけて)合併切除しながら外すのです。

ここで経験が浅い外科医の手術だと…

せっかくリンパ節を外しても、(将来的に)その周囲の筋肉からの局所再発してしまうのです!

 

 

(リンパ節の)裏の前鋸筋及び表の小胸筋を合併切除したところ

 

 

 

 

 

小胸筋がリンパ節から外れたので、

小胸筋を内側へ捲り上げていきます。

すると…

腋窩静脈に癒着したレベル1と(そのレベル1と癒合した)

レベルⅡも見えてきます。

 

 

 

 

本来なら、この視野で

レベルⅡまでの郭清終了というところですが…

腋窩静脈からも、奥のレベルⅢからも外せずに「立往生」状態となっています。

 

 

 

★ 通常の郭清では、この視野で

(ひとまず)レベルⅡを外し、レベルⅠを腋窩静脈から外して「レベルⅡ郭清(所謂、腋窩郭清)」終了となります。

ただ、このような症例では、そう簡単にはいきません。

(ある種の、諦めのいい=潔い?)乳腺外科医は、静かに創を閉じて『ここで無理をして(腋窩静脈から)大出血などしたら大変だ。』として、『これも患者さんの運命(この医師は運命論者?) 抗癌剤をしよう』となるでしょう。

ただ、(今回のような)痴呆患者さんや高齢者では

「抗がん剤そのものができない(無理やりベッドに縛り付けて点滴できませんよね?)」= GAME OVERとなったことでしょう。

 

さて、この後「潔くない=諦めの悪い」東の果ての乳腺外科医はどうしたのか?

続きは、次回で(引っ張るねーって、実はそろそろテニスに行かなくてはいけなくなったのです。)