今日も晴れ、東京は暫くいい天気です。(今朝は寒かったけど)
「もうそろそろ鍋シーズンも終了だな。」と、ぎりぎりで思い立ったので(華味鳥は間に合わず)「はかた一番どり」でした。
ワインはやはり?白 ルーマニアの「ヴィル・ブドゥレアスカ プレミアム・フュメ 2019」
彼の地へ想いをはせながら?の「博多の味」 便利な世の中になったものです。
○ 本編
この画面
(おさらい)
(内側で小胸筋に、裏側で前鋸筋に直接浸潤した)レベルⅠを外したものの、
腋窩静脈からは外せず、(奥では)レベルⅢまで一塊となり(こちらからも)外れない!
「手術不能」と烙印を押してしまえば、一気に解決? この苦境から解放される。
『お前も、ここまで頑張った! これ以上は聖域。リスクを冒すべきえはない』
そんな誘惑?を振り払うように、『レベルⅢを直視下にすれば、道は切り開かれるかもしれない!』
大胸筋をスプリットしてレベルⅢを直視下にする術式に習熟していたからこそのchallenge
この時点で勝機(取りきれる)があったわけではありません。
ただ、「唯一の可能性」だったことは間違いありません。
実際に…
この視野にするには、まず大胸筋を(その裏にある)小胸筋から剥離しなくてはなりません。
その上で、大胸筋を(裏から持ち上げるようにして)腋窩静脈から安全な距離を確保したうえで、スプリットするのです。
リンパ節の終着点
レベルⅢは「直視下ならではの安心感」で、外せました。
これが今回の手術の突破口となりました。
Ⅲが外れたので、(Ⅱも同視野でⅢと連続したまま)腋窩静脈から外すことができました。
これで、再び外側の視野に戻します。
「遂に」ここまで来ました。
実際の距離は「1cm」程度
「たかが」1cm、「されど」1cmです。
誘惑
このように、「腋窩静脈」から安全な距離で
リンパ節を分断してしまえば、
この部分のリンパ節が残存してしまいます。
ただし、「この程度」だと
「もしかして」周囲から血流を絶たれた癌細胞が「壊死してくれるかも!」
みたいな、「楽観的な(根拠の乏しい)解釈」に逃げてしまう誘惑となるのです。
最後の最後に…
上記のような「誘惑」との葛藤がありつつも(人間とは弱いものです)
『ここまで来たら、最後まで粘ってやる!』
あらゆる角度から…
少しずつ(文字通り)「ミリ単位」で外していったのです。
『青大将に傷つかないか??』ヒヤヒヤものでしたが…
一見…
血管に浸潤していて「血管の壁を破らなければ外せない」
ように見えていても、周辺から「少しずつ」外した先に
このような勝利があったのです!
いやぁー、このような症例を経験すると
如何に通常の郭清が「楽」で「安全」なのか、再認識させられました。
『日々、是修練』