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今週のコラム 271回目 「早期発見」と6mm程度で確実に診断する「強い思い(by 小沢健二)」

東京は今日もいい天気 (日本海側では大雪のようで、何だかスミマセン)

昨日は午前、市川だったので今日から2連休。テニスの後は「水炊き終わりのカレー」が待ってます。

「食の楽しみ」と言えば…

年末年始については、このご時世だから敢えて今は語らず。ただついでに「マリオネットホテル東京」でカレーパン買っちゃいました!

やっぱり旨い!(因みに、あらかじめ電話して10個「お取り置き」してもらいました)

神楽坂「亀井堂」のクリームパンも、狙っている今日この頃です。

 

さて、前回に引き続いて「早期発見」第2弾

動画を意識して、いろいろ考えていたところ、掲示板で「ころぴゃん」さんの以下のコメントを読みました。

《早期発見~最善の治療方針~最高の手術へ》
こんな感じの動画もあればいいかな?なんてふと思いました
3部作になってもいいかも

(以下、私の頭の中で)

「3部作」か。いいかもな。

(過去の3部作は、実例を「ストーリー」仕立てしていたので)そうか! 動画でも「実例を挙げて」やってみようかな?

そんな、こんなで「過去の実例」をいろいろ掘り起こしてみました。

 

○ 問題(と、私が強く思う)症例

case.1 小さいから(4mm)刺せない(生検ができない)から「半年後」と言われた症例

 

「小さいから刺せない」という、発想自体…

医師により、「生検技術」が違う事を実感させられます。

恥ずかしくないのかな?

 

 

case.2 (前医で)エコーで良性を疑い経過観察されそうになった症例

 

これは6mmあります。

これは歪なのに、何故良性と判断したのだろうか?

(そもそも)画像診断(読影といいます)技術に「難」がある医師がいることも肝に銘じなくてはいけません。

★ この画像を「良性を疑い経過観察としましたが、患者さんが貴院への紹介を希望したので紹介します」では、恥ずかしくないのかな?

 

上記2症例は、問題症例だと(私には)思えますが、次に(そこまででなくても)一般的に経過観察されがちな所見を次に示します。

 

①経過観察されがちな症例

 

これも6mmですが、形状が比較的「整」であり「癌疑い」とはなりません。(カテゴリー3)

これを積極的に組織診を勧めるのか?(実際には、殆どが「経過観察」となりそうです)

 

 

これは8mmです。

良く見ると「境界不明瞭」なので良性所見とは言えないのですが、経過観察されがちなのが現状です。

 

 

 

これは6mm

形状は「整」とは言えませんが、「この大きさ」だと、「とりあえずビール」的な発想の医師は細胞診を行い、しかも(そのような医師は)下手が多いので「検体不良⇒経過観察」となりがちです。

 

早期発見とは、まさに「小さい病変」を積極的に診断することなのですが、現実には

「小さいから経過観察」「小さいから上手く生検できない」

(誠に残念ながら)巷には、このような診療が溢れています。

患者さん自身が「早期発見の(せっかくの)機会を逃してしまう瀬戸際にいるのでは?」という疑問を持つことが大事なのです。

 

ちなみに小さくても(画像だけで)癌を強く疑うべき症例もあります。

このような場合でも(経過観察好きな医師は)「経過観察とする」ことさえあります。(さすがに、ここまでくると少数派にはなります)

 

②小さくても癌を強く疑う症例

 

これは8mmですが、さすがに「この所見」で経過観察はナシでしょう。

ただし、8mmだと「上手く生検できない」医師はいます。

 

 

 

これも8mmです。

上記①群とは「印象」異なりますよね?

ある程度大きく(8mm)なると、不整形と判断しやすくなるのです。

 

 

これも8mmですが、どうですか?(見慣れてきました?)

ここまで来ると「癌にしか見えない」所見となります。

「不整形+周辺の毛羽立ち」

 

 

 

これは、上記とは異なり6mmですが、不整形+「縦長」という特徴があります。

何故、縦長になるのか?

⇒小さくても「硬い」ので潰されないからです。(柔らかいと「扁平」となりがち)

 

もっと大きく(1cm以上)なると、より「癌と解りやすく」なります。

経過観察好きな医師は、ここまで引っ張ることもあります。(勘弁してほしい)

ただ、その現実を皆さんが知ってもらうことが重要なのです。

 

③経過観察好きの医師が「超重い腰を上げる」症例

 

これは「経過観察過ぎの医師」も裸足で逃げ出すでしょう。

「不整形」以外に表現しようがありませんよね??

 

 

 

 

これは22mm

この大きさとなると触診で「硬く」触れるし、マンモでも(さすがに)怪しげに写ります。

 

 

21mm(左)と17mm(右) これらは乳管で連続しています。

皆さんにも癌らしく見えてきましたね?

勿論、マンモでも「きっちり」写ります。

 

 

 

「1cm以下は触診で触れないし、マンモで写らない(例外も無論ありますが)」これが早期発見を妨げる元凶かもしれません。

我々、早期発見を心がける医師にとっては「エコー所見だけで十分(当たり前)」なのですが、

『マンモで写っていないから癌ではないよ』と前医で言われた患者さんも「実際に」いるのです!(とても、ビックリしたことを強烈に覚えています)

その症例

 

12mm 不整形

(今回のコラムで)癌のエコー像を見慣れてきた皆さん。どう思います?

「マンモで写ってないから、とりあえず半年後」と言われたのですよ?

どう思います?