静岡の「黒おでん」
昨日、産まれて初めて食べました。
美味い! 最高!
黒い=しょっぱい ではなく、しかも具が結構バラエティーに富んでいる。
海の幸に恵まれた練り物は「やっぱ、静岡は違うね」感あり、また牛筋も国産牛のガッツリ系。
一般家庭で、ここまではやらないと思うけど、そこは老舗のこだわりかな。
宅配便もやっているから、来年早々にも必ず注文します。(かなり楽しみ)
注 「肉の鈴木屋」もそうだけど、ここは決して通販紹介サイトではありません。
あくまでも個人の感想です。
○ 本編
鎖骨下(レベル3)郭清
前回のコラムでは、鎖骨下リンパ節(レベル3リンパ節)が見えるまでを図解しました。
ポイントは『小胸筋の遊離』
1.小胸筋の内側(奥)を見るには、小胸筋を手前(外側)へ引っ張りださなくてはいけない。
2.そのためには(小胸筋の上に覆いかぶさっている)大胸筋から剥がすことが第1歩
3.(剥がした)大胸筋を「思いっきり」内側へ捲り上げることで「漸く」小胸筋の全貌が見えてくる
4.(小胸筋を奥で固定している)内側の膜を切離することで小胸筋の固定が外れて、晴れて「レベル3」が現れるのです。
実際の「鎖骨下郭清(レベルⅢ郭清)」について
実際には、この(小胸筋内側の)膜を切離するところからが「郭清のはじまり」です。
拡大
レベル3は小胸筋の内側(奥)の膜を切ると、漸く現れます。
○ レベル3郭清(手順)
小胸筋膜の切離
この際、腋窩静脈からの小血管が数本あり、見にくいので注意が必要
小胸筋膜を切離することで、(これより内側:奥にある)レベル3の一部が見えます。
ただ、まだ「殆ど」は大胸筋により隠されています。
大胸筋を「更に:無理やり」内側へ牽引
ここは助手の力仕事、(今までも牽引していましたが)ここは勝負とばかりに、「グググー」っと、牽引して何とかレベル3の全貌が視認されます。
★ ただこの状態は小胸筋を外側(手前)へ、大胸筋は無理やり内側(奥)へ牽引して(実際には)その隙間から覗き込むイメージです。
(一言)
「レベル3の全貌が見える」と書きましたが、実際には「術者だけ」が「隙間から覗き込んで」漸く見えるレベルです。(助手からは全く見えません)
もしも未熟な術者に、ここを任せたら指導医からは見えないので『(指導医にとって)心臓が幾つあっても足りない』恐怖体験と言えます。
これが、レベル3郭清が伝承されない大きな理由とも言えます。
レベル3郭清の手順
まず胸壁から外し①
次に、腋窩静脈から外します。
リンパ節が(転移していたとしても)小さければ、このような隙間からも安全に郭清できますが…
★★ このようにレベル3の転移が大きく、腋窩静脈にのっかって安全に剥がせない場合は
★無理やり剥がして青大将の壁を破る(孔を空ける)なんて想像しただけで気絶しちゃいます。
こんな場合はどうするか?
男なら~♪ 闘う時が来~る♪
そんな勝負に出るのか?
いえいえ、患者さんの命をかけるわけには(当然)いきません。
重要なのは「視野」なのです。
ここまでの「小胸筋は外側へ」「大胸筋は内側へ(無理やり)」の隙間視野に問題ありなのです。
大胸筋のスプリット (レベル3を直視下で)
大胸筋と(その裏の)レベル3リンパ節の位置関係
実際には、大胸筋の「かなり内側(奥)」の裏に存在しています。
そもそも、この位置のリンパ節を見るのに、大胸筋を内側へ捲り上げるのには限界があることがイメージできますか?
そこで、(大胸筋の)外側部分は(素直に)外側へ、(大胸筋の)内側部分は内側へ牽引することで「無理なく」直視下にするのです。
つまり、「この位置で」大胸筋を割ります。
このように
小胸筋+大胸筋外側部は外側へ
大胸筋内側部は内側へ
レベル3が直視下となります。
実際には…
術前エコー所見で「これは(レベル3転移が)手ごわい」と判断した場合には、最初から大胸筋をスプリットして郭清しています。
それに対して、(レベル2まで転移所見があるがレベル3は大丈夫そう)だけど「マージンとしてレベル2まで転移があれば3まで郭清する」という方針なので、この場合には「隙間視野」と使い分けています。