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今週のコラム 260回目 当院の手術の特徴(総論)

今日も秋晴れ。

夜明け前に走っているので(じじいか?)、その日の天気は「星」を見て判断しています。

「あっ、星座が出ている。やった!」って、感じでした。

radikoでFM GIFUの「please テルミー! マニアックさん。いらっしゃーい!」から始まり「Music Timeline」まで。

番組の切り替わりを感じながら、「次の番組が始まるまで、あそこまで到達していればペースはまずまずだ」などとペースメーカーとなっています。

 

たつのおとしご says:   2020年10月24日 at 05:52

自己ベスト。おめでとうございます。

本当に尊敬します。

 

私なんか、今フルマラソンを走ったら「サブ3」どころか「サブ4」もできない自信?があります。

そんな私が一番「サブ3」に近づいたのは研修医の頃。

研修病院の(道路を挟んで)横にあった「医師官舎」

ランニングコースはきっちり14km(後に、自動車のメーターでチェックしました。当時は他に測定する手段がありませんでした)

G-SHOCKで毎日カレンダーに記録をつけていました。

1h10分を切り、その内

「やった! 1h切った」

単純計算すればフルマラソンを「ぎりぎり」3hでいけます。(その当時「サブ3」という言葉はありませんでしたが…)

ただ、結局「サブ3」できなかった25年前のフルマラソン。

リベンジしなくちゃ。と思いながら大会にも出ず…

 

そんな中、「たつのおとしご」さんの「自己ベスト」に刺激をおおいに受けています。

今年に入り距離を延ばしていましたが、やはり長距離に大敵なのは「体重」

目標体重まで落としたら、きっと(約束ではない?)フルマラソンを「50代のうちに」走ってやるぜ!(密かな野望です)

「言霊」といいますね。口にして言った事は叶うはず。(今日のランニングが調子よかったので、調子にのって考えていました)

 

〇 本編

手術

ここ最近のコラムは「手術」について書いてきました。

(以下)

今週のコラム 257回目 腋窩再発の癒着

今週のコラム 258回目 「出血の無い手術」について

今週のコラム 259回目 「押入れモデルの図解」 腋窩鎖骨下郭清(レベル3郭清)を理解するために

 

乳がんプラザとして「診断」や「治療」などの一般的な情報提供は「勿論」重要です。

ただ、それだけでは単なる「良くできた」教科書にすぎません。(それでも十分なのですが…)

私が上記コラムを書いていて実感したのは、「手術に差があること」を伝えたい!

 

レベル3まで転移があるのに、(できないからと言って)レベル2まで手術して後は放射線とか、

腋窩再発したのに、「手術はできないから、放射線」して抗がん剤

 

上記はQAに頻繁に出てきます。

その度に私は(心の中で)「当院に来てくれれば、手術が可能なのに!」と思いながら、宣伝行為みたいで直接そうは言えない。

そんな「もどかしさ」に駆られたりでした。

もしも(痺れを切らせて)QAの回答に『当院なら手術できるので「手術相談メール」してください』などと(もしも)書いたとしても、質問者には疑問が起こるかもしれません。

治療している病院は(地域最大の)「がんセンター(もしくは)大学病院」

県下最大の病院の医師が「手術できない」と言っているのに、そんな「東京の東の端の(吹けば飛ぶような)小病院」の医師の方を信じられるか?

そんな、発想になるかもしれません。(質問者の中には私を信頼している人と、そうではなく懐疑的な人、純粋に質問の回答者としか思っていない人、様々であることに「今さら」気付いた自分がいます)

 

「出血させない」こと。それが(とても単純ですが)結局「究極の技術」となります。

手術に「切り取り線」があることを理解せず、液体を「ダダ漏れ」させながら「取りたいのは取った!」では「その先」には行けないのです。

 

若いころに一つの記憶があります。

それは「腋窩再発」

先輩が術者で(その先輩が数年前に手術をしての再発でした)、当時まだ若かった私は助手としてその手術に参加していました。

当然のように腋窩からのアプローチ。

 

②から小胸筋裏に再発しているのですが、②の癒着に阻まれて先に進めませんでした。

小胸筋には小胸筋外側(手前)にある「手前の入り口」と内側(奥)にある「奥の入り口」があります。

つまり、「手前の入り口」が②の癒着によって開けられないのです。

 

 

この「押入れモデル」でいうところの「前蓋」が錆びついて開かないようなものです。

 

 

 

結局、何とか前蓋(小胸筋外側の癒着②)を青大将(腋窩静脈)に切り込まないように、少しずつ「こじ開けよう」とtryしたのですが、「ジワッ」と出血したりして結局「無理をして、大出血したら助けられない」と結論し撤退したのです。

 

その当時は、「腋窩再発は怖い」と言う印象しかなかったのですが、今では全く別の印象となっています。

今の私であれば、「小胸筋の内側(奥の蓋)」を開けて(そのためには、その直上で大胸筋を割らなくてはいけませんが)、小胸筋の裏のリンパ節(レベル2)は内側(奥)から郭清して、そのまま(奥から)前蓋を開ける(蓋の奥側は癒着していないので、慎重にやれば開けられます)

何故、その時その先輩は「奥の蓋から開ける」というアプローチをしなかったのか?

 

出来なかったのです。

言葉にすると簡単なのですが、(表の蓋を開けられないのに)奥の蓋を開けるなんてできるわけがない。

手術とはそんな発想なのです。

 

レベル3(鎖骨下郭清)自体「標準治療ではない」として行われなくなってしまった現在。

レベル2郭清として「表の蓋を開ける」ことはあっても、(その先の)奥の蓋は「開かずの蓋」となっています。(開けたことのある乳腺外科医は、極めて少数派となっている)

 

普段から「奥の蓋」を開けている私にとっては、(癒着などで)表の蓋が(安全には)開けられないのであれば、「奥の蓋から開けよう」という発想自体、ごく自然なのですが…

 

以上のことでいうと「腋窩再発」だけに当てはまるように思われるかもしれませんが、これは(実際には)再発だけでなく「初回手術の腋窩(鎖骨下)転移」にも応用できます。

『腋窩にリンパ節転移の疑いがあります』として前医から紹介された患者さんも

私がエコーすると『レベル3まで転移があるやんか? 何で、そこまで評価しないのか?』となることもシバシバです。

もしも、「腋窩リンパ節転移の疑い」程度とされ、(当院ではなく)地元の「が〇センター」などで手術されたら…

術中に「リンパ節が(レベル3に)残存しているけど、腋窩静脈にくっついていて取りきれない」となったことでしょう。

 

やはり、「腋窩リンパ節に転移がありそう」という時点で(地元のが〇センターではなく)当院で手術を受けてほしいのです!

そんな思いが「乳プラ」の中の「当院の手術の特徴」として伝えたい。

と、いうことで次回のコラムには「当院の手術の特徴(各論)」として(今までコラムで紹介した内容を)まとめたいと思います。

 

長い前置きとなりました。(ご清聴ありがとうございました)

 

 

 

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