こんにちは。田澤です。
森田(千葉県)知事の「東京へは行かないように」という要請を振り切って、今朝も東京に(端ですけど)来て仕事してます。
とりあえず県境にはバリケード無かった。
だけど季節外れの大雪?に「帰れるのか?」心配しながら時々窓から外を眺める3月29日です。
本編
〇リンパ節再発 あなたは諦めますか?
「リンパ節再発」と一口に言っても、さまざまです。
これから挙げる3症例は、それぞれ部位も異なります。
共通して言えるのは、前医で『再発なんだから、(根治は)諦めなさい。積極的な治療なんかしないよ。』と、言われたが、納得しきれず江〇川病院の門をたたいた方達なのです。
case.1
Aさん 鎖骨上、縦隔リンパ節再発
〇前医にて
縦隔リンパ節再発ですね。
リンパ節といっても「遠隔」扱いです。
ホルモン療法の継続で様子見ましょう。
それでは今までと変わらないじゃないですか。
ホルモン療法の継続だけでは不安です。
と当院を受診したのです。
〇当院にて
(診察後)
縦隔リンパ節ですね。
(それと)鎖骨上リンパ節にも転移を疑います。
縦隔は手術で取れるところではないので、放射線で直接狙いましょう。
心臓に近いですが、当院のTomotherapyであれば安全に効果が狙えます。
鎖骨上リンパ節は一度照射しているので、照射できません。
幸い、単発なのでこちらは手術で摘出しましょう。
転院します。
治療をお願いします。
その後…
縦隔への照射(Tomotherapy)⇒ 右SC郭清術 ⇒ 半年間の抗がん剤(weekly paclitaxel)
を経て、5年間再発無。
case.2
Bさん 腋窩、傍胸骨リンパ節再発
〇前医にて
術後1年目の検査ですが…
腋窩リンパ節及び傍胸骨リンパ節再発です。
胸骨傍リンパ節2は結構大きいことが解ります。
えっ、本当ですか?
手術お願いします。
再発治療では、手術は行いません。
抗がん剤します。
いつまで、やるのですか?
再発治療に「期限」はありません。
「永遠に」行います。
楽にできるように経口抗がん剤を始めます。
そして数か月後…
その「経口抗がん剤」に効果はなく、リンパ節は増大。
先の見えない(visionのない)治療に疑問と不安を感じ、当院を受診したのです。
〇当院にて
腋窩リンパ節は十分、手術可能です。
ただ、胸骨傍リンパ節は結構大きいので緊急性があります。
治療の順番としては(緊急性のある)胸骨傍リンパ節に照射(Tomotherapy)⇒腋窩の手術を勧めます。
もしも(手術が嫌であれば)胸骨傍リンパ節と腋窩リンパ節の両方とも照射することもできます。
抗がん剤は(PETでは遠隔転移が無い以上)局所療法(照射や手術)を先行させて、その後に行いましょう。
腋窩は手術を希望します。
その後…
諸事情により
まず腋窩郭清(十分根治性あり)を行い、(その翌週から)縦隔リンパ節への照射を行いました。
抗がん剤を行い、現在(画像上)cCR(complete clinical response)となっています。
case.3
Cさん 腋窩、鎖骨下、鎖骨上、頸部リンパ節再発
〇前医にて
術後4年
リンパ節が腫れているけど…
転移かどうか解らないけど、細胞診するのも危険だし、(ホルモン療法で)このまま経過をみましょう。
その後3年!徐々に増大、増加するリンパ節を前に、「何もしません」の一点張りの主治医に疑問を感じ当院を受診したのです。
〇当院にて
本当に、何もできないんですか?
そんなことはありません。
腋窩~鎖骨下リンパ節は手術をして、鎖骨上~頸部は放射線をかけましょう。
リンパ節再発は十分な長期コントロールが可能であり、その先には根治があるかもしれません。
やれることは、きちんとやりましょう。