こんにちは。田澤です。
QandAもストップして2週間を超え、秘書メールが減ってきました。
やはり「QandAは大事なんだなぁ」実感しているところです。(明日か明後日には再開予定と管理者からアナウンスがありました)
手術待ちが短くなり「お互い(私も患者さん側も)」ストレスが少なくなっている一方で、1日5枠が4枠でいいというのも何だかもったいなく感じます。
やはり「忙しすぎるくらいがちょうどいい」
そんな自分の性格を再確認しているところです。
FMから流れたshort story
人間A「うわぁー、熊だ! 熊だよ。食われてしまうぅー!」
人間B「おい、おい。慌てるな。 よく見ろよ。 あの熊、手を合わせてお祈りしているじゃないか! 信心深いのだとしたら、俺達助かるんじゃないか!」
熊「人間どもって、うるさいなー。 食事の前のお祈りくらい、静かにさせろっての。」
「2018年07月17日1 針生検と術後病理検査で結果が大きく変わることはありますか」を読んでいてリンパ節の取り扱いについて取り上げようと思いました。
「考え方」
1.センチネルリンパ節に転移が無いからと言って、「安心して」郭清省略できるのか?
2.微小転移でも追加郭清する。
3.微小転移なら郭清省略する。
4.肉眼的転移でも追加郭清を省略する。
時代の変遷があります。
まず、当然のことながら「センチネルリンパ節生検」自体が正しいことなのか?(上記1)
これについては臨床試験により日本で導入(10年くらい前)された当時から、「大丈夫か?」という空気はありました。
私も仙台時代、まずは「センチネルリンパ節生検」しつつも(その結果にかかわらず)腋窩郭清も行うというpilot studyの時期がありました。
その結果、「正しくセンチネルリンパ節を同定すれば、郭清省略できる」という自信ができた施設から順次2へ移行していったのです。
♯現在では「センチネルリンパ節生検を行わない」施設など皆無でしょう。
その後、臨床試験結果により現在3が一般的となっています。(乳癌診療ガイドライン2018版 強く推奨)
それでは4はどうなのか?
これは本来ACOSOG Z0011試験の結果を受けての考え方なので、その条件は
①術後照射及び、適切な薬物療法を行うこと
②リンパ節転移は2個以内であること
上記を満たさなくては根拠自体がありません。
それで乳癌診療ガイドライン2018版でも
「放射線照射を行うことを前提」で「弱く推奨」
♯ちなみに、放射線照射の無い全摘では「省略しないことを強く推奨」となっています。
☆まとめると
(上記3の)微小転移なら追加郭清は省略するが、肉眼的転移なら郭清する:強く推奨
(上記4の)肉眼的転移でも術後照射を前提として2個以内なら郭清省略する:弱く推奨
上記のように、いまだに(条件がどうあろうと)肉眼的転移では 追加郭清>郭清省略なのです。