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今週のコラム 74回目 エクオールの乳癌リスク低減効果は証明されていないが、(ホルモン療法による)エストロゲン欠乏症状に対する「安全な対症療法」として期待している。

年度はじめ

年始とは違って、やはり新生活感ありますよね。

私の江戸川も「SEASON 4」に入りました。

 

何も変わってない筈の「この江戸川病院」も、こころなしかフレッシュに(?)見えます。

秋に迫っている「手術室の増設」

もしかして来るかもしれない「期待の新人」

 

★「年間400件の乳癌手術」を掲げて3年前に始まった、(私の)この江戸川でのSEASON

早くも(目標達成?の)実りの秋とも言える特別な「SEASON4」が始まろうとしています。

 

ちなみに「阿部礼二」は昨日から「SEASON 12」へ突入しました。(祝)

祝 番組継続決定!! SEASON 12

 

 

 

エクオール

 

大豆イソフラボンのダイゼインという成分が腸内細菌により代謝され、エクオールとなります。

このエクオールはエストラジオールE2(エストロゲンの主要成分)と類似構造を持ち、その活性はE2の1/100~1/1000

 

 

 

 

 

 

 

 

○大豆イソフラボンからエクオールを作る「腸内細菌」は日本人の半分で欠如している。

つまり、大豆イソフラボンをせっかく摂取しても肝心のエクオールが産生できない人も少なくないのです。

 

大豆イソフラボン50mgから(腸内細菌の有る人では)エクオール10mgが産生されます。

これは豆腐2/3丁 納豆1パック 豆乳1杯に相当する量です。

 

 

 

 

 

 

 

効果

1.エストロゲン欠乏症状の緩和

いわゆる「更年期症状」です。

ホットフラッシュの低下

骨密度低下の抑制

糖、代謝異常の改善

 

2.乳癌リスクの低減?

繰り返しますが、エクオールが乳癌を抑制するという証明はありません。

その素である「大豆イソフラボンによる効果が示された(今週のコラム73回目を参照)だけにすぎません。

 

○機序

おそらく、E2と競合することにより、(結果として1/100~1/1000の活性しかないため)E2による作用を弱めることも一因であると考えられている。

 

 

★動物実験での証明

子宮内膜増殖や乳癌細胞の増殖作用がないことが証明されています。

 

1.子宮内膜増殖作用(子宮体癌のリスクとなる)がない

(エストロゲン投与では増殖するが)エストラジオールでは増加しない(コントロールと変わらない)ことがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.(マウスでの)ヒト乳癌細胞株の増殖作用がない

(エストロゲン投与では増殖しているが)エストラジオールでは増加しない(コントロールと変わらない)ことが解ります。

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

以下にご注意ください。

1.大豆イソフラボンが乳癌リスクの低減に効果がありそうな臨床データは揃ってきていて、ほぼ決着がついたと考えられる。

2.エクオールそのものには「乳癌リスクの低減」は証明されていないが、(動物実験のレベルではあるが)「乳癌のリスク増加はない」ようだ。

 

以上より

エクオールの乳癌リスク低減効果は証明されていないが、(ホルモン療法による)エストロゲン欠乏症状に対する「安全な対症療法」として期待している。

 

★現在、EQUELLE(エクエル)大塚製薬を(MP江戸川の)売店におくことを交渉中である。

そして、その効果についてアンケート形式でデータを取りたいと考えています。

是非、「ホルモン療法中でエストロゲン欠乏症状でお悩みの皆様」ご協力をお願いします。