こんにちは。田澤です。
QandAが一時的にクローズされている分、時間的に余裕ができたのでこの1年間での手術をまとめてみようと思いました。
本日は「単孔性分泌」に対する「乳管腺葉区域切除」です。
「単孔性分泌」の場合には、まず「乳管造影」を行います。
「乳管造影」を行い、「陰影欠損=乳管内病変を疑う」ことを確認のうえ、「乳管腺葉区域切除」を行います。
○「この1年間」でのhotなデータです。
私自身は、この1年で200以上執刀件数がありましたが、この術式は「6症例」なので、比率は少なめです。
意外に少ない気がしますが、「血性分泌の重要性」を緊急告知してからは確実に増加傾向にあります。
11月の手術予定の中に、すでに「乳管腺葉区域切除」が2件入っていることでも「その傾向」が覗えます。
病理結果
30代後半 血性分泌 乳管内乳頭腫
30代後半 血性分泌 乳管内乳頭腫
40代前半 血性分泌 非浸潤性乳管癌
40代前半 黄色分泌 乳管乳頭腫症
60代前半 血性分泌 非浸潤性乳管癌
70代後半 血性分泌 非浸潤性乳管癌
○注目点
①大半(6例中5例)が「血性分泌」である。
・やはり、皆さんが「血性分泌」に関心がある。
♯血性では「びっくりして」病院を受診するが、非血性は様子を見る人が多い。
②若い年代(30代、40代)では良性(乳管内乳頭腫)の確率が高いが、
年配者(60代、70代)では癌(非浸潤性乳管癌)の確率が高くなる。
・癌の確率は若年層では25%, 年配者では100%となっているが、「私の感覚」と一致している。
★まとめ
単孔性乳頭分泌=乳管内病変も
「閉経前」では「良性が多い=75%」であるが、「閉経後」では「悪性の可能性が高い=(今回は100%)」
閉経後(特に60代以降)では「単孔性分泌」には気をつけましょう。(特に血性だと、乳癌の比率がかなり高いです)
◎決して「超音波で異常がないから様子を見ましょう」などという無責任な医師を信用しないでください。 自分の身は自分で守るべきです。