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今週のコラム 505回目 究極の乳腺外科医であるために 手術vol.2 葉状腫瘍

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昨日の昼のランニング。いい💦かきました!

屋上も暑くて、風無かったので撮影後速やかに屋内へ退散。

 

 

葉状腫瘍

癌とは異なりますが、別の意味で「癌以上に」手術では気を遣う必要があります。

 

 

10 years ago

前医CNB fibroadenoma

MMG no findings

 

 

 

 

 

2 years ago

前医 2回目の受診(ドックにて要精査)

3cm 前医(2回目の)CNB fibroadenoma

MMG  下(CCなので内側)にtumor 出現

 

 

 

 

今年

増大を自覚して、前医3回目の受診  8cm

MMG ほぼ全体

葉状腫瘍、手術必要と言われ当院へ転院

 

当院でのCELERO 良性葉状腫瘍

細胞密度やや高いが、核分裂像殆どない←これが「良性」とされた理由

 

葉状腫瘍と癌、どこが違うの?

 

 

まずは病理学的に

乳腺は、「上皮」と線維性「間質」で構成されます。

1.は「上皮」性腫瘍であり、

2.葉状腫瘍は線維上皮性腫瘍fibroepithelial tumorと呼ばれ「上皮」と「間質」の両方で構成されます。

線維腺腫も実はfibroepithelial tumorであり、葉状腫瘍との違いは「葉状腫瘍は、間質の一方的増殖」を特徴とします。

3.肉腫 間質系の悪性腫瘍であり、悪性葉状腫瘍は肉腫に近いと言えます。

 

この症例のように2年前までは「線維腺腫」なのに、「葉状腫瘍」に変化したということ?

それだと、線維腺腫と診断されても安心できない気がするのだけど…

 

 

これが微妙なんだけど…

線維腺腫に見える(実は)(かなり大人しい)良性葉状腫瘍だったということになるのだけど、その画像上の手懸りは、やはり「形(腫瘍の張り)」にあると言える。

 

 

扁平 CNBでfibroadenoma 正しい

 

 

 

このように「張りがある」

CNBでfibroadenomaでも実は「benign phyllodes tumor」の可能性もあり

 

針生検では「良性」葉状腫瘍ということでしたが、実は外来診察時から僅か3週間で皮膚を圧排するまで「明らかに」増大

 

 エコー像

解りますか?

腫瘍が皮膚を圧排しています。

 

○ 手術

私の経験上、これほど増大傾向が強いものは「境界悪性以上」となります。

それを考慮した手術が必要

これこそ「究極の乳腺外科医」の本領発揮! 自分で言うかい!(一人突っ込み)

この続きは明日(何故ならtime up)