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今週のコラム 274回目  腋窩郭清の動画に向けて 2  腋窩リンパ節再発の増加 vol.1

皆さん、こんにちは。

今、am6時。夜が明けていないので今日の天気は不明ですが、昨日は気持ちいい冬晴れ?でした。

土曜日は唯一「昼間」に走るのですが、寒くても天気がいいと汗も出るしやっぱり晴れっていいですね。

そんな気持ちいい流れでの今シーズン3回目の「ボタン鍋」 旨さ半端ない!

私の遠い記憶では、(研修医時代)山形の(たまたま、通りがかりの)「ボタン鍋やってます」的な店で食べた記憶が「微かに」あったのですが、殆ど記憶に残らない程度のもの。

何と勿体ない「前半50年」 人生100年時代(既に折り返してしまってますが)取り返したい。そんな思いを強くしました。(食のために生きるんかい?)

 

と、半分?冗談から入ったこのコラム。

予告通り、今回は「腋窩リンパ節再発の増加」についてコメントします。

まずはAさんのケース

○ 初発時 センチネルリンパ節生検を施行し「陰性」にて郭清省略されています。

その後、主治医のエコーも無いまま3年を経過。

 

○ 腋窩再発 3年目の検診エコーで「腋窩リンパ節転移(再発)」を1個指摘されます。

 

腋窩リンパ節に転移があるようです。(あくまでも「技師のレポート」を見ながら)

念のため、(全身チェックのために)PETを撮影してから、方針をたてましょう。

 

 

(「再発」の2文字にドキドキしながら)お願いします。

 

 

その後のPETには異常なく、腋窩リンパ節再発に対して手術が行われることになりました。

 

 

大丈夫かしら?

ただ、主治医が術前に(最後まで)自分自身でエコーしなかったこと。

その「ちょっとした?」懸念が、術後現実になるとは(この時点では)解りませんでした。

 

○ 術後、病理結果の説明

 

リンパ節転移は15個でした。

 

 

 

(15個という多さに驚き)大丈夫ですか?

もう(転移したリンパ節は)残っていないんですよね?

 

 

 

(ちょっと、躊躇しながら)それ以上は癒着していて安全には手術できなかった。

まずは「放射線」早めにかけましょう。

そしてその後に「抗がん剤」をしましょう。

 

 

えっ、(転移している)リンパ節が残っているかもしれないってこと?

(再)手術できないんですか?

 

 

 

それは無理です。

早く、放射線をかけましょう。

 

と、ここでAさんは、今まで主治医に言われるがままに治療をしてきたが、本当にこれでいいのだろうか?と真剣に考え始めました。

そこで(最近、その存在を知った)QAをしてみたのです。

 

 

(Aさんが懸念されているように)放射線を急いでいる(抗がん剤より先行させようとしている)ことに違和感があります。

主治医は、(手術した先に)転移したリンパ節が残存していると危惧しているのではないか?

「残存した転移リンパ節が大きくなり、拡がらないうちに直接、放射線をかけたい」ということではないか?

 

QAを経て、診察の場でAさんは疑問を投げかけます。

 

何故、手術で全部取れなかったんですか?

そんなに、難しい事なんですか?

 

 

 

(私は、その医師ではないから)想像するしかないですが…(と、前置きしたうえで)

主治医は、術前自らエコーをしていない。(まず、それが大問題ですが… 大きな病院ではよくあることです)

おそらく(主治医は)技師エコーのリンパ節転移が「1個だけ」あるというレポートから手術を簡単に考えて臨んだのではないかな。

大胸筋の裏を(外側から覗き込むだけの)腋窩郭清しか、やってこなかった術者が「その先(レベル3)」の転移に対する手術(腋窩鎖骨下郭清)を想定できなかったのではないか?

 

私の想像

 

術中

えっ! (技師によるレポートとは異なり)この先(奥)にもリンパ節転移がある!

でも、レベル3(鎖骨下リンパ節)は今まで郭清したことないし、そもそも先輩たちの手術でも「見たことさえ」無かった。

鎖骨下郭清は視野も悪いし腋窩静脈に接しているので、とても怖くてできないよ。

これは、安全性を考えて「ここまで(レベル1+α)郭清」して、術後早々に放射線かけることにしよう。

 

 

私はどうしたら、いいんですか?

再手術したほうがいいの?

でも、主治医は「手術できない」って、言ってるし…

 

 

了解しました。

まずは診察エコーしてみましょう。

腋窩鎖骨下は(乳腺以上に)医師自身が実際にエコーすべき部位です。

「術者の目」で評価しないと誤りの素です。(この部位は「手術することのない」技師には想像できないのです)

 

黄色が(転移性)リンパ節

小胸筋より外側(図の左)がレベル1(2個)

小胸筋の裏側がレベル2(1個)

黄色が(転移性)リンパ節

先ほどのレベル2よりも(更に)奥のレベル2リンパ節

 

(残念ながら)転移性リンパ節は残存していますね。

 

 

次回へ続く