みなさん。9月も半ばになりました。
世間的には3連休が2週続きますね。楽しんでますか?
私も、休みではないにしろ、いつもよりゆったりのスケジュール感がとっても心地よい!
ところで今日で「安室奈美恵」引退ですね?
私の思い出としては…
研修医時代、カラオケ全盛期?でしたが、若い看護師さん達が『Body Feels EXIT』を歌っていたのを思い出します。
globe, TRF, 華原朋美 そんな時代でした。
あの頃からの現役といえば、Mr. Childrenやスピッツ、福山雅治もそうですね。(同世代です)
FMから流れたshort story
「おめでとうございます。 一億円当たっていますよ。 この大金、何に使いますか?」
「これで、金が返せます。」
「えっ。 それでは残りはどうするのですか?」
「残り? もう少し待ってもらいます。」
管理番号6761『高齢出産』を回答していて
これを回答していて、是非「今週のコラムに取り上げたい」と感じました。
それは重要な論点(下記2項目)があるからです。
1.マンモグラフィーは必要?
2.検査技師によるエコーで大丈夫?
このQの中で、質問者は「妊娠出産を繰り返す」ことによりマンモグラフィーを撮影できない期間が長くなり不安だから、「マンモを撮るためだけでも」妊娠を控えた方がいいのか?真剣に悩んでいらっしゃいます。
日ごろ診療している私から見れば「えっ! 何で?」
例えば、外来の日常診療の中でも、「しこりが気になる」とか「乳房痛」などの患者さんを診療する際には私は基本、マンモグラフィーを撮影しません。
「エコーで異常なし」として診療を終えようとすると、
「何故マンモを撮らないの?マンモを撮ってもらえると思って受診したのに。」
みたいな反応をする患者さんが時々いらっしゃいます。
無論、希望する方にマンモを撮影するのは問題ないですが、どうもそれらの患者さんには「マンモグラフィーこそ、乳腺の診療の中心」という意識が見え隠れするのです。
「希望があるならマンモ撮影しましょう」となりますが、「私がエコーしているのに…」正直なところです。
それでは「マンモグラフィーは無用の長物なのか?」となりますと、
(このQandAでも回答したように)石灰化のチェックのために数年に1回は撮影しましょうという程度は必要です。
「石灰化だけの超早期がんの所見」を、たまたまマンモでチェックされる可能性はありますが、早期がんの発見の「殆ど全て」がエコーなのです。
「5mm以下の腫瘤」を見つけるにはマンモではほぼ不可能(70歳以上で乳腺がスカスカになれば解ることはありますが)ですが、エコーなら当然検出できます。
★最良の検診が「半年に1回のエコー」であることは間違いありません。
ただ一般診療(つまり乳腺外科の外来)で、(何も異常がないのに)純粋に検診目的で半年に1回のエコーをさせられると、診療の場が大混雑して「さすがに、診療に差し支える」ので(全く正常な方には)「半年に1回」は遠慮していただいています。
ただ、検診機関で(自主的に)「半年に1回のエコー」をしてもらう分には(その検診機関にとっても、いい「お客さん」ともなるし)理想的です。
この場合には、先のQandAでも回答したように「技師エコー」でも何ら問題ありません。
★医師によるエコーが必須となるのは「ここにシコリがあります」そういう場合なのです。
下写真はちょうど、前回の「コラム」にも掲載した病変ですが…
典型的な「腫瘤非形成性病変」です。
これは、(コラム149で紹介したように)70mmの範囲の非浸潤癌(low grade)でした。
・今週のコラム 149回目 ここで重要なのは(FEAを)「放っておくと癌になる=前癌病変」との理解でいいのか?
たとえば、この患者(Aさん)が左のしこりを自覚して検診を受診するとします。(実際に私は触診しましたが、たしかに「硬いな?」という印象でした)
case 1) 技師がエコーをするシステムだと…
触診の場で
Aさん「先生、左が硬いので気になります。」
医師「解りました。触診しますね。」
そして、医師が触診します。
医師 (心の中で)「あれっ?確かに硬いな。でも癌を強く疑うほどの所見ではないな。技師さんのエコーを確認しなくちゃな。」
そして、技師のエコー
Aさん「お願いします。ここが硬いのです。」
技師「解りました。仕事だからそこだけではなく、全体を見ます。結果は私からは話せないことになっています。」
そして技師のエコー
技師(心の中で)「明らかな腫瘤影ではないな。乳腺症の所見だ。」そして、技師はレポートに「明らかな腫瘤影なし、乳腺症の所見」と記載するのです。
それを(後で)確認した(最終判定を行う)医師は技師のレポートを見て、「少し硬かったから気になったけど、(技師の)エコーでは乳腺症か。 矛盾はしないな。(多少気にはなったけど)1年後経過観察との判定でいいな。」
結果、Aさんに「乳腺症、1年後経過観察」という通知が届くのです。
case 2)それが、医師が触診とエコー両方行うと…
医師「確かにエコー像は乳腺症みたいに見えるけど、(触診で)硬いのが気になる。 一見乳腺症にも見えるけど、腫瘤非形成性病変として要精査としよう」
そうして、Aさんに「腫瘤非形成性病変、陽性さ」という通知が届くのです。
おわかりですか?
同じ所見でも、case 1とcase 2では、検診結果が異なってしますのです。
★エコーは、実際に施行している者にしか正しい印象は伝わりません。(動画なのです) ♯静止画では「それらしくも、それらしくなくも」(検査した者により)自在に撮影されてしまうのです。