春ですね。
3月。
新生活へ向けての「引っ越し」のシーズンです。
「引越しのバイト」
私は大学時代、普段は家庭教師をしていましたが、この時期は東京の実家に帰って「引越しのバイト」をしてました。
アート引越センター
若いころの肉体労働って、本当良かった。
冷蔵庫、洗濯機!本当に重かったけど、終わった後の「心地よい疲労感」
一仕事終わって、お客さんから貰う「甘い缶コーヒー」癒されました。
それ以来、自分が引っ越す際には専ら「アート引越センター」に依頼していました。
そして、スタッフへの「差し入れ」は決して忘れません。
そして一番の思い出
場所は「世田谷」辺りだったと思いますが、あの「吉田拓郎の引っ越し」です。
現場へ行くまでは、全く知らなかったので、現地でびっくり!
「あっ、吉田拓郎!」かっこいい! しかも、あの「森下愛子」にまで「ご苦労様」って声かけられました。(25年くらい前ですから、今よりももっと素敵でした)
「芸能人は私生活でもカッコいい」強烈な印象。今でも、とってもいい思い出です。
そして本題です。
CMFからアンスラサイクリンへ
アンスラサイクリンを含む化学療法の有用性が明らかとなり、
臨床試験でも
CMF = CEF50(アンスラサイクリンとして50mg/m2)
CEF50 < FEC100(アンスラサイクリンとして100mg/m2)
これにより爆発的にFEC100が広まりました。
♯いまだにECやACではなく、FEC(100)を使っている施設がありますが、この時代の名残だと思います。
アンスラサイクリンから非アンスラサイクリンレジメンへ 『タキサン』の台頭
心疾患の多い欧米を中心として非アンスラサイクリンへの要求が高まりました。
○何故ならアンスラサイクリンは心毒性があるからです。
♯容量依存性(アドリアマイシンでは450-500mg/m2 ファルモルビシンでは800-900mg/m2を超えると心毒性が増加します)
そこで TC > AC (San Antonio Breast Cancer Sym posium2007)の報告によりアメリカではアンスラサイクリンが減り続け、タキサンが増え続けることとなり、今では完全に逆転しています。
現在 FEC100x6 = AC60x4(San Antonio Breast Cancer Sym posium2014)の報告により
アンスラサイクリンレジメンの中でも、FECは衰退し、AC60やEC90へシフトしています。
抗HER2療法
2008年 ハーセプチンを用いた術後補助療法が適応承認となり、HER2陽性乳癌の予後は劇的に変わりました。
現在では(抗HER2療法を行えば)ルミナールタイプと同等(実は同等以上?)となると考えられています。
その抗HER2療法も、最初は「アンスラサイクリン+タキサン」との組み合わせだけでしたが、現在こちらも「非アンスラサイクリンレジメンの時代」を迎えています。
○アンスラサイクリンレジメン(golden standard)
ECx4⇒HER+DTXx4⇒HER単剤x14
○非アンスラサイクリンレジメン
TC+HER
TCH
weeklyPTX+HER
☆術後補助療法のまとめ
「HER2-」
○「アンスラサイクリン単独:FEC, EC(AC)は衰退し、単剤ならば「TC」へ
○更なる効果を狙う場合は「EC(AC)+DTX」もしくは「EC(AC)+weekly PTX」
「HER2+」
○Golden standard「EC(AC)x4⇒HER+DTXx4⇒HER単剤x14」は最強レジメン
○「よりリスクの低いもの」には非アンスラサイクリンHERレジメン(HER+TC, TCH, HER+weekly PTX)
★★「術前術後に適応の有る薬剤は上記アンスラサイクリン及びタキサンしかない」のです。つまり「術前化学療法を行う理由」として「効果の有る薬剤を調べる」というのは、『ナンセンス』なのです。
♯ 再発しない限り、他の薬剤は決して使えないのです。
注釈)
CMF:C(サイクロフォスファマイド:エンドキサン)
M(メソトレキセート)
F(5Fu)
CEF:C(サイクロフォスファマイド:エンドキサン)
E(ファルモルビシン:エピルビシン)
F(5Fu)
♯Eがアンスラサイクリン
CAF:C(サイクロフォスファマイド:エンドキサン)
A(アドリアマイシン)
F(5Fu)
♯Aがアンスラサイクリン
TC:T(ドセタキセル:タキソテール)
C(サイクロフォスファマイド:エンドキサン)
♯Tがタキサン
TCH:T(ドセタキセル:タキソテール)
C(カルボプラチン)
H(ハーセプチン)
WeeklyPTX+HER:PTX(パクリタキセル:タキソール) weekly:毎週
HER(ハーセプチン)
♯PTXがタキサン