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診察内容に関して

[管理番号:4425]
性別:女性
年齢:28歳
右乳房にしこりを自覚し、乳腺専門の個人病院を受診しました。
そこで、マンモと超音波、触診診察をしたところ、右縦0.44cm横0.66cmのしこり左縦0.47cm横0.80cmのしこりが見つかり、先生は、両側乳房の乳腺線維腺腫疑いと診断して、半年間の経過観察としました。
私の叔母は乳癌経験者であるにもかかわらずです。
この診断は一般的なものなのでしょうか?先生の場合はどうされますか?
しこりもあるにもかかわらず、経過観察6カ月は長すぎだと思うのですが、いかがでしょうか。
初診時点で細胞診や生検をしなかったのですが、これは一般的なものなのでしょうか。
まとまりがなく申し訳ないのですが教えて頂けるとありがたいです。
宜しくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
画像所見は以下のように分類されます。
1.絶対に悪性でないと判断できるもの
2.(絶対とは言い切れないが)圧倒的に良性の可能性が高いもの
3.(良性の可能性が高いが)悪性の可能性もあるもの
4.悪性の可能性が高いもの
5.悪性とほぼ(画像上)判断できるもの
これが、所謂「カテゴリー分類」です。
私のスタンスとしては
1は「経過観察不要」(生検はしない)
2は「経過観察」(ご希望があれば、生検してもよい)
3は(生検を勧めるが)ご本人が望まなければ「経過観察」
4.5は(ご本人が望まなくても)「生検」
♯おそらく、この担当医も含め(一般には)「上記3でも生検を勧めずに、安易に経過観察としがち」だと思います。(下手をすると4でも「小さければ」経過観察をする医師もいることに驚かされます)
「この診断は一般的なものなのでしょうか?」
⇒画像所見がないから、コメントしずらいですが…
 おそらく2(もしくは3)なのだと思います。
 冒頭でコメントした通り、(一般的には)「4で無い限り経過観察を勧める」医師が多いです。
「先生の場合はどうされますか?」
⇒画像診断次第です。
 経過観察よりは「白黒つけたい」性質なので、患者さんが「心配」な様子があるようなら「生検を勧める」ことが多いです。
「しこりもあるにもかかわらず、経過観察6カ月は長すぎだと思うのですが、いかがでしょうか。」
⇒良性を疑った経過観察なら、むしろ「6ヵ月が適応」です。(3カ月では変化が無いのが当たり前なのです)
 
 それに対して(悪性の可能性も考えた)経過観察なら「もう少し短い方がよい」とは思います。(所見によるのです)
「初診時点で細胞診や生検をしなかったのですが、これは一般的なものなのでしょうか。」
⇒上記コメント通りです。
 (その医師の、診断に対する積極性にもよりますが)「上記1.2だとすれば」経過観察が妥当です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
先日質問しました。
丁寧に回答して頂きありがとうございます。
もう一つ伺いたいのですが、私自身、橋本病と診断を受け、甲状腺ホルモンを補うために毎日1つチラージンを服用しております。
ホルモン剤は乳がんを促進させるリスクになるとききまして、気になったので質問したいのですが、チラージンを服用することによって乳がんになるリスクは考えられますでしようか?
ご回答よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「ホルモン剤は乳がんを促進させるリスクになる」
⇒勘違いです。
 「エストロゲン」などの女性ホルモンだけの話です。
 「甲状腺ホルモンは無関係」です。
「チラージンを服用することによって乳がんになるリスクは考えられますでしようか?」
⇒ありません。