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再発 粘液がんです

[管理番号:4060]
性別:女性
年齢:40歳
初めまして。
治療法について悩んでいます。
3年前、37歳の時に、粘液がん(左胸、乳房温存、部分切除、ホルモン療法ではタモキシフェン使用、放射線治療1クール)になりました。
現在、2年半~3年で同じタイプの局所再発、前回切除した部分の上皮側に、ステージ1(最大1.1cm)の腫瘍ありです。
MRI、CT、骨シンチを行いましたが今のところ転移は見られません。
比較的おとなしいタイプですが短い期間で再発しており、1月末に、手術で左胸全摘出、
放射線を当てているので皮膚がもたない、また、皮膚に再発のおそれがあるため、再建はしない、5年以上たってから再建を考える、
抗がん剤を3ヶ月または6ヶ月行い、生理を薬で止めて別のホルモン剤を使用したいと主治医から提案がありました。
また、再発ということは、体の中にがん細胞があるということだから、転移を防ぐために抗がん剤でたたいておきたいというのが主治医の説明であり、こちらのQ&Aを読んで、それについても勉強しました。
治療をしなくても再発しない、治療をしたから再発しない、しても再発する、に分かれると。
今回は、3ヶ月のTC療法が妥当ではとの話が上がっています。
タキサン系も候補にあります。
体調を見て6ヶ月にするかどうか、先になって考えるとのことでしたが、詳しくは、どのような治療法があるのでしょうか。
※37歳の時の診断は…
エコーガイド下吸引式針生検病理結果:粘液がん、G1(2.1)、
gf, ly0, v0
ER+90%, PgR+80%, HER2 SCORE0, p53<1%, Ki-67 50%
ルミナールA or B
周囲への入管内進展を認めます。
手術診断:左乳がん、cT1bN0(sn;0/1) M0 StagelA
化学療法予定:行うとするとTC療法をお勧めします → 若かったので選択せず
       計四回
ホルモン療法予定:HR陽性の場合、TAM
ホルモン療法予定期間:計5年
放射線治療予定:温存乳房
…というものでした。
当時のこの治療は、ベターな選択だったと思いますが、放射線を当てたところに再発している、タモキシフェンが効かなかった、という所がショックです。
全摘出は必須だそうです。
抗がん剤については、効果があるかどうか分からないが、転移を防ぐため予防としてしておきたいとのことなので、思案中です。
また、再発ですが、オンコタイプDXの検査を受ける資格はあるでしょうか。
最終的には、患者である私が治療法を選択しなければなりません。
どうか、アドバイスをお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
このケースは「局所再発」です。
この4000以上に膨張したQandAを注意深く読んでもらえば(一晩や二晩では無理ですが…)このような「局所再発」について「いつも同様のコメントをしている」ことに気付いてもらえるでしょう。(ぶれないということです)
いつも、思うのは(質問者側だけではなく)「治療する医師側が局所再発と(全身の)遠隔転移再発の違いについて理解していない」ことです。
「前回切除した部分の上皮側」「CT、骨シンチを行いましたが今のところ転移は見られません」
⇒(全身の遠隔転移再発ではなく)あくまでも『純粋な局所再発』だということです。
「再発ということは、体の中にがん細胞があるということだから、転移を防ぐために抗がん剤でたたいておきたいというのが主治医の説明」
⇒呆れて物が言えません…
 前述したように、
 あくまでも「局所再発」です。 単に「手術部位に残した癌細胞」が、「ゆっくり成長」しただけの話しです。
 「身体の中に癌細胞があるということ」という担当医のコメントは「的外れ」です。だから治療方針も「的外れ」となるのです。
 ○純粋な「局所再発=手術の際の取り残し」です。
  決して「全身の遠隔転移再発=血液中に移行した癌細胞」とは、区別するようにしましょう。
「詳しくは、どのような治療法があるのでしょうか。」
⇒「局所再発には局所治療」これが大原則です。
 その意味では「残存乳房全摘」したことで「治療は終了」で何ら問題ありません。
 ただし、強いて言えば…
 初回手術後の術後補助療法としてルミナールB(Ki67=50%より)なのに化学療法を行わなかったので、
 今回「やり残した化学療法を、この機会に行う」という考え方は有りです。
 その場合には「TCx4」で十分です。
 
「放射線を当てたところに再発している、タモキシフェンが効かなかった、という所がショック」
⇒勘違いしていますね。
 手術時に「取り残された癌細胞」は(ゆっくりでも)いずれ可視化するわけです。
「また、再発ですが、オンコタイプDXの検査を受ける資格はあるでしょうか。」
⇒適応外です。
「生理を薬で止めて別のホルモン剤を使用したいと主治医から提案」
⇒全く「誤った治療法」です。
 これは(化学療法閉経にして)「(閉経後のホルモン療法である)アロマターゼインヒビターに変更」するつもりのようです。
 ○化学療法閉経で「アロマターゼインヒビターを用いる」ことは、逆に「月経再開を誘発し」予後を悪くする事が解っています。
 ○もしかして「LH-RHagonistを併用しながらアロマシンを用いるつもり」かもしれませんが、これも誤りです。 日本では「適応外」なのです。