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乳管内乳頭腫と乳管区域切除につきまして

[管理番号:7147]
性別:女性
年齢:49歳
病名:乳管内乳頭腫
症状:

人間ドックの乳腺エコーで左乳房下部にしこり(8mm)が見つかり、ドックに非常勤でいらっしゃる
先生の大学病院でバネ式針生検とMRIを行いました。

<一部省略>

・MRIの結果
背景乳腺の造影効果はmildである。

左乳腺には血性乳汁を認め、その先端のD領域に5mmほどの高信号域をDWIで認める。

リング醸造橋を示し、造影パターンはfast pleateauである。
DCISでも矛盾しないが、
乳頭腫も鑑別に挙がる。
カルテを参照すると後者が示唆されている。

結論:左乳管内乳頭腫疑い/血性乳汁

先生には、癌化する可能性もなくはないので希望するなら腫瘍摘出手術を行うが
数か月後にエコーをし、もし腫瘍が大きくなっていたらより太い針で生検するという経過観察でも構わないだろうと言われました。

帰宅後こちらのバックナンバーを拝見すると、バネ式生検では誤診がありうるということで乳管造影とマンモトーム生検を行っての確定診断をしていただきたいと思いました。

分泌の自覚症状は全くないのですが、MRIで血性乳汁が認められたということは
腫瘍摘出より乳管区域切除が可能で、より望ましいということになるでしょうか。

胸は小さいほうなのですが、乳管区域切除手術を行うと腫瘍摘出よりも乳房の整容性は失われるのでしょうか。

また術後にしばらく腕が上がらないなどの症状が出るのでしょうか、

マンモトーム生検と乳管区域切除は今からお申込みすると、いつ頃にお願いできますでしょうか。

お教えいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

<一部省略>

よろしくお願いいたします)

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

どうも誤解(理解が不十分)されているようですね。
乳管腺葉区域切除は「乳頭分泌(単孔性)」が無いとできません。(分泌している乳管孔に造影剤を入れるのですから)
また、MMTEをすると通常「腫瘍と乳管との連続性は絶たれてしまう」ので「MMTEしたら、(その後に)乳管腺葉区域切除はできない」し、「乳管腺葉区域切除したら、(腫瘍は摘出されているので)その後にMMTEはできない」
★つまりMMTEと乳管腺葉区域切除の「両方を行うことは不可能」なのです。
 → 分泌があれば「乳管腺葉区域切除」を選択し、(分泌が無ければ)「MMTEを選択」となります。

「MRIで血性乳汁が認められたということは腫瘍摘出より乳管区域切除が可能で、より望ましいということになるでしょうか。」
→MRIなど、「どうでもいい」検査です。

 乳管腺葉区域切除するには『実際に』分泌(単孔性)がある必要があります。
(絞って、分泌がありますか?)『今週のコラム115回目 (正しい)乳管腺葉区域切除をするには、まず「乳管造影」ができなくてはいけません。』をご参照のこと

「胸は小さいほうなのですが、乳管区域切除手術を行うと腫瘍摘出よりも乳房の整容性は失われるのでしょうか。」
→『今週のコラム 132回目 腺葉系は、十数個が重なり合っているので、そのうち1つを摘出しても変形しないのです。』をご参照のこと

「また術後にしばらく腕が上がらないなどの症状が出るのでしょうか」
→ナンセンス!!

「マンモトーム生検と乳管区域切除は今からお申込みすると、いつ頃にお願いできますでしょうか。」
→まずは、絞って(単孔性の)分泌があるのかどうかご確認ください。

 分泌がなければ(MRIがどうであろうと)乳管造影はできないし、乳管腺葉区域切除も当然できないのです。
 その場合には(次善の策として)MMTEとなりますが、その際には「確定診断(生検)希望メール」してください。

「確定診断(生検)」メールはこちらをクリックしてください。