[管理番号:3955]
性別:女性
年齢:38歳
はじめまして
本日、マンモグラフィーとエコーの検査をし、
嚢胞(水が貯まったもの)があると診断されました。
画像は黒いきれいな丸が写っていました。
扁平というより小さい丸という感じでした。
目のような感じで、乳腺のなかに黒丸があるような感じにみえました。
1年前の検査ではなにも指摘されていません。
エコー中に、先生には、
【嚢胞があるけどこれは心配はないでしょう】と言われました。
私の【悪いものになる可能性があるか?】
【消えることもありますか?】という問いに【悪いものになる事はないが、悪いものと区別がつきにくいことがある】【消えることもあるけど、悪いものであれば急に大きくなることもある】【念のため、半年後にエコーだけしておきましょうか】【半年後に変化がなければ間違いなく問題ないから】と言われました。
自己検診については、
【今は触ってもわからないけど、悪いものであれば大きくなって触れるようになるかもしれないから、自己触診してみて】と言われました。
たしかに自分でその箇所をさわっても、なにもありません。
嚢胞であるのに、半年後に念のため検査をするのは私が心配をしているから、念のため、ということなのでしょうか?
それとも嚢胞かどうか判断が難しいからでしょうか?
嚢胞というのは、誰にでもあるものですか?
一年前にはなにもなく、今回見つかるのはよくないことですか?
半年後の検査で手遅れになるようなことはないでしょうか(涙)
田澤先生にみていただければ、確定診断可能ですか?
今はだいたい予約はなんか月後になりますか?
半年後の観察でいいのでしょうか?
心配しすぎでしょうか?
お忙しいところ、申し訳ございませんが
なにとぞ、よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
嚢胞ですね。
嚢胞は「正常乳管が閉塞」して「拡張して袋状」となったものです。
この場合「閉塞する原因」としては
1.内容液が濃くて固まり詰まってしまう(授乳中のミルクなどがチーズのようになるイメージです)
2.外から圧迫されて閉塞する(乳腺症など乳管の周りの線維などが増生して圧迫)
これに対し「嚢胞内腫瘍(癌を含む)」は決して『嚢胞の中に腫瘍ができる』わけではなく(つまり、嚢胞があると嚢胞内腫瘍ができやすいなど全くのナンセンスなのです)
あくまでも、乳管の壁にできた「腫瘍が乳管を塞ぐ」ことで、結果として「乳管が閉塞して嚢胞状に膨らむ」ものです。
○これについては、『今週のコラム 51回目 嚢胞内腫瘍 これは嚢胞ではありません』を一読ください。
【悪いものになる事はないが、悪いものと区別がつきにくいことがある】
⇒まさに、このコメントが「肝」です。
「嚢胞は決して嚢胞内腫瘍にならない(くどいようですが…)」だから、心配ない。
ただ、一見「嚢胞(乳管が詰まっているだけで腫瘍はない)」のように見えて実は「非常に小さな腫瘍(エコーで判別できない)があるが、現時点でエコーで確認できないだけ」の可能性も完全には否定できない。
ということを述べています。
【半年後に変化がなければ間違いなく問題ないから】
⇒これは、「もしも現時点で非常に小さな腫瘍があるがエコーで検出できないだけ」だと、仮定しても、(その場合には)「半年経てば(腫瘍が増大して)腫瘍がエコーで見えてくる筈」だというコメントです。
つまり、「半年後にも腫瘍が見当たらない」ならば、(現時点では見えないが実は非常に小さい)「腫瘍があるかもしれないという仮説」は否定できるのです。
「嚢胞であるのに、半年後に念のため検査をするのは私が心配をしているから、念のため、ということなのでしょうか?それとも嚢胞かどうか判断が難しいからでしょうか?」
⇒実際に画像を見ていないので(現時点で、腫瘍が見えないだけで)「実は嚢胞内腫瘍であるという可能性」がどの程度かはコメントし難いですが…
担当医のコメントを集めていくと、「殆ど念の為」にすぎないようです。(ほぼ、ただの嚢胞との判断)
「嚢胞というのは、誰にでもあるものですか?」
⇒昔、カウントしてみたことがありますが…
超音波で「根気強く」探せば「半数位」のひとにあります。
「一年前にはなにもなく、今回見つかるのはよくないことですか?」
⇒嚢胞ができる原因は上記で挙げた1.2であり、これは20代~30代~40代に毎年のように起こることです。(1年間で新しくできることはザラです)
「半年後の検査で手遅れになるようなことはないでしょうか(涙)」
⇒それは「ありえない」話です。
要は「現時点で(超音波で)認識できないような腫瘍」が、もしも存在していると仮定しても、そんな現時点で「1mm? 2mm?」の腫瘍が「半年で手遅れ?」にまで増大することなど1000%不可能です。
「田澤先生にみていただければ、確定診断可能ですか?」
⇒可能です。(その必要が本当にあるかどうか?ですが…)
嚢胞は「細胞診」で十分です。(逆に針生検してしまうと、万が一嚢胞内腫瘍の場合腫瘍細胞が液体と一緒に流失するリスクがあるのです)
「嚢胞」ならば、細胞診はクラス3A以下となるし、(逆に)「クラス3B以上ならば(乳管内乳頭腫もしくは嚢胞内癌を疑い)摘出」するという流れになります。
「今はだいたい予約はなんか月後になりますか?」
⇒メディカルプラザ市川であれば…
2カ月?(3カ月以内)だとは思います。
「半年後の観察でいいのでしょうか?心配しすぎでしょうか?」
⇒担当医のコメントを集めると大丈夫そうですね。
質問者様から 【質問2】
先日はお忙しいなか、お返事ありがとうございました。
嚢胞であろうとのことでしたが、
それでは
もし違った場合、半年後には大きさが大きくなり、固くなり?自己触診でもしこりとして触れるようになるということでしょうか?
今はあれから、自己触診ではなんの変化もないですが、触れないだけで大きくなっているのでは?
別の病院で診てもらったほうが安心できるのでは?と悩んでいます。
しこりとして触れてない以上、心配することはないのであれば、安心できるのですが…。
また
鎖骨のした、多分肋骨だと思うのですが、でっぱりがあり…それすらも気になります。
11月に超音波、マンモとフルで検査しているので、大丈夫でしょうか?
田澤先生から 【回答2】
今日は。田澤です。
回答は前回と「替り映えしない」とは思いますが…
「嚢胞」は「正常乳管の拡張」にすぎません。
「嚢胞」が「本当は嚢胞内腫瘍ではないか?」などと過度に心配する位なら(経過観察ではなく)「細胞診をしてもらう」いたってシンプルな話です。
余計な心配をすることは(心配による)「ストレス」⇒(卵巣機能の不安定による)「ホルモンの刺激」⇒「乳房痛」⇒(乳房痛を乳癌ではないかと心配する)「ストレス」という負の連鎖が始まることになります。
負の連鎖は、どこかで断ち切りましょう。
「鎖骨のした、多分肋骨だと思うのですが、でっぱりがあり…それすらも気になります」
⇒それは間違いなく肋骨です。
「11月に超音波、マンモとフルで検査しているので、大丈夫でしょうか?」
⇒その通り、(余計な心配から)「負のサイクルへと陥らない様に、気をつけましょう」