[管理番号:503]
性別:女性
年齢:41才
よろしくお願い致します
先週 左胸がズキズキし 触ってみたところ しこりがあり、今週火曜日に乳腺外来へ行って来ました。 去年10月のマンモグラフィーの結果が異常無しだったもので 少し安心していたのですが、その後一昨年初めて行ったのマンモグラフィーの結果が 左 石灰化 非対称乳房組織とあり 精密検査をお勧めします と 書いてあったものが出て来て、今 パニック状態です。
今回のマンモグラフィーとエコー結果は1.5から2センチ位の しこりのあり 癌かどうか マンモトーム生検をするとの事で 予約してまいりました。
先週は左胸がズキズキ少しした程度でしたが、現在は 左胸の痛み 腫れ 乳頭のただれ 脇の痛み があり
かなり以前から腫れはあったように思えます 左胸の乳輪近くにびらんもあり また 鎖骨あたりにも 皮のむけがあり シミのようになっていて 皮膚に転移しているのではと心配しております。
病院の先生にお伺いしたところ そんなに 進行はしていないと思うが リンパへの転移があるかないかでかなり違うと言う事でした。
痛みがあるとかなり 進行している可能性があると インターネットにあり パニック状態に陥っております。
個別の症状があると思いますが かなり進行している可能性がありますでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
一昨年の「左石灰化 非対称性陰性」
昨年の「異常無し」
そして最近の「しこり」1.5~2センチ
それ程、心配するような状況ではありません。
回答
「1.5から2センチ位の しこり」
⇒十分早期です。
リンパ節転移の可能性は低いとは思います。(次回、診察時には是非、超音波でみてもらってください)
「左胸の痛み 腫れ 乳頭のただれ 脇の痛み」「左胸の乳輪近くにびらんもあり また 鎖骨あたりにも 皮のむけ」
⇒乳癌とは関係無い症状だと思います。
皮膚転移は、相当進行しないとありません。担当医の「そんなに 進行はしていないと思う」というコメントからして、 質問者の状況とは「遠く離れている」と思います。
質問者様から 【感想2】
先生 ご返答ありがとうございます。
検査待ち、検査結果待ちの 不安過ぎるこの時期に 大変心強いお返事大変嬉しく思っております。
次回の診断時、リンパの超音波をお願いしてみます。
質問者様から 【質問3 細胞診】
ご返答ありがとうございました
細胞診の結果が出ました Ⅲa との事で紹介状をもらい 病院を 大学付属病院に移る事となりました。
本日 もう一度 エコー マンモグラフィーを取り MRIと針生検の予約を来週に取り、次の週にCTの予約を取りました。
新病院の先生曰く あまり良くない 覚悟は されていた方が良い との事。ステージ等 まだわからない。これから良く検査して行きましょう との事でした。
まだ わからないと言うのは良くわかるのですが、 以前よりお腹を良く下していた事 等 色々気になり始め 貧血気味にもなっております。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
前回のメールでは「マンモトーム生検をする」予定だった筈ですが、「細胞診の結果が出ました Ⅲa」というのはどういう事なのでしょうか?
結局(無駄な)細胞診をして「クラスⅢa」との曖昧な診断のまま「大学病院へ紹介?」
その病院では、そもそも「診断も手術もしない」のでしょうか?
それならば「(無駄な)細胞診などせずに、最初から」診断できる(針生検ができる)病院で診療すべきです。
●質問者に言うべき事で無い事は重々承知の上ですが、「診療内容があまりにも稚拙」であり、質問者が可哀想です。
本来ならば、(もし癌が疑われるのならば)診察日当日に針生検をするべきです。そうすれば1週間で結果がでるのです。
(無駄な)細胞診をして、挙句の果てに「大学病院へ紹介」とは。ただ「時間の無駄」としか思えません。
しかも大学病院らしく「もう一度マンモグラフィー(何故?そんな必要は全く無し)」
お決まりの「MRI」
「ステージ等 まだわからない。これから良く検査して行きましょう」
⇒初診時に超音波もしていないのでしょうか?
超音波すれば、「腫瘍の大きさ」と「リンパ節転移の有無」がすぐに解るというのに…
◎診断までの「あまりにも長い時間」が「本来あるべき姿ではない」ことを「このブログを見てくれている方達にお伝えしたくて」私の正直な感想(怒り?)を書いてしまいました。
質問者には勿論罪はありません。ご容赦ください。
質問者様から 【質問4】
先生のおっしゃる通り 無駄な時間が多く 結局 診断の出ない 今 大変不安に感じております。
結局 新病院で 針生検という事になり、 マンモトームは その病院では行いませんでした。
新たに移った 大学病院でエコー(超音波?)は 行いました。 しこりの大きさ、リンパの転移など、結局 聞けず 来週 針生検を行います。 予約が取れず 先伸びになっている事等 不安ばかりですが、 結果が出ない事には どうにもならないので 診断が出てはっきりするまで こちらの病院でお世話になろうと思っております。
先生のご意見 大変 ありがたいです。
やはり、初回 病院での 時間は もったいなかったです。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
説明も無いまま、「診断までの時間」が長すぎる。
そんな可哀想な方達が如何に多いのか。このQandAで実感しています。
そのような不安を和らげる場に、この「QandA」がお役に立てれば幸いです。
質問者様から 【質問5 針生検の結果でました】
いつもお心強い ご回答ありがとうございます。
やっと 本日 結果でました
乳がんでした
MRIでの 大きさは 大きくて3センチ
ステージは2aか2bくらい
ホルモン受容体陽性
HER2 陰性
Ki-67 14%以下
一番顔つきの良いガンと言われました
手術先行との事
乳首の根元近くにガン細胞があり 温存は難しいとの事でしたが、 私も母も 全摘でとお願いし 再建手術して欲しい旨伝えました
CTは3日後 結果は その翌日で そこで全ての最終と聞いてきました 。
一番の心配は遠隔転移が心配な事です
センチネルリンパ生検を手術前に先にお願い出来る物なのでしょうか?
再建は 一次再建が良いか二次再建が良いか 見た目よりも 治療優先で考えると二次再建が良いのか
手術後は 全摘なので ホルモン療法が主体との事。
こちらも それが 一番良い方法なのか。
など お考えを聞かせていただけますでしょうか?
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
癌との結果、お気持ちお察しします。
回答
「一番の心配は遠隔転移が心配な事」
⇒遠隔転移の心配はありません。
初期の乳癌で遠隔転移を伴う事は無いのです。
「センチネルリンパ生検を手術前に先にお願い出来る物なのでしょうか?」
⇒可能ではありますが、通常は術中迅速診断で行います。
分けて手術をするのは質問者本人にとって負担だと思います。
○分けて行う事による利点は殆ど無いとは思います。
「再建は 一次再建が良いか二次再建が良いか 見た目よりも 治療優先で考えると二次再建が良いのか」
⇒質問者の場合には、どちらでも根治性には無関係です。
「手術後は 全摘なので ホルモン療法が主体」
⇒luminal Aなのでホルモン療法主体です。
リンパ節転移があった場合には全摘後でも「放射線治療」の適応がでてきます。
同時再建の場合には「術中リンパ節転移を認めた場合に再建中止」などの話し合いをしておくことをお勧めします。
質問者様から 【質問6 手術前の最終 結果が 出ました】
何度も 何度も お心強いお言葉をいただき、本当に感謝しております。
CTも 終わり 遠隔転移は 見受けられないとの事
心配でした リンパ節への転移は あきらかなものはないが 手術後出ないと 本当の結果は分からないとの事でした。
しこりの大きさは MRI で1、7センチ 浸潤もあるので 浸潤を入れると4センチくらいとの事でした
手術日程 も 田澤先生の他質問での ご意見の 通り 初診時から 2ヶ月以内と したいところですが、 こちらの病院で 手術を お願いして良いか 決断を 家族と相談してみようと思います。 一生の事だと思いますので 早めに 納得のいく決断をしようと思っております。
今回話をしていただいた 先生に執刀医は 先生にお願いできるのか伺ったところ 必ず 先生は2人で行っているそうで、(前回 お話をしていただいた先生と) 年間200例くらいとの事でした。 この場合 執刀医は お二人になるのでしょうか?
リンパ節への転移がある場合は 再建中止とお願い出来るかも 伺ったところ 自家組織でなければ、できると思うとの事でした。 自家組織での 同時再建は みなさん 転移していない確率で行っているとの事 私はきっと 決断できず 2次再建をお願いする方向だと思いました。再建は なんにせよ 治療第一優先で 考えて行こうと思っております。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
CT結果で「遠隔転移所見無」との事。当然の事とはいえ、ほっとされた事でしょう。
回答
「心配でした リンパ節への転移は あきらかなものはない」
⇒画像上、リンパ節転移無:cN0ということです。
「手術後でないと 本当の結果は分からないとの事でした。」
⇒当たり前です。
だから「センチネルリンパ節生検」をするのです。
「しこりの大きさは MRI で1、7センチ 浸潤もあるので 浸潤を入れると4センチくらい」
⇒「浸潤を入れると」という表現は正しくありません。
画像上「スピキュラ部分を含めると」4センチ位になる。と言う事です。
「2人で行っているそうで、(前回 お話をしていただいた先生と) 年間200例くらい」
⇒執刀は必ず1人であり、もう一人は助手です。
2人で200件なら1人100件となり、(それが本当であれば)多い方でしょう。
「この場合 執刀医は お二人になるのでしょうか?」
⇒執刀はあくまで1人であり、もう一人は助手なのです。
質問者様から 【質問7 執刀医について】
いつもいつも 心強いお言葉を頂き、大変感謝しております。
やはり 執刀医の先生が気になり インターネットで検索してみたところ
どうやら 2012年ごろまで 大腸ガンについて色々発表されているようでした。
またまた 不安に陥っております。
経験を積んで 実績もある 先生にお願いしたいと 思っていたので、不安でいっぱいになっております。
私の執刀医の先生は この病院の 乳腺科では 一番上の方のようです
田澤先生のご意見 ぜひ お願い致します。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
限られた情報の中からの推測であることはご容赦ください。
回答
「2012年ごろまで 大腸ガンについて色々発表」
⇒専門が「消化器外科」なのでしょう。
20年前までは「日本全体で乳癌の件数がそもそも少なかった」ので、「乳癌は手術も治療も一般外科で」行われていました。
その時代の外科医は(私も含めて)「最初から乳腺外科医という者は居なかった」のです。
ただ、15年位前より「乳癌患者数の急増」に伴い、「次々に乳腺外科へと独立」していきました。
今から10年前の段階で「乳腺外科専門」で無ければ、それは「あくまでも(一般外科医としての)片手間に乳癌を診療していた」と想像できます。
つまり(あくまでも、私の印象ですが)、その医師は、2012年頃までは「(一般外科の片手間に)乳癌の治療もしていたが(本当の専門は大腸でしょう)」その後、「乳腺外科独立と共に乳腺専門とした」のではないでしょうか?
○我々のように、「本当に乳腺外科」をやっている者が「大腸がんを見ている暇など」全く無いのが現状です。
かくいう私も、12年位前までは(乳腺を専門としていながらも)一般外科医として、普通に「消化器外科など」も手術していました。
しかし、その後は、「乳腺外科で完全に手いっぱい」となり、全く「消化器がんに携わるなど不可能」な状態となり10数年経過しています。
あくまでも、参考にしてください。
質問者様から 【質問8 転院について】
いつも とても 丁寧な
ご返答 大変感謝しております。
家族と 相談し 転院を 考え始めております。
転院候補病院は 執刀医の先生が 経験豊富な方で この方とお願いできるとの事
ただし 細胞診(約 一か月前 ) 針生検 (2週間前)と行い そこから ガンが広がる事はあるのでしょうか?
現在の病院だと 7月下旬か8月中旬に手術が出来ますが、転院するならば 手術日は必ず伸びると思われます。新病院の候補は初診から 2ヶ月くらいで手術との事。
脇の下がジンジンと痛み 昨夜は 眠るのも大変でした。すぐに リンパ節転移と思ってしまい 不安です。
手術が今から2ヶ月くらいでとすると 最長で 9月上旬と伸びてしまいます ガンの進行具合が心配です。
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。田澤です。
手術時期が遅くなる不安は十分理解できます。
しかし○研病院などでは通常でも3カ月待ちとしているようなので、大きな問題は無いのかもしれません。
ただし、「手術の精度」はそれ以上に重要です。
皆さんが考えている以上に「手術の技量」には差があるのです。
術後の合併症や後遺症などを考えると「信頼できる医師」による手術をお勧めします。
質問者様から 【質問9 病院を変わりました】
いつも 丁寧なご返答大変感謝しております。
先生にお話頂き 病院を変わる 決心がつきました
ありがとうございました
今後について ご相談なのですが、手術は全摘とし リンパ節への転移が無ければ、同時再建と 思っておりますが、 リンパ節への転移が無くても 念の為 放射線治療を行う事がありますでしょうか?
念の為 放射線治療を行うのは 全摘でなく 温存の場合だからでしょうか?
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答9】
こんにちは。田澤です。
転院を決めたのですね。
やはり、信頼できる医師に手術をしてもらうのが一番だと思います。
回答
「手術は全摘とし リンパ節への転移が無ければ、同時再建と 思っておりますが、 リンパ節への転移が無くても 念の為 放射線治療を行う事がありますでしょうか?」
⇒「リンパ節転移が無い限り」全摘後に放射線照射を行う事はありません。
「念の為 放射線治療を行うのは 全摘でなく 温存の場合だからでしょうか?」
⇒そうです。
温存の場合には「乳腺を残す代わりに」そこに放射線をかけるのです。
全摘の場合には原則として必要ないのです。
質問者様から 【質問10 全摘手術しました】
いつも ご親切なお答えありがとうございます
本日 全摘手術いたしました
CT等ではなかったけれど、センチネルリンパ生検で リンパへの転移がわかり リンパの摘出も行いました。
リンパへの転移の個数結果は 一ヶ月後となるそうです。
再建につきましては先生からのご意見をいただきました よう リンパへの転移がある場合は再建中止とお願いして為中止となりました。
これからの治療方針は 手術病理検査で決定と思いますが、 放射線,抗ガン剤、ホルモン治療 が 標準となりますでしょうか?
田澤先生から 【回答10】
こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節生検で陽性であり、郭清追加となった」のですね。
お疲れ様でした。
ルミナールAなので「リンパ節転移1~3個は、抗がん剤はあまり行いません」
回答
「放射線,抗ガン剤、ホルモン治療 が 標準となりますでしょうか?」
⇒あくまでも「ホルモン療法」が標準です。
放射線、抗がん剤は「リンパ節転移の個数」により決まります。
①放射線
リンパ節転移1~3個:放射線推奨度グレードB
リンパ節転移4個以上:放射線推奨度グレードA
②抗がん剤
リンパ節転移1~3個:St.Gallen 2015のvotingでは「抗がん剤しない」が65%
リンパ節転移4個以上:St.Gallen 2015のvotingでは「抗がん剤する」が91%
質問者様から 【質問11 抗ガン剤治療】
いつも いつも ご親切なご返答ありがとうございます
リンパ節転移が4個以上で 抗ガン剤治療となった場合 とある本で Kiー67の低いタイプには
ドキシフルリジンとシクロホスファミド併用 又は
カペシタビンとエンドキサン併用の経口抗ガン剤治療で 2日朝晩飲み 1日空ける メトロミック療法を 一年続けるのが 効果があると 書かれておりました が、どう思われますでしょうか?
どの様な抗ガン剤治療が 標準となりますでしょうか?
田澤先生から 【回答11】
こんにちは。田澤です。
「ルミナールAで術中センチネルリンパ節生検陽性」で追加郭清を行い「病理検査結果待ち」だと思います。
回答
「ドキシフルリジンとシクロホスファミド併用 又はカペシタビンとエンドキサン併用の経口抗ガン剤治療で 2日朝晩飲み 1日空ける メトロミック療法を 一年続けるのが 効果があると 書かれておりました が、どう思われますでしょうか?」
⇒「ドキソルビシン+シクロホスガミド」併用はAC療法の事です。
○現在の標準療法はACまたはECやTC、「アンスラタキサン EC⇒DTX」などです。
⇒カペシタビン+エンドキサン(シクロホスファミドの事です。但し、この場合は経口投与となります)は標準治療から外れます。
そもそも「カペシタビンは術後補助療法の適応はありません」
つまり、「適応外治療」となります。
私であればTC療法を勧めます。
「どの様な抗ガン剤治療が 標準となりますでしょうか?」
⇒TC療法でしょう。
ただし、「リンパ節転移が10個以上」となれば「アンスラタキサン」(最強)も選択できます。
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |