[管理番号:8157]
性別:女性
年齢:48歳
病名:右乳癌術後リンパ転移、肺転移
症状:
いつも勉強させて頂いております。
今回、術後4年半で再発、転移してしまいました。
田澤先生には当時今後の治療方針や術後の胸の変形などのご相談を、このQ&Aや診察でお伺いしたことがあります。
また、そちらの放射線科でトモセラピーも受けさせて頂きました。
先日告知を受けたぱがりで混乱しておりますが、今後の治療方針など、お考えをお聞かせ下さい。
〈2015年病理結果〉
硬癌
ルミナルA
ステージ2A
センチネルリンパ 転移なし(0/7)
浸潤がんのサイズ 21.0×18.5×29mm
核グレード1(核異型スコア2点、核分裂スコア1点)
脈管侵襲認められないが(ly0、v0相当)僅かにductal spreadがみられる
神経周囲浸潤は認められない
切除断端(-)
HER2 (score 1+)
ER 1+4=5
PgR 3+5=8
Ki67 3%程度(術前は15%)
〈2019年12月〉
FDG PET-CT
肺転移 右少量胸水貯留(右胸腔内播種)
右胸骨傍リンパ節再発
右鎖骨上リンパ節
傍大動脈リンパ節転移
腹部エコー
脂肪肝のみで肝転移なし
術後後半の再発の為、また現在症状-の為、今後はホルモン治療(LH-RH+A2)とCDK4/6製剤(イブランス)開始。
術後はタモキシフェンのみ服用。
薬の影響か、脂肪肝がみられるようになり、
ASTが165→49→49→64
ALTが137→64→79→88
LDHが305→220→233→258
γ-GTPが111→79→84→86 と推移していた為、この間に腹部エコー1回あり。
腫瘍マーカーは、CEAが2.4→3.1→4.4→13.7
CA-15-3→6.7→5.4→7.2→12.3
これ以前術後は基準値内で上がったり下がったりしていましたか、上昇が続き今回CEAが基準値を超えた為、FDG PET-CTと腹部エコーをしました。
10月に江戸川病院で放射線科の定期検診のMRIをうけました。
その前後不確かですが、右肩の肩先に激痛が走り、骨転移かと心配になりましたが、一週間くらいで治まりましたし、常時痛い訳ではなかったので、そのまま過ごして、11月にまた痛くなったりした時、鎖骨上のリンパにしこりがあるのに気づきました。
定期検診が近かったので、定期検診まで待ち受診。
主治医は上記の血液検査から肝転移を疑い、また私がその時はもう痛くなかったのですが、肩の痛みときになる鎖骨上のリンパのシコリの件を言った為、腹部エコーとFDG PET-CTを受ける事になりました。
肩の痛みの際にファモチジン(石灰化などの痛みに効くとのこと)で、以前から胃薬として処方されていたので服用し痛みが治まったので、たまに使っていたこのファモチジンをいつもより服用したこと(肝臓に副作用があるらしい)や、以前の検査でHbALcが6.7で、糖尿病のお薬は飲んでいませんが、これらのことで数値がたまたま上がっていたらいいなと思っていましたが、今回のようたなリンパと想像もしていなかった肺の転移となりました。
肩の痛みがおさまったら、鎖骨上のしこりも小さくなってきているような気もしていましたが、残念な結果となりました。
先生からみまして、今後の治療法はこれが最善でしょうか?
まだまだ戦えるか、不安な日々です。
主治医は今後、エンドレスで治療となり、イブランスが効かなかったら、抗がん剤になるとおっしゃっていました。
今現在は、来月そのイブランスを飲む為に、リュープリンを初回したところです。
よろしくお教え下さい。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「先生からみまして、今後の治療法はこれが最善でしょうか?」
→選択肢は…
1.Palbociclib + Fulvestrant + LH-RHagonist(閉経前の場合)
2.Radiation(リンパ節、場合によっては肺も)
3.Chemotherapy
私も(palbociclibの使いはじめ:まだ信頼性が無いころには)2→3→1としていましたが…
現在は(3を選択する前に)1を選択するケースが多くなりました。(それだけ1がいい治療だということです)
Palbociclibはいい治療です。
まずは効果を見極めましょう。
質問者様から 【質問2 】
イブランスからの治療法変更
性別:女性
年齢:49歳
病名:再発乳癌
症状:
投稿日:2020年7月3日
いつも勉強させて頂いております。
以前術後4年半で再発、転移してしまいその後の治療法でご相談しました
が、今回症状に変化がありましたので、再度今後の治療法などお考えをお
聞かせ下さい。
よろしくお願い致します。
〈2015年病理結果〉
硬癌
ルミナルA
ステージ2A
センチネルリンパ 転移なし(0/7)
浸潤がんのサイズ 21.0×18.5×29mm
核グレード1(核異型スコア2点、核分裂スコア1点)
脈管侵襲認められないが(ly0、v0相当)僅かにductal spreadがみられる
神経周囲浸潤は認められない
切除断端(-)
HER2 (score 1+)
ER 1+4=5
PgR 3+5=8
Ki67 3%程度(術前は15%)
術後はタモキシフェンのみ服用。
〈2019年12月〉
FDG PET-CT
肺転移 右少量胸水貯留(右胸腔内播種)
右胸骨傍リンパ節再発
右鎖骨上リンパ節
傍大動脈リンパ節転移
腹部エコー
脂肪肝のみで肝転移なし
術後後半の再発の為、また現在症状-の為、今後はホルモン治療(LH-RH+A2)とCDK4/6製剤(イブランス)開始。
田澤先生からもまずはまずは効果を見極めましょうとのお言葉を頂き、安心して治療を続けて参りました。
イブランスは日本人には100mgの方がいいのではないか?という主治医のお考えで最初から100均mgからスタート。
最初少し熱が上がりましたが、
解熱剤を飲むまでもなく回復。
白血球の下がりも休薬する程でもない状態
で、副作用も疲れやすいことや眠くなりやすいぐらいで継続してきました。
遠隔転転移確定前も自覚症状は肩の痛み(遠隔転移の症状だとは思っていませんでしたが)、鎖骨上のリンパのしこりで、確定後イブランスを飲む前までの期間も少し咳がある程度、イブランスを開始してからは肩の痛みも咳もなくなり、鎖骨上のしこりも少し小さく、平たくなったかな?という感じで大きな副作用もなく治療を行ってきました。
腫瘍マーカーもぐんぐん下がっていきました。
CEAが4.4→13.7(遠隔転移疑い、確定)→17.1
イブランス開始→15.6→9.7→5.1→4.2→3.6 →3.6
CA-15-3が7.2→12.3(遠隔転移疑い、確定)→12.0
イブランス開始→14.5→12.9→11.3→12.3→10.3→検査中
マーカーも基準値に入り、他の血液検査も大きな問題はなく、自覚症状もない状態です。
ただ、主治医的には胸水が多少減ったかな?なかなかすっきりしないなという感じでした。
そこで12月に転移が分かったので、そろそろ全身検査をとのことで、先日FDG PET-CT、その後治療法を決める為とのことで追加で単CTを受けました。
すると画像上は肺転移は少し悪化しているようで、治療法の変更を提案さ
れました。
腫瘍マーカーは下がっている(PET後もCEA3.6、CA-15-3検査中)ので、イブランスが効いていないことはないが、肺には効いてないようだと。
提案としては、①同じ系統のベージニオとフェソロデックス
②抗癌剤
③遺伝子検査を受けて、適応なら~の脱毛しないお薬
イブランスで大きな副作用も現状自覚症状もなく、腫瘍マーカーも順調に下り基準値内ですので、主治医も難しいところとおっしゃっていました。
私もこのような状態で、PET後もマーカーは目安とはいえ基準値内、大きな副作用、自覚症状もない状態ですので、今の治療法から抗癌剤への変更は踏ん切りがつかず、同系統のベージニオにしようかと考えております。
先生からみまして、今まで行ってきましたイブランス効果、今後の治療法はどのようにお考えなさるでしょうか?
ブログなど書かれておられます他の患者さんの中にも、イブランス→ベージニオやベージニオ→イブランスの方がみられます。
効果はどうなのでしょうか。
なかなか混乱しておりまして、文章に失礼がありましたら申し訳ございま
せん。
ぜひ先生のご意見お教え下さい。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「ブログなど書かれておられます他の患者さんの中にも、イブランス→ベージニオやベージニオ→イブランスの方がみられます。
効果はどうなのでしょうか。」
⇒これが、(同系統なのに)「意外なくらい」変更しても効くことが多くです。
ただ、腫瘍マーカーや自覚症状からすると「palbociclib」でもう少し経過をみてもいいのでは?