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若年性 ルミナールA 抗がん剤をする必要性と妊孕性について

[管理番号:7651]
性別:女性
年齢:32歳
病名:乳癌
症状:胸のしこり

現在最終的な病理の結果が出て、今後の治療についてとても悩んでおります。

妊娠希望です。

また母親も55歳で乳癌に罹患しております。

左乳腺 pT1c pN1 M0 stage ⅡA
腫瘍径 9.0×11.0×8.0
組織分類 invasive dectal carinoma scirrhous type
核異型スコア 2 核分裂スコア 2 →核グレード 2
腺管形成スコア3 核異型スコア2 核分裂スコア1→組織学的グレードⅡ
ER 95.0% PgR 90% Her2 score0 弱陽性5%
gf Ly1 V1 status primary
ki-67 13%
リンパ転移 1/8 SNB1/3 Level I 0/5

Luminal A
私は28歳の時から2年間に渡り、不妊治療をしてきました。
高刺激のホルモン剤を使い、31歳のときに出産をしました。

現在は4つの胚盤胞を凍結保存している状況です。

主治医からは抗がん剤、放射線 ホルモン10年を強くすすめられています。
私的には第2子の妊娠を希望している為、またルミナールAという事もあり、抗がん剤は避けたいと思っております。

そこで先生のお考えを伺えればと思っております。

1.先生ならこの病理結果を受けてどのような治療を提案されますか?

2.やはり不妊治療は乳癌の促進に影響があったのでしょうか?

3.この状況で放射線のみをして、妊活期間に入り出産を望む事は危険なのでしょうか?その後、10年ホルモン療法をしたいと思っております。

主治医からはどうしても望むなら抗がん剤、放射線の後5年ホルモン治療をして、37歳から妊活に入ってもいいよと言われております。

4.先生ならどのタイミングで妊活を進めますか?

5.主治医からは若年性でリンパ転移が一つでもあれば、オンコタイプDXはやっても信憑性が無いと言われております。
本当にやる意味はないのでしょうか?

オンコロの先生からは、この状況で第二子を望む事は無責任だと言われてしまいました。
とてもとても悩んでおります。

お忙しい中申し訳ありませんが、是非是非ご意見伺えればと思います。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まずは「あるあるQ」の『術後の妊娠出産と治療についてお悩みの方は、管理番号5903『術後の治療と妊娠、出産について』をまずはご一読ください。』をご一読ください。

「主治医からは抗がん剤、放射線 ホルモン10年を強くすすめられています。」
⇒何故「抗がん剤を強く勧める??」
 ルミナールAだから抗がん剤による上乗せは期待できません。
 リンパ節転移は「抗がん剤の効果とは無関係」 『今週のコラム 190回目 RSを用いれば、(今まで「リンパ節転移が陽性だから」という理由で抗がん剤治療されてきた)かなりの数の患者さんを無駄な抗がん剤から解放できるのである』をご参照のこと。

「1.先生ならこの病理結果を受けてどのような治療を提案されますか?」
⇒ホルモン療法です。(年齢から考えれば当然LH-RHagonist併用となります)

「2.やはり不妊治療は乳癌の促進に影響があったのでしょうか?」
⇒関係ないでしょう(根拠となるエビデンスがありません)

「3.この状況で放射線のみをして、妊活期間に入り出産を望む」
「その後、10年ホルモン療法をしたいと思っております。」

⇒それでいいでしょう。(当院なら、普通にそうしますよ)

「4.先生ならどのタイミングで妊活を進めますか?」
⇒質問者と全く同意見です。

「5.主治医からは若年性でリンパ転移が一つでもあれば、オンコタイプDXはやっても信憑性が無いと言われております。本当にやる意味はないのでしょうか?」
⇒違います。
 『今週のコラム 189回目 「リンパ節転移があれば抗がん剤をすべき」という古い考えが完全否定される日も近いのです。』を参照のこと。

「オンコロの先生からは、この状況で第二子を望む事は無責任だと言われてしまいました。」
⇒根拠もないのに、(他人の人生を制約するのは)無責任なのでは?