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治療方針について

[管理番号:1880]
性別:女性
年齢:35歳
エストロゲンレセプター 陽性99%
プロゲステロンレセプター陽性85%
HER2 スコア+1 過剰発現なし
腫瘍 3.2センチ
MIB 53.2%
geminin labeling index 15.7%
現在 転移は見られません。
ステージ 2a
授乳中での乳癌診断でした。
主治医は、6か月の抗がん剤の後、手術、ホルモン療法との方針でした。
(抗がん剤の効きを見たいとのことでした)
セカンドオピニオンを受けたところ、
このタイプは、ホルモン療法がよく効き、抗がん剤はあまり効かないので、
抗がん剤をするかまでは悩むところ。
6か月もするのは・・・。と言葉を濁されました。
私が、転移の心配をしている旨をお話しすると、
手術までの時間を無駄にしないという意味でも、3か月の抗がん剤→手術→ホルモン療法
をすすめられました。
癌細胞の勢いがあり、抗がん剤が効きにくい可能性があるとなれば、先に手術を優先しなくて良いのかが心配です。
子供が1歳と小さいので、温存などを望むよりも、確実に再発率を低くすることを優先して考えております。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず重要なことは、現状3.2センチですが、「小さくして温存」を希望されていますか?
このメール内容からすると「最初から、術前抗がん剤ありき」の話になっていますが、質問者は「ルミナールタイプであり、抗がん剤の劇的な効果が期待できないサブタイプ」です。(小さくして温存を強く希望しているのであれば、チャレンジしても
いいとは思いますが)
もしも、「小さくして温存」と言う希望がそれ程強くなく、「とにかく治療(生命)優先」というのであれば、「手術先行」であるべきです。

回答

「主治医は、6か月の抗がん剤の後、手術、ホルモン療法との方針でした。(抗がん剤の効きを見たいとのことでした)」
⇒主治医は「物事を理解していますか?」
 「抗がん剤の効きをみたい」とありますが、「術前術後に適応のある抗がん剤はアンスラサイクリンとタキサンしか無く、効かないからと言って(別の薬剤には)変更はできないのです。全く無意味」です。
 ○術前抗がん剤の適応は、あくまでも「小さくして温存」です。
 「抗がん剤の効きがみたい」とか「全身にひろがっているかもしれない癌細胞を先にたたく」とか『無意味な屁理屈』をつけて術前抗がん剤を勧める医師には呆れます。
 
「癌細胞の勢いがあり、抗がん剤が効きにくい可能性があるとなれば、先に手術を優先しなくて良いのかが心配です」
⇒私も心配です。
 もし、「術前抗がん剤」が効果が無かったら「癌を(手術せずに)放置」していると同様のこととなり、(手術せずに、置いてある)腫瘍から「新たな転移」のリスクがあります。
 抗がん剤の本来の役目は「再発予防」です。(「術前抗がん剤」は「小さくして温存」という特殊な用途と言えます)
 (明らかな腫瘍を)「手術先行」で摘出し、そののち「安心して」抗がん剤を施行するべきです。
 
「温存などを望むよりも、確実に再発率を低くすることを優先して考えております」
⇒質問者の意志からすれば、「術前抗がん剤は完全に誤り」です。
 
○「小さくして温存」を希望していないのに、(しかも、ルミナールタイプに)「術前抗がん剤を勧める」とは、私には全く理解できません。
 担当医は本当に「理解しているのか?」甚だ疑問です。