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病理結果後の治療について

[管理番号:6853]
性別:女性
年齢:59歳
病名:
症状:

田澤先生
初めて質問させていただきます。

乳がん告知を受けてから、こちらの質問・
先生の回答で随分勉強・気持ちの整理をさせていただきました。

手術と再建を終え、病理結果がでたのですが、治療について決めかねています。

田澤先生のご意見をお願い致します。

2018年9月(上旬)日
ヒダリ乳頭乳輪温存乳房切除術+乳房再建術(インプラント挿入)+センチネルリンパ節生検を受けました。

2018年10月(上旬)日
病理検査結果が出る

<病理組織学的所見>
ヒダリBt+SNB:
組織型 : Special type,
invasive lobular carcinoma
浸潤径 : 18×15mm
浸潤径+入管内進展径 : 18×15mm
波及度 : f
切断断端 : 陰性
※大胸筋側の断端近傍0.2mmにまで浸潤性
病変あり)

in situ(+) : solid
Nuclear atypia:2 , Mitotic
couns:3 , Tubule formation:3
Nuclear Grade:3 ,
ER(+)(AS:PS5+IS3=TS8) , PgR(+)
(AS:PS5+IS3=TS8),
HER2 score 1
Ki67 20-30%
リンパ節 (HE+CKAE 1/3) : SLN
0/1(i-)
pN0(i-)(0/1)

※乳腺内リンパ節が認められ、転移が疑われます。
免疫染色を追加し転移の有無について検討し最終報告します。

→ 結果報告は、9/(中旬)に受ける

以上が病理結果でした。

主治医からの今後の治療の説明では、
① ホルモン治療(アリミデックス)のみ →病期は、stage 1 なので
② TC4回 + ホルモン治療 → 
Histological grade:Ⅲと悪性度が強いためと(乳腺内リンパ節転移の疑いがあるため)
③ TC4回 + ホルモン治療 + 局所放射線治療 → 大胸筋側に 0.2mmの浸潤性病変ありのため
④ オンコタイプDXの検査をして抗がん剤治療の決定をする
先生としては、所見だけをみたら、③を推奨しますが、オンコタイプDXの検査ができるのであれば
検査をして結果で最終判断をする事がよいのではないでしょうか。

9/(中旬)の結果を確認してから決めましょうとなっています。

 
以上の事から現時点での私の方針は、
オンコタイプDX検査を受け、結果で抗がん剤治療は最終判断しようと思っています。

低・中スコアは抗がん剤は必要なし、高スコアは必要と認識。
(悪性度がⅢがかなり気になりますが、)
今できる治療は何でもする気持ちでいます。

田澤先生にお聞きしたい内容は、

1、まだオンコタイプDXの結果がありませんが、所見の内容を見て、ベストな治療を教えてください。

2、大胸筋側の断端近傍0.2mmにまで浸潤性病変あり、のための放射線治療は受けるべきなのでしょうか?
 既にインプラントが入っていますので、
放射線治療を受けた場合に、インプラントに影響はないのでしょうか?

3、乳腺内リンパ節転移の疑いとは、センチネルリンパ節には転移はなかったのに、
どういう事なのでしょか? 抗がん剤治療をすると考えた方がよいのでしょうか?

田澤先生、どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「1、まだオンコタイプDXの結果がありませんが、所見の内容を見て、ベストな治療を教えてください。」
→OncotypeDXの結果を見ずに決める意味が全くありません。(結果がでてから、それに従うことです)

「2、大胸筋側の断端近傍0.2mmにまで浸潤性病変あり、のための放射線治療は受けるべきなのでしょうか?」
→不要。
 大胸筋浸潤があったわけではないので、(執刀医がきちんと認識して)手術していれば問題ありません。
 

「3、乳腺内リンパ節転移の疑いとは、センチネルリンパ節には転移はなかったのに、どういう事なのでしょか?」
→文字通り…
 乳房内リンパ節は「文字通り」乳腺と一緒に乳房内にあるリンパ節です。
 乳房からリンパ管が出る前に位置するリンパ節です。

 もしも、そこに転移があって、センチネルリンパ節に転移がないとすれば、「癌細胞が腋窩へのリンパの流れに乗る前に、そのリンパ節にトラップされた」と考えましょう。

「抗がん剤治療をすると考えた方がよいのでしょうか?」
→全く無関係。

 「リンパ節転移があること」と「抗がん剤が効くこと」は 100%無関係なことです。『今週のコラム 131回目 「進行しているから」と言う理由で「効かない筈の治療に我慢する」それでいいのですか? (付記)「ホルモン療法と抗癌剤」は全く別の作用であり、「強い、弱い」ではないのです。
』をご一読ください。