以下、本文中から抜粋
要点は
1.断端陽性となっていても(実際には)「摘出した標本のギリギリ」まで癌が存在していたという事実のみであり、以下の3通りのケースがある。
①本当に取りきれていない(筋肉側に残っている)
②ギリギリだが取りきれている(実際には残存なし)
③そもそも標本の作製過程で脂肪などが外れたために(見かけ上)ギリギリに見えるだけ(実際には余裕をもって取りきれている)
2.このQAで同様の質問をして、結果的に当院で再手術(その部位の皮膚と筋肉を切除)したケースが(今、覚えているだけで)2例ありますが、どちらも陰性(上記②もしくは③)でした。
3.もしも①だと仮定しても、それを理由に全身療法を追加するのは誤り(局所の借りを全身で返すという発想は誤り)
①だと仮定して「放射線を追加」するのは(放射線は局所療法なので)誤りではありませんが、「だから、抗がん剤をしよう!」は完全な誤りです。