『管理番号7484 痩せることについて』を回答していて…
今回の「あるあるQ]となりました。
『何故、乳癌では痩せないの?』
「癌とは痩せるものだ」と考えている方は、『その理由」を考えずにblack boxに入れているようです。
「何故、乳癌は痩せないのか?」ではなく、考え方として『癌で痩せるのは何故?』と発想を変えた方が解りやすい。
〇食べ物は口から入って、胃→小腸へと消化吸収されながら、大腸に到達し水分を吸収して便として排泄されます。
この過程の、どこかが障害されると「食べれない→痩せる」こととなります。
1.消化器癌
胃癌が局所再発すれば、消化管の通過障害となり、食べたものは全て吐き出されます。
胃癌が腹膜播種すれば、腸間膜に固定されている小腸が動けなくなり(腸蠕動の障害)、更には完全閉塞(通過障害)となります。所謂「イレウス(腸閉塞)」です。
大腸癌が局所再発すれば、やはりイレウスの原因となります。
膵臓がんも同様、(膵臓は胃と小腸をつなぐ十二指腸に接しているのでここにマスができると通貨障害となります。
★消化器癌は再発=イレウス=食事が摂れない=痩せる のです。
2.肺がん
肺がんの場合には(消化器癌とは異なり)イレウスになることはありません。
呼吸機能障害に陥り、呼吸筋を酷使することによる消耗により食欲不振となるのです。
以上を理解すると「乳がんでは痩せない」ことがわかりますね。
乳がんが消化管に転移することは殆どありません。(胃に転移したら、症例報告ものです。)
消化管に転移しないから、「乳癌再発ではイレウスにならない=痩せない」のです。
肺転移が進行すれば、(肺がん同様の)呼吸困難→消耗性の食欲不振⇒痩せることになりますが、「痩せるほどの呼吸困難」があれば、そもそも気づきますよね?