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今週のコラム 498回目 乳癌、原発腫瘍に対するBNCT始めます!

乳癌、手術して取らなくてはいけないと(頭では)解っている。だけど、どうしても身体にメスを入れられたくない。

そういう方にこそBNCTという選択肢があります。

BNCTは癌細胞選択制が高い(つまり、正常組織を障害しない)

 

私はあくまでも乳腺「外科医」であり、手術こそ「最も確実で侵襲も少ない」という信念に何ら変わりはありません。

 

ただ現実として、手術を含めた標準治療が受け入れられずに(そこから)drop outして民間療法に走り(2,3年後には)とんでもない状況になり、もう限界だから何とかしてほしい。と再度受診。

こんな経験が無い乳腺外科医はいないでしょう。

 

つい最近もやはりいらっしゃいました。

『手術はいつにしますか?』に対して『私、手術しません。切らずに何とかなりませんか?』

こう言われてしまうと(他の殆どの乳腺外科医同様に)『手術が一番なのに、手術しないと後悔するのが解っているのに、それがどうしても受け入れられないのであれば責任もていない! 責任持てない以上もう受診しないでほしい。

 

ただ、冷静になって考えてみると「患者さんを突き放す」ことが正しいのか?

突き放すことで、(結果として)その患者さんが民間療法に走り数年後には…

それを「自分には責任はない。標準治療を受け入れられないあなたが悪い。」それでいいのか?葛藤するようになった矢先、ふと(再発治療、主として胸壁やリンパ節などに効果を感じている)BNCTの提案を放射線科医から受けました。

せっかくのBNCT、もっと有効に使えないだろうか?

 

放射線科医と議論を重ねていくうちに一つの当院だからこそできるanother choiceのモデルが浮かんだのです。

1.手術が受け入れられない患者さんのその腫瘍にBNCTを提案

少なくともその患者さんが(民間療法に走り)その結果、どんどん悪化させることは避けられます。

確実な効果が得られることは間違いありません。

ただし、その効果には(その腫瘍それぞれに)違いがあると考えれます。

①著効する場合 これは完全にBNCTで根治されてしまう。

②再増殖してしまう場合 腫瘍の「大きさ」や(治療に対する)「感受性」などが異なるため、(BNCT後に)生き残った癌細胞が再増殖するケース

2.責任をもった経過フォロー(放射線科医による画像検査の他に、私自身がエコーをすること)

これが今回「primary tumor に対して自信をもってBNCT治療をお勧めする」原動力と私は考えています。

要は「無責任にBNCTを押し付ける」のではなく、上記②のようなケースを見逃さないシステムにすることにより(私にとっても、そして患者さんにとっても)とても安心感があります。

 

3.再増殖してしまった場合の的確な選択肢の提示

無論、そのケースでは再度「今度こそ、私に責任をもって手術させてもらう」

と、いいたいところですが実際のところ「やっぱり、それでも手術は嫌」というケースは当然想定されます。

その際には通常の放射線や薬物療法を含めて再度相談しましょう。

BNCT

YouTube「乳がんプラザBNCT」