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今週のコラム 422回目 『小さいから断られるかもしれない』

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お気に入りのスープカレー(ローソン)が店頭から姿を消して、はや数か月

ようやく、次なる至高の味を探しあてました。今度はセブンイレブン!

コンビニ、おそるべし

この「おだし香る豆乳茶碗蒸し」

 

 

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どうです?

一度お試しあれ。

 

 

 

 

 

○本文

検診マンモでカテゴリー3「石灰化」要精査としてクリニックを受診したAさん

クリニックで説明を受けて帰宅する際には(受診の前の不安が解消されるどころか)「不安な気持ちのまま」の帰宅となりました。

その医師が言うには

小さいから断られるかもしれないかもしれないが、マンモトーム生検を受けるのであれば紹介状を書きます。確定診断を受けるか受けないかは本人の希望で、受ける人も受けない人もいます。

他にも、

②半年後に再度受診するか、

③過去の画像と比較のために(過去に)検診を受けたところの画像をもってきてもらうかなど、

いろいろ提案はしてくれるのだけど、決して自信を持って勧めることが無いのです。

 

 

何が、患者さんを困らせているのか?

それは医師が(専門家として)「この所見なら、これがいいと思います。」というアドバイスを避けて、どうすべきか?という判断を明らかに患者任せにしようとしていると感じたからなのだと思います。

例えば・

その所見(癌の可能性の高さに応じて)

(経過観察という方法もありますが)これは癌の可能性があるのでST-MMTしたほうがいいと思います。

逆に

(ST-MMTで確定診断もできますが)この所見からは(もしも針の検査が怖いのであれば)経過観察でもいいでしょう。

などです。

 

 

 

実際にはAさんは「確定診断希望メール」されたのですが、

まず、其の文面「小さいから断られる」という文言に「は?」と感じました。

石灰化はそもそも「微小」だから要精査となるわけで、「まだ小さいから、ST-MMTは当院では断ります」などは想像できないからです。

そのメールに対し私の回答は

小さいから断られるというのは、私には理解できません。心配であればST-MMTしますよ

確定診断希望メールでしたので、メール上で日程(火曜日の午後一択です)を決めました。

 

そして当院を受診され、そこで初めてそのMMGを見たわけですが、その所見は(カテゴリー3としても間違いではないけれど)カテゴリー4の方が寧ろ妥当では?というものでした。

『集簇性も強いし、(ここがカテゴリー3との差異ですが)均一ではなく大小不同で一部角がある。予定通りST-MMTしましょう』

結果は「非浸潤性乳管癌」

 

本来ならば、寧ろ積極的にST-MMTを勧めるべき症例に対して、何故それを「自信を持って」できないのか?

ST-MMTを数多く(自ら)経験している乳腺外科医であれば、「小さいと取り難い」などという発想はありません。

実際にMMGで「鮮明に映っている」のであれば大きさは全く無関係なのです。

実際のST-MMT困難症例3原則は(私が、これは難関かな?と思う順番に)

1.胸壁に近い

⇒石灰化を(針をターゲットできる範囲まで)引っ張りだせない限り検査できないので

 

2.淡い

⇒もともと「よーく目を凝らしても、微かにこれかな?程度」だと、局所麻酔したことで完全に見えなくなることもあるからです。そうするとある種「勘が頼り」となってしまいます。(その「淡さ」の程度によりけりですが…)

 

3.(乳房が)薄い

⇒あまりに薄いと針が突き抜けてしまい吸引圧がかからない(空気が漏れてしまう)からです。(これは、生食で膨らませたりして行いますが、それでも限界はありそうです)

 

その医師がなぜ「小さいから断られる」と発言したのか?

1.その医師は(自ら)ST-MMTをした経験がない。

2.小さいとST-MMTが難しいと思いこんでいる。(想像している)

3.(もしくは)ST-MMTは(無意味に経過観察したうえで)石灰化が増加してより「これは癌が強く疑われる」という状態でないと、行わない検査だと思い込んでいる。

この1~3のどれか(または全部)なのでしょう。

 

ここで、(タイムリーに届いた)QAから…

「石灰からの精密検査の結果」

(以下、全文)

マンモグラフィの石灰で精密検査3で先月受けました。しこり非触知です。先生は触診して極めて良性だろうけどエコーをしとこうとしました。そして再来したのですがMRI もしとこうと受けました。又再来した時にMRI 画像を見てこれはちょっとと言われてMRI 画像とる人もプロだし乳ガンと書かれているよね。これは悪ければ全摘ですよと言われてただ驚くばかりでした。更にここまできたら白黒はっきりしたいでしょ?と言われて針生検をやるように言われて受けました。七ヶ所ぐらいバチンと音が鳴る生検でエコーで見ながらでした。結果は良性だけどね、あのMRI 画像見たらおかしいと思うでしょう?と言われましたが乳ガンとも言われていないし特に詳しい説明もなかったので先生の言うことだけ信用してるのですが2月にもう一度針生検して良性ならば良性だろうからそれで予約しましょうと言われましたが不安だらけです。

又針生検をするとなると勇気がいります。けれど針が刺さっていなくスルーしてたかもしれないからと言われたので受けた方が良いのか悩みます。

⇒その医師の言っていることは全く「滅茶苦茶」一言です。

問題点

1.診断にMRIは全く無意味

2.石灰化なのだから、何度針生検しても「今回は良性だけど…」などと無意味な結果の繰り返し

 

 

それでは、実際にどうすれば(この馬鹿げた状況から)解放されるのか?

 

「掲示板に書き込みするような」強者達には自明の理だと思いますが…

ST-MMT

ただ、それだけです。