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今週のコラム 235回目 palbociclib① だけで著効、長期間継続している症例

日本放射線腫瘍学会が令和2年4月25日付けで「がんの放射線治療後の免疫力について」を表明しました。

(以下、一部抜粋)

女優の岡江久美子さんが新型コロナウイルス肺炎で亡くなられました。心よりお悔やみ申し上げます。

この件に関して、ニュースやワイドショーなど多くのTV番組その他で「乳癌手術とその後の放射線治療により免疫力が低下していたのが重症化した原因ではないか」といった報道がなされました。今まさに放射線治療を受けておられる患者の方々、これから放射線治療を受ける予定の方々に大きな不安と動揺を与えかねない報道であると受け止め、ここにまずがん放射線治療を専門とする学会として

「早期乳癌手術後に行われる放射線治療は、体への侵襲が少なく、免疫機能の低下はほとんどありません。」

と表明いたします。

〇本編

palbociclib① だけで著効、長期間継続している症例

 

『palbociclibは安定しているな。』

日々の診療の中で感じていることです。

副作用がない(ごく軽い)こともいい。

と、いうことで紹介しましょう。

①          ②         ③          ④

 

 

 

 

下記、グラフの①~④に対応した肺CT

ホルモン療法(anastrozole⇒exemestane)では病変は徐々に増大

④palbociclibに変更したところ、明らかに改善しています。

 

横軸の1メモリは3か月ですが、CEAは3か月で正常値入っています。

CA15-3は(ゆっくりと)18か月くらいかけて、遂に正常範囲に入りそのまま効果が持続しています。

 

抗がん剤することなく、palbociclibだけで正常化して(いい状態を)維持する。

理想的な(目論見通りの経過を辿った)症例と言えます。

ただ、全員が「化学療法無しでOK]とは思いません。

次回は、そのような「抗がん剤」⇒(正常化してから)⇒「palbociclib」で長期間維持をご紹介します。