こんにちは。田澤です。
≪乳癌学会 関東地方会≫
昨日は「第16回日本乳がん学会 関東地方会」がありました。
pm2:50~の発表だったので、市川外来をpm1:00までにして(実際は1:15位になったので、「間にあるのか??」本気で心配しましたが…)大宮ソニックシティ―で無事発表してきました。
『当院でのpalbociclibの使用経験』
当院で2018年1月~2019年8月の期間でpalbociclibを投与した27症例のうち評価可能な19症例を対象
何故、8月までかというと、抄録の期限が、その頃だったからです。(今では30例を優に超えています)
結論からいうと、「忍容性も有効性も高い」治療である。
座長
『CDK4/6 inhibitorには2種類ありますが(palbociclib , abemaciclib)使い分けついては??』
『abemaciclibはこの12月でようやく発売1年となり、処方制限がとれました。』
『その意味では、ここからがabemaciclibが対等の立場としてpalbociclibと勝負することとなります。』
『abemaciclibでは、間質性肺炎や下痢が心配なので「肺疾患のない(比較的)若くて元気な患者さん」が無難だと感じています。』
≪学会発表で気になったこと≫ 棒読み
若い発表者(特に多いのが女医さん)で目立つのは、(発表の際に)5分間一度も目を上げることもなく、「発表原稿を棒読み」していることです。
発表とは(一般企業で言えば)「プレゼンテーション」ですよね?
やはり、相手の顔をみて、「熱意をもって語り掛ける」べき。(棒読み原稿で心動く人はいませんよね?)
言葉に詰まったりして失敗することを恐れているのでしょうが…
(おそらく)指導医から言われたことを「自分で理解し、自分の言葉に変換することなく」そのまま棒読みしているのでしょう。(理解していないことは、その後の「討論」で判明)
★棒読み原稿を(手間暇かけて)準備している分、何も準備していない者(男性医師に多い)より少しはマシなのか? いえいえ、代わり映えしませんね。
≪今週のサンフリ≫
【羽生、破れる。ネーサン・チェンがV】に対して…
一之介『ネーサン・チェンの兄さんは、ニーサン・チェンなのかな?』(駄洒落かよ)
『Q&A 2019年12月07日1 乳房の厚さ』を回答して…
私がコラム212でエコーについて書いたからには、ここまで踏み込む必要があるな。 そう率直に思いました。
エコー画像は「白黒のコントラスト」で成り立っており、ここから理解する必要があります。
★これを理解することにより「人によりエコーのしやすさが違う(かかる時間が違う)」ことを理解いただけることと期待します。
『こんなに、短時間で本当にきちんと診ているの?』そんな不満をもつ、あなたへの回答なのです。
〇乳腺の個人差
「白い乳腺」
乳腺の部分が「白」くて、(其の上層の)皮下脂肪の黒とコントラストがはっきりして見やすいですね?
「豹門状」
所謂「乳腺症」と表現される乳腺のパターン
「白」い乳腺の中に線維化の「黒」が、かなり多くを占めています。
こちらは、上図よりも更に乳腺が発達し、(乳腺の上にある)皮下脂肪が殆ど無い(皮膚の裏がすぐ乳腺)ことがわかります。
「黒」
本来「白」筈の乳腺が「脂肪変性」して「黒」くなっています。
♯ 皮下脂肪が「黒」いことで解るように「脂肪は黒い」のです。
〇乳腺のタイプにより「腫瘍の見つけやすさ」が変わります。
腫瘍はエコーでは「黒」なので(バックグラウンドとしての乳腺が)「白ければ白いほど」見つけやすいのです。
「白」い乳腺
解りやすいですよね?
「腫瘍と乳腺のコントラストが強い=解りやすい」
「豹門状」の乳腺
どこにあるか、わかりますか??
回答は 最後にあります。
同じく「豹門状」の乳腺
同じく、回答は最後に掲載
「黒」い乳腺
「豹門状」よりは解りやすいけど、実際は結構大変
回答
お解りいただけましたか?
乳腺の「色合い=線維化や脂肪変性」によって、エコーをする際のやりやすさには「雲泥の差」があるのです。
解りやすい乳腺(白)は(エコーが)早くできるし、解りにくい乳腺(黒)では時間がかかるのです。