暑い夏が続きます。
私の周りでは夏風邪(夏バテ?)もチラホラですが、皆さんはお元気にお過ごしでしょうか?
私自身は(お陰さまで)とても元気で体調良好です。
巷では「30歳を超えたら…」とか、「40歳を超えたら…(急に体力が低下する)」などと言われていますが、どこ吹く風でした。
しかし、3年前ここ東京に来て、急に体力低下を感じました。
「45歳を超えて急に体力落ちたなー。ついに俺もか!」とガッカリしていたのですが…
今年で3年目。
身体が「東京の夏(梅雨の蒸し暑さも含めて)に順応」しているのを感じています。
今年は梅雨時から「身体に漲る力」を感じ絶好調です。
○最初で最後のフルマラソンから20年以上。
「気候のいいところ(カラッとして涼しいところ)なら、もう1度走ってもいいかな?」(そんな風に考えることがあるなんて!)
身体とは正直なものなのです。
腋窩再発第2段
腋窩再発には2通りあります。
前回は「センチネルリンパ節生検で陰性とされて、腋窩再発した(つまりセンチネルリンパ節生検の失敗)」パターンでしたが、
今回はもう一つのパターン「もともと腋窩リンパ節転移があったのに、術前抗がん剤により(画像上)消失したため、センチネルリンパ節生検を行い(それで陰性だったため)郭清省略した」というものです。
☆これは実はとんでもない診療なのです。
乳癌診療ガイドラインでは『術前化学療法前にN1以上である症例においては、センチネルリンパ節生検による郭清省略は基本的に勧められない』(推奨グレードC2)
コレは何故なのか?
図を用いて解説します。
腋窩の構造
上に大血管(腋窩動脈と静脈)
背中側(図では左)とお腹側(図では右)の筋肉に挟まれた隙間(空間)が腋窩です。
腋窩のリンパ流は
レベル1 ⇒ レベル2 ⇒ レベル3 への流れがあります。
♯ レベル1の中で、最も最初にリンパの流れが入る「リンパ節をセンチネルリンパ節」と呼ぶのです。
転移したリンパ節(黒で図示)と転移していないリンパ節(正常リンパ節:黄で図示)を示します。
ここで術前抗がん剤をするとします。
そうすると、「転移したリンパ節」の中では
1.抗がん剤が効いて「転移が消失した」リンパ節:黄色で表示
2.抗がん剤が効いて(幾らか小さくはなっても)実は「転移が残っている」リンパ節:黒で表示
上記のように、「抗がん剤の効果」は一様ではないのです。
この状況で「センチネルリンパ節生検」を施行すると、
センチネルリンパ節は「転移陰性⇒腋窩郭清省略」した場合には…
図のように「転移したリンパ節が残存」してしまうのです。
★これで(化学療法前にリンパ節転移陽性の場合)化学療法後に「センチネルリンパ節生検をしてはいけない」ことをご理解いただけましたね?
次回は、実際に(他院で)そのような診療をされたために腋窩再発した症例をご紹介します。