寒くなりました。
今年も「博多華味鳥」の水炊きをお取り寄せしようと思ってamazonを覗いたら、(スカロケでも紹介されていた)「ふくの鳥」が目に入りました。
レビューの記事にもひかれて、今週末は「ふくの鳥の水炊き」です。
昨日のスカロケの議題とかぶり、「週末のふくの鳥」をモチベーションとして今日の外来も乗り切ります!
「早期発見促進委員会」への投稿第2弾
前回、以下の3つの問題点を指摘しました。
1.小さいから
2.自分の手技に自信がないから
3.(そもそも)診断手技を持っていない!
今日は「1.小さいから」についてお話しします。
医師でない限り、皆さん人体に針を刺して「的を射る」経験をしたことは無い筈です。(あったら怖い!)
我々、医師(乳腺外科医)も勿論医師になるまではそんな経験もないし、医師免許をとったらからといっても(勿論)そんな技術研修など一切ありません。
もしかすると皆さんの中には、『人体に実際に行う前に、「疑似乳房?」なるもので練習しているのでは?』と(うっすら)思っているのかもしれませんが、全くそんなことはありません。
なので、皆さんの中で(運悪くも)「お前、やってみるか?」とその場で指導医に言われた若手医師(研修医レベルでは実際に行わないのが普通です)に「汗をダラダラ」たらしながら「目をギラギラ」させながら、細胞診をされた経験の方もいらっしゃるかもしれません。
そうなのです。
生検は「経験」なのです。
勿論、人には「センス」があるので、(私が見ていても)「こいつ、センスあるな」と思う医師もいれば、「センスないなぁー」と感じることもしばしばあります。(最近は、麻酔科実習で挿管をする研修医を見ていて感じています)
ただ、ひとつ注目しなくてはいけないのは「手術や(手術時の)既管内挿管は眠っている人が相手」なのに対して、生検は普通に起きている(しかも、大なり小なり緊張している)人が相手だということです。
患者さんが眠っていれば、手技に「もたもた」していても(当然ながら)気付かれませんが、起きている患者さん相手だと「スムーズにいかない=とても焦る」という精神状態となり、「上手くいかないまま(検査)終了」となる場面もあるでしょう。
○前置きが長くなりましたが…
生検が「起きている患者さん相手」だということ。 「実践」でしか手技を磨くことができないこと。 想像できましたか?
「小さい的に当てる方が大きい的に当てるより難しい」
これは、(弓道の心得が無い方でも)容易に想像できます。
特に乳腺は硬いので「思い通りに針を進ませる」ことが(慣れないと)意外と難しい。
「的は見えている」けど、「そこへまっすぐ進ませる」ことは「硬い乳腺が行く手を阻む」わけです。
私が日ごろ「細胞診は針生検より数倍難しい=術者によって雲泥の差が出る」と言っている一番の理由が、この「硬い乳腺には細胞診の細い針が真っ直ぐ通るのをしばしば拒む」という事実なのです。
針生検に経験の浅い医師は、「的が小さいから」と言う理由で、しばしば「細胞診を選択して、検体不良の山を築く」わけですが、針生検をもっと積極的に選択すれば、少しはましになるでしょうに…
的が小さいからと言って、「まずは細胞診をしてみましょう」という乳腺外科医には気をつけましょう。(これらの医師は「検体不良」となることに慣れ過ぎているのです)