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乳癌手術のブログ 2020/4/3 意外なことに「私」を測りだしました

こんにちは。

先日、手術標本をお見せしながら術後の説明をしていた際、ご家族(ご主人)が突然「測らせてください」と巻き尺を取り出しました。

てっきり、「手術標本」を測るのだろうな 注 1 )と思ったのですが、意外なことに「私」を測りだしました 注 2 )。『えっ!』と驚く私に『ワイシャツですよ。私、ワイシャツ屋ですから。 注 3 )

いろいろな事があるものです。

「手術標本」を測るのだろうな 注 1 ) ご家族の中には、標本を写メする人も多いですが、(その時は)「大きさが知りたいのかな?」と思いました。

「私」を測りだしました 注 2 ): 首回り、肩幅、胸囲などです。

私、ワイシャツ屋ですから。 注 3 ):なんと、あの「昭和天皇」や「平成天皇」のワイシャツも仕立てたとのことでした。

 

先日は、大変お忙しいところ、検査、診断をしていただきまして本当にありがとうございました。

乳癌の疑いの段階から、「多発性」「両胸怪しい」と言われ、今の主治医にも「見れば見るほど怪しい乳腺」と言われて事から、癌はいくつもあるものと思っていましたので、今回先生にマンモトームをしていただいて、他の箇所は「乳腺症」であると診断していただき、安心して手術を受けられる心理状態になりました。

今回幸運にも先生とご縁ができたことで、とても大切なことを学ばせていただきました。それは医師と患者との関係は、双方向であるべきだという事です。今までは患者が医師を信頼して治療することができればいいと思っていましたが、そうではなく、医師も患者を信用しなければコミュニケーションが上手くいかず関係が崩れてしまうという事が分かりました。

今の主治医に限らず、私が出会ってきた医師の中には、「悪い可能性」を強調する傾向にありました。今まではさほど命に係る病気ではなかったため、治療が過剰気味であったり、自分の体質には合わないと思ったときは、遠慮なくお断りしていました。しかし、今回は命にかかわる病気です。今までのようにはいかないと思いました。診療の度に「良い可能性」と「悪い可能性」が交互に告げられ、混乱と落胆を繰り返して、最終的には、無理を承知で、すがる思いで田○先生に生検をお願いすることにしました。

今の世の中、医療の現場に限らずクレームや訴訟の対策が業界ごとにかなりなされていると思います。先生が乳癌の検査方法や治療に関する情報を沢山患者さんに提供してくださることで、患者さんは適切な知識をもつことができ、安心して治療を選ぶことができます。知識を持ち、心理面で成長した患者さんは、先生にとって信用できる患者さんになるのだろうと思います。先生が実際の診察で、「悪い可能性」を強調しないのは、診察でお話しすることが全てであり、他は必要ないからだと私は実感しました。(また、患者さんに無駄な心配をさせないというご配慮であることも。)これぞ、双方向の関係と言うべきものだと思いました。でも、先生のように患者さんに様々な情報提供をし、また患者さんの相談に乗ることなど、なかなかできることではありません。普通出来ないことを実践されているからこそ、患者さんは先生を心から信頼するのだと思います。

御礼の手紙を書いた筈なのに、長々と私見を書き連ねてしまい、申し訳ございません。(国語科教師の性です。)今日入院して、明日手術ですが、田○先生のお言葉をお守りにして、平常心で臨みたいと思います。きっと、今後もご相談させていただくことがあろうかと思いますが、その節はどうかよろしくお願いいたします。

末筆ながら、先生のご健康とますますのご活躍を心よりお礼申し上げます。

 

『他にも怪しい所見がある。』そう、言っておきながら患者さんから『じゃー、それも調べてよ!』と言われると、『キリが無いから、そんなことできない。』と逃げる医師。

そんな風景が浮かびます。

大事なことは、「自分が患者さん側だったら、どうして欲しいだろうか?」という想像力だと思っています。

俺だったら、「100%確定診断つけてほしいよな。」その思いで「確定診断希望メール」を行っているのです。