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ブログ 2019/4/3  「腫瘍が小さいほど、血管へ入る機会は少ない」それを、(私は)肌で感じているのです。

〇「Q&A 2019年04月02日2 腫瘍径について」を回答していて、今回のブログを書くことにしました。

 

『(腫瘍径が)小さいことは最大の武器』

それは、私の「経験」であり、「実感」でもあります。

 日常診療の中で(私くらいの症例数となると)、時には「再発」も経験します。(ただし、皆さんが想像するほどの数ではありません)

 そのような(残念にも再発した)方の傾向をみると、「腫瘍径が大きい」ことが(実際に)印象として強くあります。

 それ(同じステージを決める因子である「腫瘍径」と「リンパ節転移」の中で「腫瘍径」がより再発に影響する)は何故なのか?

 私なりの解釈(非化学的かもしれませんが)があります。

 

『リンパ管に入ってリンパ節に転移すること(リンパ行性転移)と血管に入って遠隔臓器に転移すること(遠隔転移)に直接の関係がない』

 これなのだと思います。

 

 想像してもらいたいのですが、

 癌が誕生すると以下のステップを踏みます。

 1.まずは乳管内に誕生=乳管内癌=非浸潤癌

 2.(浸潤径2cm)増大して浸潤する(周囲の血管やリンパ管へ入り込む機会は高くないが、たまたま「どちらかに(リンパ管>血管であることは統計的に明らか)入り込む」ことはある)

 3.(浸潤径5cm)更に増大する(周囲の血管やリンパ管へ入り込む機会が劇的に増加する)

 

腫瘍が大きくなるということは、それだけ(周囲に存在する)血管やリンパ管に入り込む機会が増えることを意味します。(上記で言えば3の段階)

それに対して「腫瘍が小さいけどリンパ節転移が多い」とは、「たまたま」リンパ管へ入り込んだだけで、「血管へ入り込む機会が多いわけではない」(上記で言えば2の段階)

★ 「腫瘍が小さいほど、血管へ入る機会は少ない」それを、(私は)肌で感じているのです

 

術後の感想としては比較的少ない「乳管腺葉区域切除」

年齢 50-59歳

入院期間 3日間

痛み 0.5

『〇月〇日に乳管腺葉区域切除をして頂きました。

分泌はなくなり悪性でもなかったためホット致しました。

術後のかなりの痛みを覚悟していたのですが、あまりに痛みがなく田〇先生に「これから痛みが出てくるんですか?」と伺ったほどでした。

退院後もキズの痛みよりも沢山出来てしまった口内炎の痛みの方が辛かったです。

田〇先生には色々な質問にきちんと説明をして下さり安心させてくれます。

全ての医師が田〇先生のような先生だったら良いのにと思います。先生には心から感謝しております。

ありがとうございました。』

 

『乳管腺葉区域切除は、(結果として)病理が悪性でなくても「分泌の恐怖?と煩わしさ」から解放される意義を代弁していただきました。

傷も小さく、痛みも少ないので「無意味な経過観察」よりは絶対にお勧めです』