Site Overlay

今週のコラム 527回目 全ての「しこり」は針の検査で100%確定診断可能です。 からの「診断の問題点」vol. 1

昨日、鮨食べましたが旨かった!

 

〇 本文

QA 13262 「針生検ほぼ良性からのMRI検査」の回答から抜粋

『それではどうすればいいのか? 正に、この嘆かわしい現状を解説し「どうすべきか?」今週のコラムに取り上げることとしました。暫しお待ちを。』

 

 

と、またもや神君をお待たせしてしまいましたが、(最近、この人登場多すぎ!)

漸くこの日を迎えました。

 

 

 

 

果たして、確定診断(組織診断)が本当に難しいものなのか?

まずはその本質に迫ろうと思います。(って、あんたのquality 神君に比べて低すぎ! )

 

◎まず、結論からいいます。

全ての「しこり」は針の検査 注1)で100%確定診断可能です。

 

注1) 針の検査の種類

1.細胞診

 

要は、普通に(採血などで用いている)注射器で

しこりを「つついて」ほつれた細胞の集塊を採取する検査

かなり「原始的」な装置(人力)であり特徴として

①採取できる細胞量は「かなり」限定的

②技術力を要する

きちんと診断に足る細胞量を採取するには「しこりの中心部分を正確に捉える」「(人力で)吸引圧を維持しながら、グリグリと針を回すなど積極的なアクションが必要」であり、非常に「術者を選ぶ」検査である。

♯本来、癌であればクラス「Ⅴ」を出さなくてはいけない(私であれば絶対にⅤとなります)が、(QAを見ていてもお判りの通り)ほとんどの医師は癌であってもクラス「ⅢB」とかしか出せない。

→その理由は「的を正確に射ていない」+「細胞を採取するアクションが不十分」であり『細胞量が不足する』から

 

2.組織診

ポイント (1で挙げた)細胞診よりは手技的には簡単

(理由)①針自体が太いから(エコーで)見やすい

②バネ式にしろ吸引(圧)式にしろ「自動」で採取するので「(針を回したり、グリグリしたりの)工夫」が不要

2-1.バネ式 CNB core needle biopsy

 

バチーン、とバネの解放力で組織を採取

 

2-2.吸引式

2-2-1.CELERO

 

バネの力で「吸引圧」をかけて採取

 

 

2-2-2.MMTE  /   ST-MMT(specialized in calcification)

これは、充電式で「電気の力」で「吸引圧」をかけて採取

特徴

1.針が太くてしっかりしているので「どんな硬い組織」の中も推進できる。

2.長時間吸引圧をかけるので「かなりの」量採取できる。

 

 

 

全ての「しこり」は針の検査で100%確定診断できる?

って、それじゃー何故 13262さんの担当医は「針生検は一部しか採取できない。乳管内のしこりがモザイクのようになっているから診断が難しい」

などと「小賢しい」こと言っているの?

どうして? どうして?

 

 

って、おいおい!

「黒い」ってだけで、俺のキャラ獲るんじゃねーよ!

 

 

まぁ、まぁ 内輪もめ?しなさんな。

キャラは多いほどいいって漫画家界隈では有名だしな(?)

それは、置いといて本題に戻るけど…

 

その小賢しい(失礼!)医師のいうところの『針生検は一部しか採取できない。乳管内のしこりがモザイクのようになっているから診断が難しい

何故、こんなことをいうのか?

その原因は以下の「複合的」な要因がある

要因1.デバイスの選択の誤り

この乳管内のしこりが「モザイク」のようになっているから(一部しか採取できない)針生検では診断できないと言っているが、

それであれば、本来(バネ式針生検ではなく)MMTEを用いるべきである

→バネ式CNBでは「確かに一部しか採取できない」のでその医師のいうようになる懸念があるが、本来MMTEは「そのために」あるのです。

 

要因2.手技的熟練度

これは「言わずもがな」ですが、デバイスを使いこなして「すべての所見は、100%確定診断たるべき」という境地に達しないと、どんな状況においても「その結果に自信が持てない」

実際この「小賢しい」医師は、最初に細胞診で「検体不適正」をやっていることからも手技的に問題があることは明白です。

 

 

◎診断の問題点

今週のコラム526回目、525回目と合わせて見てもらいたいのですが、

診断の問題点には以下の3つがあり、それは実に「複合的に」絡み合っています。

1.画像診断

2.その所見に対して組織診をするかどうか?という診断への「積極性」

3.組織診手技の「精度」

 

1.画像診断について

 

例として今週のコラム526回目に登場したAさん

昨年 検診で(昨年にはなかった)シコリが指摘されたのだが、(なんと!)カテゴリー2として要精査とならずに、一年後(今年)同じシコリが(今度は、少し大きくなったからと)漸く要精査となり当科をつい先日受診された。

 

 

あったね! で、どうなったの?

 

 

 

病理診断出たけど、やっぱり「癌」確定したよ。

それともう一つ、初回(昨年要精査としなかった)エコーが検診機関から送られてきたよ。

 

 

 

 

初回の検診エコー(今回送られてきたもの)

縦長! 不整型!

これ(去年に何もなかったのに、しかも60歳代)で要精査に何故しない!!

 

 

 

別角度

やっぱり、どう見ても「癌疑い」

何で、カテゴリー2で要精査としなかったのだろう。

 

 

 

検診機関なので「当然」エコーは技師が行っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上に挙げた4つのエラストグラフィー

これが何を物語っているか?

 

 

エラストグラフィーは何か所見があった際に「これは怪しい!」と思わない限り追加で行わないものです。

これを実は4回も(昨年)行っていたのです。

つまり、(昨年も)その技師は「明らかに癌を疑っていた。」

 

 

この4枚のエラストグラフィーは技師の「これは怪しい所見です!是非要精査にしてください!」という心の叫びと言えるんだね!

 

 

 

まさに、その通り!

ただ、悲しいかな。技師さんのその「必死な思い」は、検診画像評価を行う医師には伝わらなかった。

結局、検診結果を出すのは(その画像を見て判断する)医師なのです!

正に診断の問題点1「画像評価」の過ちがここにありました。

 

◎診断の問題点 2,3は次回へ