すっかり「春」らしくなってきました!
「冬将軍」とせめぎ合いの日々も終わりを告げんとしています。
厚着をしなくても屋上へ出ていた、(そして食後は)そのまま大の字で寝そべったあの懐かしの日々!
オクラの上は、ほぐした焼き鳥で賑わってます。
千疋屋のFuit Kuchen
きのとやのミニバウム
スカロケで新しく始まった「餃子の王将食堂」
マンボウが本当に旨そうに食べるので(実際に旨いのではないかと睨んでます)ウーバーイーツで頼もうかと思ってマス。
住んでいた土地柄もあって(やっぱり基本は関西?)餃子の王将おそらく食べたことがないのです。
本文
前回は「luminal type」でしたが、今回はその続きです。
2.triple negative
X年、初回手術 全摘+腋窩郭清 術後ECx4⇒docetaxel x4
X+1年、縦隔リンパ節再発
(胸骨の裏に見えるグレー)
これが再発前のCTです。(参考に)
⇒縦隔リンパ節に照射後、pembrolizumab+gemcitabine+carboplatin
この治療について解説します。
先ずは術後補助療法としてanthracycline, docetaxel既治療となります。
triple negativeの再発治療としては、かつて(免疫チェックポイント阻害剤登場前)ならば、「another taxaneが第1選択」となります。
つまりpaclitaxelとなり、(より強力な治療としてbevacizumabを併用した)paclitaxel+bevacizumabです。
ただ免疫チェックポイント阻害剤の登場により、必ずPD-L1抗体の測定が必須となりました。
★PD-L1抗体といっても「atezolizumab」用と、「pembrolizumab」用の2種類を別々にオーダーする必要があります。
これらは、(当然ながら)結構一致(つまり「どちらも陽性」もしくは、「どちらも陰性」)することが多いですが、「どちらか一方だけが陽性」というケースも無論存在します。
因みにこの方は両方陽性(つまりatezolizumabもpembrolizumabどちらも使える)でした。
なるほど!
かつてならば、bevacizumab+paclitaxelだったけど(これも十分に強力で頼りになったけど)今では『まずは、PD-L1抗体を調べましょう』が正解なんだね?
そこまではいいとして…
今回のようにatezolizumabもpembrolizumabも(両方とも)使える場合に「どちらが優先」みたいなことって、あるわけ?
それは無いんだ。
要は「atezolizumab vs pembrolizumab」のような臨床試験が無いので、どちらがいいというエビデンスは無いのです。
それでは今回pembrolizumabを選択しているけど、同いった理由?
理由は、このレジメンでしか使えないcarboplatinが使えること。これに尽きます。
(普段は使うことのないgemcitabineも併用で活躍してくれるならこんないいことないという感覚もあります)
3.HER2 type
X年 全摘+腋窩郭清 術後 ECx4⇒trastuzumab+docetaxel x4 ⇒trastuzumab x14
♯ pertuzumabの術後補助療法の適応追加が2018/5ですが、その前だったので術後にpertuzumabは行われていません
X+5年 多発肺転移
trasutuzumab+pertuzumab+eribulin x6クール
上記治療、半年後のCT
肺転移は著明に縮小し、瘢痕化
(その後)trastuzumab+pertuzumab(両分子標的薬だけの)半年投与
この治療について解説しましょう。
おそらく選択肢としては
①pertuzumab + trastuzumab + paclitaxel
②T-DM1
③pertuzumab + trastuzumab + eribulin
まず、(この方は術後補助療法として)pertuzumab未治療(その当時は適応外だったため)なのでpertuzumabを使いたいので①か③となります。
ここで③を選択したのはeribulinが抗HER2療法として(つまりtrasutuzumab, pertuzumabとの併用薬剤として)非常に相性がいいからです。
それでいて「点滴時間が超短い」「副作用が少ない(痺れはpaclitaxelと比較すると超軽い)」も高ポイントです。
ここでCRとなれば、(全く副作用のない)分子標的薬コンビ(trastuzumab+pertuzumab)をどの位継続するのか?となりますが…
ここに明確な答えはありません。
⇒私は、「とりあえず」半年を提案し、半年経過時点で「このまま継続するのか?辞めるのか?」再度確認するようにしています。