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高齢者の術後抗がん剤の回数について

[管理番号:10943]
性別:女性
年齢:73
病名:浸潤性乳管癌
症状:トリプルネガティブ、ステージ2
投稿日:2023年2月27日

 はじめまして。
73歳の母親の抗がん剤治療を継続するべきか悩んでおり「あるあるQ」60.『高齢者に術後抗がん剤すべきか?』も拝読いたしました。
その上で田澤先生にご相談よろしいでしょうか。

【治療歴】
2022年6月 
自治体の乳がん健診で要精密検査となる
(自覚症状なし)

2022年8月
針生検、CTにより乳がん(浸潤がん)確定
大きさ6mm
ステージ1

2022年9月
左乳房部分切除術
センチネルリンパ節生検

2022年10月
【病理検査による診断】

浸潤性乳管癌
大きさ2cm
リンパ節転移なし
ステージ2
エストロゲン受容体 陰性
プロゲステロン受容体 陰性
ハーツー受容体 陰性
Ki67 90%

2022年11月
放射線治療(寡分割照射)終了

2022年12月
抗がん剤治療(AC療法)スタート

2023年2月
AC療法4回終了

当初は腫瘍の大きさ6mm、ステージ1、抗がん剤不要とのことでしたが、術後の病理検査の結果、腫瘍の大きさ2cm、ステージ2、抗がん剤のみ有効という診断になりました。

しかし73歳という年齢から主治医からは「抗がん剤はあまりお勧めできない」と言われ、がんセンターのセカンドオピニオンを受けたところ
①AC(EC)療法4サイクル

②パクリタキセル12週
 or ドセタキセル4サイクル
という提案をいただきました。

本人も抗がん剤治療に前向きだったため、主治医の当初の治療方針であるAC療法4回のみ行うことにし、2/(中旬)に4回目の抗がん剤治療が無事終わりました。

 しかし4回目の抗がん剤投与前の診察時、主治医は4回で終了予定というのを忘れていたようで、次回から後半戦という話をしてきたので、4回で終了の予定では?と確認したところ『セカンドオピニオン(がんセンター)の先生が8回を提案しているので。やるんじゃないんですか?』とあくまでも自分の提案ではないという感じの対応でした。

副作用の不安もあるのですぐに答えが出せず、あと4回抗がん剤治療をするかどうかで悩んでいます。

ちなみにAC療法の副作用としては、脱毛、倦怠感、便秘、味覚障害、口内炎はあるものの、吐き気は特に無く、投与から10日程経過するとだいぶ体調も良くなっていました。

肺炎や心不全なども今のところありません。

 73歳という年齢から主治医は抗がん剤治療に慎重になっているようですが、Ki67=90%という数値を見ると、できるところまで抗がん剤治療をした方が良いのではないかというのが私の気持ちです。

 普段私は県外に住んでおり、母親は一人暮らしでしたが、今回の抗がん剤治療のためにアパートを借りて今は2人で住んでいます。
抗がん剤治療が終わるまで生活のサポートはするつもりです。

そこで田澤先生の見解を伺いたいのですが
①もしも田澤先生の患者さんでしたら、この現状をふまえて抗がん剤治療を継続することを提案しますか?
また、提案する場合の抗がん剤はパクリタキセルorドセタキセルでしょうか?
 
②病理検査の結果をふまえて、AC療法4回で終了した場合と、抗がん剤治療を継続した場合の再発率の違いはどれくらいでしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

できるところまで抗がん剤治療をした方が良いのではないかというのが私の気持ちです。
⇒それであればdocetaxel x4にトライしてもいいでしょう。

C療法4回で終了した場合と、抗がん剤治療を継続した場合の再発率の違いはどれくらいでしょうか?
⇒ anthracycline 単独 VS anthracycline + taxaneの比較は無いので不明です。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/3/6
***

質問者様から 【質問2】

腫瘍マーカー上昇による再検査について
性別:女性
年齢:74
病名:トリプルネガティブ乳がん
症状:腫瘍マーカー(CEA)上昇
投稿日:2023年10月08日

いつも勉強させていただきありがとうございます。
今年の2月に質問をさせていただいた際に田澤先生に背中を押していただき、最強レジメンにトライして高齢の母でも無事に術後抗がん剤8回を完遂することができました。
 ただ、ドセタキセルが始まった3月から背中が腫れて痛むようになり主治医の先生に何度も伝えたのですが検査はしてもらえませんでした。
 抗がん剤治療が終了し副作用が落ち着いた6月から①町のかかりつけ医→②乳がん治療をした病院の整形外科→③県立がんセンターの整形外科で診察と検査を重ねましたが背中の腫瘍が良性か悪性か不明のまま現在に至ります。

【背中の腫瘍の受診歴】
①A病院 内科(かかりつけ医)
診察
造影CT検査
MRI検査
→腫瘍あり。良性か悪性か不明のためB病院(乳がん治療をした病院)に紹介状を書いてもらう

②B病院 整形外科
診察のみ
→ここの病院では分からないとのことでC病院(がんセンター)に紹介状を書いてもらう

③C病院 整形外科
診察
エコー検査
造影MRI検査
針生検(腫瘍の場所が分からなくなったため直前で中止)
→現在造影MRI検査の結果待ち

このような状況の中、9月に受けた自治体の健康診断の結果が先日届き腫瘍マーカーがD判定で要再検査となってしまいました。
CEA → 6.2(D判定)
CA15-3 → 9.5(A判定)
※乳がん治療中に腫瘍マーカーの検査をしていないため過去の推移は不明です

【質問①】
このような場合再検査をする病院は乳がんの治療をしたB病院の乳腺外科で良いのでしょうか?

【質問②】
腫瘍マーカー(CEA)上昇による再検査の場合、田澤先生でしたらどのような項目の検査を行いますか?

【質問③】
 今後A、B、Cそれぞれの病院で診察の予定があるのですが、再検査を受ける病院以外の先生にも腫瘍マーカー(CEA)が上昇していることを伝えた方が良いのでしょうか?

【今後の診察予定】
①10月中旬 A病院 内科
(コレステロールの薬と血圧を下げる薬を処方してもらうため)
②10月下旬 C病院 整形外科
(背中の腫瘍の造影MRIの結果を聞くため)
③12月上旬 B病院 乳腺外科
(術後1年検診)

術後1年で腫瘍マーカーが上昇していることへの不安と、何科で再検査を受けるのか、どのような検査が必要なのか何も分からないことへの不安でこのような質問をさせていただきました。

 お忙しいところ恐れ入りますが田澤先生のご意見をお伺いしたく、よろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

 ただ、ドセタキセルが始まった3月から背中が腫れて痛むようになり主治医の先生に何度も伝えたのですが検査はしてもらえませんでした。
 抗がん剤治療が終了し副作用が落ち着いた6月から①町のかかりつけ医→②乳がん治療をした病院の整形外科→③県立がんセンターの整形外科で診察と検査を重ねましたが背中の腫瘍が良性か悪性か不明のまま現在に至ります。

⇒乳癌の転移部位ではないので、整形外科フォローでいいでしょう。

【質問①】
このような場合再検査をする病院は乳がんの治療をしたB病院の乳腺外科で良いのでしょうか?

⇒その通り

【質問②】
腫瘍マーカー(CEA)上昇による再検査の場合、田澤先生でしたらどのような項目の検査を行いますか?

⇒やるならPET
 但し、CEA初回測定であれば、患者さん自身のそもそもの正常値かもしれないし、抗がん剤の影響による一時的上昇の可能性も考えて「2,3か月後CEA再検」もアリです。

【質問③】
 今後A、B、Cそれぞれの病院で診察の予定があるのですが、再検査を受ける病院以外の先生にも腫瘍マーカー(CEA)が上昇していることを伝えた方が良いのでしょうか?

⇒どちらでもいいでしょう。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/10/19
***