こんにちは。田澤です。
今朝、サンフリで「奴らの足跡のバラード」かかってました。
「はじめ人間ギャートルズ」
懐かしかった。
『何にもない大地にただ風が吹いてたー。』
私が小さいころだったから一之輔がreal timeで見た筈はありません。(その更に下の世代であるアシスタントの「かわみなみ」さんが知らないのも仕方がないよね)
マンモスを狩りして(その肉が凄く美味そうなこと!)、大きな石のお金を使って、そのシンプルさ。
現代社会は複雑になりすぎて、ウイルスひとつで、これだからね。(原点回帰、大事です)
〇本編
乳癌の「局所治療」として前回は「手術」を取り上げましたが、今回は「放射線」です。
1.適応
1-1. 術後補助療法としての適応
・温存乳房照射
手術で「温存手術(部分切除)」を選択した場合には残りの乳腺に照射します。
これにより温存乳房内再発のリスクは1/3となります。
そもそも、温存手術は「術後温存乳房照射を前提」とした術式なのです。
例外(温存しても、照射を省略する場合)
●ご高齢(90歳以上はいいでしょう)
●病変が十分以上に狭い範囲なのに、かなりのマージンがある場合(数値化できないので、あくまでも主観です)
・全摘後の胸壁及び鎖骨上照射
リンパ節転移が4個以上の場合が適応となります。
それと、T4症例ですね。
もともと皮膚症状が強くて(術前抗がん剤などで縮小して)手術した場合、やはり「局所再発(皮膚)」が心配となります。
1-2. 再発の場合の適応
・骨転移への照射
「疼痛」もしくは「骨折」の原因となっている場合
ターゲットがはっきりしている場合(単発でコントロールされているなど)
・その他の部位への照射
鎖骨上や頸部、縦隔リンパ節など(他に遠隔転移が無い場合など、積極的に照射してもよい)
肝、肺など tomotherapy 注13 )であれば、全身療法の補助的に有効です。
⇒このケースでは、「あくまでも全身療法でコントロールされていること」が絶対条件です。
注13 )tomotherapyは小型のリニアックを360°螺旋状に回転させ(照射したくない部位を避けながら)照射したい部位をピンポイントに狙うIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)です。
また、IGRT(Image Guided Radiation Therapy)により位置補正を行う高精度の治療
☆重要臓器(大血管や心臓など)の傍にある標的(転移リンパ節など)を狙うのに最適です。
江戸川での放射線の実際のところ教えて!
了解しました。
まず大前提ですが、当院ではtomotherapyが3台稼働しているので、すべての照射をtomotherapyで行っています。
●温存乳房照射
tomotherapyで15回(寡分割照射)となります。(遠方の方は入院で行われています。)
やはり、温存乳房照射にtomotherapyを用いる利点は、その「有害事象(放射線肺臓炎)の少なさ」です。
私は6年前に江戸川に来るまでは(当然ながら)通常照射でしたので、「その違い」は実感しています。
●(全摘後の)胸壁及び鎖骨上領域への照射
これは25回です。
咽頭痛(鎖骨上領域の影響です)が若干ありますが、有害事象は殆どありません。
●再発(放射線)治療
再発治療における放射線治療の位置づけは、、あくまでも「全身治療」の補助であることは大原則として理解してください。
・骨転移 疼痛や骨折の場合に「絶対的」適応がありますが、単発であれば(それらの症状がなくても)積極的に照射をしています。
case 1 腰椎転移(のみ)の患者さん
⇒まずは(その部位に)照射して、その後(luminal typeであれば)palbociclib+Fulvestrant
〃 (tripple negativeであれば)chemotherapy
・リンパ節転移 これは症状はないので「絶対的」適応はありませんが「局所治療」として(照射は)明らかに有効です。
まずは全身治療をしてコントロール(画像上、マーカー上)して、その後(仕上げとして)局所治療としての放射線しています。
・肺、肝転移 当院がtomotherapyだから行うようになりました。(江戸川に来るまでは行った経験ありませんでした)
全身治療(palbociclibなりchemotherapyなりで)を行い、コントロールされた後に、積極的に行っています。
やはり(元は)乳癌、肺転移も肝転移も放射線感受性は抜群です。