≪追加コメント≫
(MMTEをして白黒つけなくたって)「5年、10年経過をみれば、やっぱり良性だった」と確認できるのではないか?と考える人(乳腺外科医も含む)もいるでしょう。
それに対しては、以下に反論します。
1.途中で「増大しシコリを形成」した場合に、(そのクリニックに行かずに)別の病院へ行って癌の診断となり治療となるケースが多い。
患者さんにとって『あのクリニックに行って、失敗した。』という意識となるため頻繁に起こります。(当院受診のケースでも数多い)
だから、実際は癌であっても「その(経過観察を指示した)クリニックの医師には、確かめようがない(結局、癌だったことを知らない)」まま終了してしまいます。
2.もう一つは「印象(所見と病理結果がダイレクトに繋がるのか?)」です。
初回の所見のインパクトで、(そのまま)すかさず(MMTEで)確定診断すると、「その所見と、その病理結果がダイレクトに繋がる」のですが、
それが、1年後に癌となった場合に、(そもそも)最初の所見は写真でしか残っていないので印象が薄くて、せいぜい「あの時(1年前)は乳腺症に思えたんだけど、結局癌だったんだ。やっぱり、100%良性と言ってしまわないように気をつけよう」という一般論でしか学習できない(所見と病理結果がダイレクトに繋がらない」のです。
これについては、20年近く前の明確な記憶があります。
H医師『これ、何かな?って思ったら(外科的)生検するようにしている。 だから自信をもって診断できるのだ。』
私『それって、かなり大変ですよね? 大学では(癌をよっぽど疑わない限り)外科的生検なんてしませんよ。』
H医師『自分のレベルをどこまで上げたいか?だよ。(こういっちゃ何だけど)大学レベルでいいのなら、それでもいいだろう。』『だけど、うち(公〇病院)レベルまで来るには、それが必要なんだよ。』
私が公〇に赴任して記憶に残っている最初の記憶です。(赤ちゃんで言えば「物心ついた」記憶のようなもの)
その当時は『外科的生検は大変だよなー(H医師みたいな名医なら患者さんも納得するけど、俺では、なぁー)』
しかし、時代は流れてMMTEがあるのです。(10倍くらいハードルが低い)
今週のコラム 212回目 「良性を良性と診断するためにMMTEを積極的に用いることでのみ 乳腺症を「100%癌ではないと断言できる」ようになるのです。