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術後petctセンチネル陽性と髄様癌について

[管理番号:5995]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生
いつもブログで知識と共に安心感をいただいております、ありがとうございます。
私ごとでご意見をお伺いしたくメールさせて頂きます。
2016.9 年一の検診にて、「繊維線種疑い」その後、セカンドを経て
サードオピニオンにて、
2017.12 乳がんとの診断となりました。
誤診が続き発見されるまで1年3ヵ月経過してしまいました。
2018.1 左乳房温存手術(下記病理結果にて断端陽性にて追加切除) ←追加切除の結果まだ出ていません。
その後、PETCTをしました。
質問①
「術中センチネルリンパ節で陰性」でしたが、PETCTの画像結果リンパ節に反応したとのことです。
大きさを確認するのを失念してしまいましたが画像で見た感じでは1cm程でした。
「センチネルリンパ節生検で陰性」で郭清省略されたのに術後暫くして腋窩再発したケース(コラム89~92番)を拝読して、
このまま化学療法を始めて良いのか不安です。
コラム88
コラム89
コラム90
コラム91
コラム92
主治医は「大丈夫」とのことですが、エコーでの確認もないため不安な状態です。
大学病院のため、エコー専門医がエコーを基本的にはしています。
今回はエコー確認はありませんでした。
画像にあるものが何なのか不安です。
CT造影剤は必要でしょうか?
質問②
組織分類では浸潤性乳管がんの充実腺管がんとなっていますが、
所見の最後には、「WHO分類ではcarcinoma with medullary
features(髄様癌)にcategorizeされると思います。」 と最後に書いてありました。
分類としては、浸潤性乳管がんの充実腺管がんなのか、特殊型の髄様癌なのか、混在なのか。
そのあたりを伺うと・・
主治医曰く、「髄様癌でも浸潤癌だから化学療法はしないとならない。
ただし、髄様癌なので予後は良好です。」とのことです。
充実腺管癌、髄様癌どちらとなるかはっきりしませんでした。
田澤先生のおっしゃるように、治療はサブタイプとなりトリプルネガティブなので標準治療として、化学療法(アンシュラタキサン)は必須となりますでしょうか。
髄様癌であれば腫瘍径にもよるかと思いますが、
化学療法は必須でなくなるのでしょうか。
下記、手術後の病理結果を踏まえて、ご教示頂ければ幸いです。
【病理組織診レポート】
切除術:Bp+SNB 5.8×5.0×1.8cm  左(C)領域
腫瘍径: 1.80×1.30×1.20cm、腫瘍径 in situ ca 含む
3.60×3.00×1.40cm
組織分類:invasive ductal carcinoma,solid-tubular carcinoma
核異型スコア:3、核分裂スコア:3(16/10HPF)、核グレード:3
ki87%(術前の組織診の結果のkiのみ)
リンバ節侵襲:ly0,静脈侵襲:v0
断端:皮膚側:-、深部側:-、側方:+、in situ #13-15、乳頭側:-
in situ ca++,EIC-,娘結節-,comedo-,石灰化+,リンパ球浸潤+++
リンパ節転移: 合計(0/1,i-)
SNB (0/1)
UICC 7thT1c pNO MO Stage ⅠA, Jap 17th:pT1c pNO MO Stage Ⅰ NG(3),ER(0),PgR(0),HER2(0),gf,ly0,v0,status:primary
WHO分類ではcarcinoma with medullary featuresにcategorizeされると思います。
以上、何卒よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
そもそも術後に「何故、PETを撮影したのか?」疑問がありますが、お答えしましょう。
「PETCTの画像結果リンパ節に反応」「エコーでの確認もないため不安」「今回はエコー確認はありませんでした。」「画像にあるものが何なのか不安」「CT造影剤は必要でしょうか?」
⇒その医師自身に「責任をもって」超音波させるべきです。
 そんな診療をしていると(その医師自身が)「自分の首を絞める」だけで後悔することでしょう。
「治療はサブタイプとなりトリプルネガティブなので標準治療として、化学療法(アンシュラタキサン)は必須となりますでしょうか。」
⇒その通りです。
 そもそも髄様癌は病理医によるバラつきが多いと考えられています。
 「診療ガイドライン」でも「髄様癌 アポクリン癌 小葉癌」は(どれも、予後良好が多いとは思いますが)通常の(サブタイプに準じた)治療をすべきとなっています。
「髄様癌であれば腫瘍径にもよるかと思いますが、化学療法は必須でなくなるのでしょうか。」
⇒上記通り、「髄様癌」であることは治療法とは無関係です。
☆腺様嚢胞癌や管状癌は化学療法は不要だと思いますが、その他の組織型は(粘液癌も含め)サブタイプに応じた治療をすべきなのです。