[管理番号:5617]
性別:女性
年齢:57才
15年前に左非浸潤性乳がんで全摘、ホルモン治療で完治しています。
今回、右側の初期浸潤性乳がんと診断され、手術待ちをしています。
15年も過ぎての手術に気が滅入ります。
両側乳がんの頻度、予後について教えてください。
今回は8ミリ、ホルモン療法の予定です。
発見から3ヶ月もあり、その間にリンパ節に転移しないかと心配です。
前回は左に放射線をしているので今回はしない方がいいですか?
放射線が重なる部分があるかと思います。
一度、放射線をすれば
別の病気になった時にできなくなるとか心配なことばかりです。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
質問に解答する前に一言
「左非浸潤性乳がんで全摘」
「前回は左に放射線をしている」
⇒???
これは「何か」が間違っている筈です。
「非浸潤癌で全摘」しているのに「術後照射する筈がない」のです。
☆全摘後の術後照射の適応は「リンパ節転移4個以上」の場合だけです。(幾らなんでも、非浸潤癌でリンパ節転移は無かった筈ですから)
「両側乳がんの頻度、予後について教えてください。」
⇒頻度は不明です。
予後は純粋に(両側だからといって、足し算するわけではなく)「左右のうち、ステージの高い方」となります。
☆質問者の場合には(左は非浸潤癌だから、全く無関係で)右乳癌のステージに相当する予後となります。
「前回は左に放射線をしているので今回はしない方がいいですか?」
⇒もしも「温存」なら必須となるし、「全摘」なら「そもそも不要」です。
物事はシンプルに考えましょう。
「一度、放射線をすれば別の病気になった時にできなくなるとか心配」
⇒「別の病気」とは??
「余計な」心配は不要です。
やるべき事をやるだけ。物事はシンプルな方がいいですよ。
質問者様から 【質問2 乳がん手術後について】
性別:女性
年齢:57歳
いつもたくさんの質問にお答え頂いてありがとうございます。
11月下旬に右乳がんの手術が無事に終わりました。
術後の病理検査が出ました。
浸潤癌8ミリ、組織グレード2核
グレードは1、ER+、PgR+、リンパ節転移なし、HER2(0)MIB10~20%と出てホルモン療法のみとなりました。
ただ、ひとつひっかかるのが組織型が「硬癌」ということで動揺しています。
最初に診断された乳腺クリニックの医師が乳がんと判明した時に「まだ小さいから初期ですよね?」とおそるおそる尋ねるときっぱり「種類による」と言われました。
種類?そんなに悪い種類なのかな・・・と心配でしたが手術をしてもらえる大きな病院へ行き、手術が終わるまでは余計なことを考えないようにしようとしていました。
最初に診断されたクリニックは検査や診断をしますが手術はしないという所ですがたくさんの患者さんを毎日診ている地元では有名な医師です。
ネットでは本当に怖い情報が満載で「硬癌は浸潤性乳菅がんの中では最も予後が悪く、再発、転移しやすい」と書いてありました。
田澤先生は予後は
ステージで治療はサブタイプでといつも語られているので種類なんてそんなに重要なことではないと思うようにしています。
それで大丈夫ですね?それからもうひとつ、ホルモン療法(アロマターゼ阻害薬)を服用中ですが10年服用も適応される時期がくるのでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
浸潤径8mm、良かったですね。
「ただ、ひとつひっかかるのが組織型が「硬癌」ということで動揺しています。」
⇒??
100%そんなことはありません。
馬鹿な事を書いている人もいるのですね。
「硬癌は浸潤性乳菅がんの中では最も予後が悪く、再発、転移しやすい」
⇒間違いです。
「ホルモン療法(アロマターゼ阻害薬)を服用中ですが10年服用も適応される時期がくるのでしょうか?」
⇒可能性はありますが…
医療費の高騰からは…
適応は絞られるべきです。
ガイドラインがどう動くかは不明ですが…(これは、添付文章では縛れないので「医師のセンス」となるでしょう)