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今週のコラム 63回目 adenomaは良性上皮性腫瘍に分類され、他に乳管内乳頭腫や腺筋上皮腫などがあります。

こんにちは。田澤です。

今季、最強の寒気!

寒かったですね。

今朝は(珍しくも)手袋してのランニングでしたが、それでも手が凍えました。

 

名古屋や四国でも雪が降ったみたいですが、ここ東京は天気がいいですね。

この2日間の大荒れには、「センター試験戦士達」も堪ったものではなかったはずです。

健闘を祈っています。

 

 

話はかわりますが、

Adenoma(腺腫)

乳腺疾患の中では比較的稀であり、それ故解説されることも少なく、先日、tubular adenomaの患者さんから「取り上げてほしい」とリクエストがありました。

と、いうことで…

今回はadenomaの解説及び、tubular adenomaは詳説することとします。

 

1.乳腺腫瘍の分類

乳腺腫瘍の分類としては「上皮性腫瘍」「結合織性及び上皮性混合腫瘍」「非上皮性腫瘍」の3つに大きく分けられます。

「上皮性腫瘍」

adenomaは良性上皮性腫瘍に分類され、他に乳管内乳頭腫や腺筋上皮腫などがあります。

悪性上皮性腫瘍が「癌」です。

「結合織性及び上皮性混合腫瘍」

主たるものがfibroepithelial tumorである線維腺腫や葉状腫瘍です。

「非上皮性腫瘍」

肉腫ですが、乳腺では非常に非常に(わざと2個用いています)稀です。

 

2.Adenoma(腺腫)の分類

①ductal adenoma(乳管腺腫)

癌と間違われ易い代表格

乳管内に発生し、乳管を埋め尽くして圧排性に増殖する。

硬化性変化により浸潤様に見える「偽浸潤像」を呈する事やアポクリン化生により「細胞が大型化し、癌細胞と間違われ易い」

②adenoma of the nipple

乳頭内または乳輪直下乳管内に生ずる乳頭状ないし、充実性の腺腫

Paget’s diseaseと間違われ易い

乳頭部の皮膚を破壊するため、Paget’s diseaseとの鑑別を要した当院の症例(下記)

[caption id=”attachment_24937″ align=”alignleft” width=”150″] DSC_0050[/caption]

 

[caption id=”attachment_24938″ align=”alignleft” width=”150″] DSC_0049[/caption]

 

 

 

 

 

 

③tubular adenoma(管状腺腫)

腺腫とは一般に様々な組織(腺管や線維、脂肪など)が出鱈目な量で混じり合った組織であるが、管状腺腫は「過度な上皮過形成や間質増殖を伴わないため」pure adenomaとも呼ばれる。

臨床像

・境界明瞭、孤立性の腫瘤

・稀な疾患であり、若年(閉経前)に多い

・高齢者に起こる場合には特徴的な石灰化(濃度の高い石灰化が高密度に集簇)

病理組織的特徴

・管状構造(乳管)と腺房構造(ミルクを分泌)が密集した腺腫

・周囲の線維性間質はとても少ない

画像所見(超音波)

・均一で境界明瞭、楕円形、後方エコーの増強を伴う腫瘤

・特徴的な所見に乏しく、線維腺腫や(縦横比が大きい際には)癌との鑑別を要する。

 

 

★ただし、completely benignであり、do not evolve into malignant carcinoma!!

④lactating adenoma授乳性腺腫

妊娠授乳時に発生し、拡張した腺房は分泌性変化を示す