こんにちは。田澤です。
今季、最強の寒気!
寒かったですね。
今朝は(珍しくも)手袋してのランニングでしたが、それでも手が凍えました。
名古屋や四国でも雪が降ったみたいですが、ここ東京は天気がいいですね。
この2日間の大荒れには、「センター試験戦士達」も堪ったものではなかったはずです。
健闘を祈っています。
話はかわりますが、
Adenoma(腺腫)
乳腺疾患の中では比較的稀であり、それ故解説されることも少なく、先日、tubular adenomaの患者さんから「取り上げてほしい」とリクエストがありました。
と、いうことで…
今回はadenomaの解説及び、tubular adenomaは詳説することとします。
1.乳腺腫瘍の分類
乳腺腫瘍の分類としては「上皮性腫瘍」「結合織性及び上皮性混合腫瘍」「非上皮性腫瘍」の3つに大きく分けられます。
「上皮性腫瘍」
adenomaは良性上皮性腫瘍に分類され、他に乳管内乳頭腫や腺筋上皮腫などがあります。
悪性上皮性腫瘍が「癌」です。
「結合織性及び上皮性混合腫瘍」
主たるものがfibroepithelial tumorである線維腺腫や葉状腫瘍です。
「非上皮性腫瘍」
肉腫ですが、乳腺では非常に非常に(わざと2個用いています)稀です。
2.Adenoma(腺腫)の分類
①ductal adenoma(乳管腺腫)
癌と間違われ易い代表格
乳管内に発生し、乳管を埋め尽くして圧排性に増殖する。
硬化性変化により浸潤様に見える「偽浸潤像」を呈する事やアポクリン化生により「細胞が大型化し、癌細胞と間違われ易い」
②adenoma of the nipple
乳頭内または乳輪直下乳管内に生ずる乳頭状ないし、充実性の腺腫
Paget’s diseaseと間違われ易い
乳頭部の皮膚を破壊するため、Paget’s diseaseとの鑑別を要した当院の症例(下記)
[caption id=”attachment_24937″ align=”alignleft” width=”150″] DSC_0050[/caption]
[caption id=”attachment_24938″ align=”alignleft” width=”150″] DSC_0049[/caption]
③tubular adenoma(管状腺腫)
腺腫とは一般に様々な組織(腺管や線維、脂肪など)が出鱈目な量で混じり合った組織であるが、管状腺腫は「過度な上皮過形成や間質増殖を伴わないため」pure adenomaとも呼ばれる。
臨床像
・境界明瞭、孤立性の腫瘤
・稀な疾患であり、若年(閉経前)に多い
・高齢者に起こる場合には特徴的な石灰化(濃度の高い石灰化が高密度に集簇)
病理組織的特徴
・管状構造(乳管)と腺房構造(ミルクを分泌)が密集した腺腫
・周囲の線維性間質はとても少ない
画像所見(超音波)
・均一で境界明瞭、楕円形、後方エコーの増強を伴う腫瘤
・特徴的な所見に乏しく、線維腺腫や(縦横比が大きい際には)癌との鑑別を要する。
★ただし、completely benignであり、do not evolve into malignant carcinoma!!
④lactating adenoma授乳性腺腫
妊娠授乳時に発生し、拡張した腺房は分泌性変化を示す