こんにちは。田澤です。
このQandAも「意思決定が明後日」となっているので、ここで「先行掲載」行います。
A
タイトル:
抗がん剤治療追加の有無
性別:
女性
年齢:
40歳
メッセージ本文:
初めて質問させていただきます。宜しくお願い致します。
8/26に左乳ガンの部分切除を受けました。明後日までに治療方針を決めなければなりません。
40歳未婚、閉経前で浸潤性がんです。
主治医は、おとなしめのがんだが、ki67が40%であり、放射線治療、ホルモン療法に加え、抗がん剤治療をした方が良いと考えています。
組織型;乳頭腺管がん
しこりの大きさ;2.1センチ リンパ節転移無し
ホルモン受容体の有無;あり:ER+ PgR+
HER2;1 組織学的悪性度;1 切除断端;- 脈管侵襲;-
私は、脱毛など副作用から抗がん剤治療を追加したくありません。
私のようなおとなしめのがんでもki67が40%だと抗がん剤治療を追加しなければいけませんか。主治医は抗がん剤を追加したとして数パーセントの再発防止
だから本人の意思を尊重してくれるそうです。
当初、非浸潤性がんと説明されていたので戸惑っています。
Q
田澤先生の見解をお聞かせください。宜しくお願い致します。
pT2(22mm), pN0, luminal Bですね。
Luminal typeではホルモン療法が中心となるのですが、「化学療法による上乗せ効果」があるのかどうかが「化学療法を追加するかのポイント」となります。
Ki67=40%は「細胞分裂期にある細胞が40%を占める」ということであり、一般には「抗がん剤のターゲットとなる細胞が多い=抗がん剤が良く効く」と考えます。
○Ki67が20-30%であれば迷う処ですが、40%なので一般的にはluminal B(化学療法の適応がある)として化学療法を推奨されるでしょう。
因みに、Adjuvant!Onlineによると「上乗せ効果は5.6%程度」となり決して高くない値となります。
■回答
「田澤先生の見解をお聞かせください。宜しくお願い致します」
⇒私で有れば、ガイドライン上は「luminal Bなので化学療法の適応はある」ことはお話した上で、「上乗せ効果が5.6%なので」無理に抗がん剤は勧めません。
むしろタモキシフェン+LH-RHagonistを勧めるでしょう。