乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:7747]
性別:女性
年齢:50歳
病名:浸潤性硬癌
症状:

はじめて質問させていただきます。

よろしくお願いいたします。

経緯
2019年
2月下旬 人間ドック・エコーにて要精密検査診断
4月   乳腺外科にてMRI・マンモ・針生検検査
5月   確定診断:右浸潤性硬癌 ステージ1 ルミナルB
ホルモンER/PRとも陽性(100%) HER2陰性 Ki-67 30%
6月   手術先行治療希望のため検査病院より紹介状を受け診療
8月   右全摘手術・センチネル生検・リンパ廓清レベル1(1個)

もともと最初の乳腺外科ではリンパに転移がなければ温存手術+ホルモン薬物療法で大丈夫でしょう。
と言われておりましたが手術先行で自宅近くの大学病院を選択し初診時、そちらではあまり明確な説明なく全摘出を勧められました。

わたくし自身、命優先としておりましたので手術の病院を決めた時点では全摘出を希望、8月頭にその通り手術を行いました。

術後もうろうとしている中、執刀医からは「残念ながらリンパに転移があったため廓清しました」と言われ、後に確認したところレベル1、一個取ったとの話でした。
家族には術後の説明で「化学療法が必要になる」と話があったそうなのですが、術後の組織診断の外来を今週に控え、田澤先生にアドバイスをいただけたらと思います。

1)リンパ廓清のレベル1(一個)とはどのような状況でしょうか?
  確定診断後、手術まで時間があったため、治療のガイドラインなど
  少し勉強しましたが、1~3個の転移では廓清省略とありました。

  センチネルの転移が4個以上で、リンパ節で1個取ったということ
  なのでしょうか?よく解っておらず前出の質問でしたら申し訳ありません。

2)リンパ廓清+ki-67 30%だと化学療法必須ということでしょうか?

3)リンパ廓清していても術後病理検でki-67値によって化学療法回避可能
  でしょうか?

病理検査の結果を踏まえて術後治療を確認する際に、うまく質問できないと困ると思い、アドバイスよろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「1)リンパ廓清のレベル1(一個)とはどのような状況でしょうか?」
⇒正確な表記ではないようです。

 可能性としては…
 ① センチネルリンパ節に1個転移を認めたため、追加でレベル1領域を郭清した。
   ⇒これだと、レベル1は幾つリンパ節を郭清しているのかは不明です。
 ② センチネルリンパ節に転移を認めたため、追加でレベル1を1個郭清した。
   ⇒これだと、レベル1を何故1個だけ郭清したのか?(通常レベル1郭清というと複数個あります)

「治療のガイドラインなど少し勉強しましたが、1~3個の転移では廓清省略とありました。」
⇒誤り。
 是非、『今週のコラム 163回目 乳癌診療の基本2 腋窩リンパ節の取り扱い 「そりゃ、もう大騒ぎさ」』を熟読ください。

 施設により違いがあり、それは「事前に」患者さんと取り決めておくべき事なのです。

「センチネルの転移が4個以上で、リンパ節で1個取ったということなのでしょうか?」
⇒その可能性もありますが…(上記①に相当)

 ただし、「1~3個の転移では廓清省略」というのは一般的ではありません。
(そういう施設もありますが、いずれにせよ事前に「取り決め」していなかったのですか?)

「2)リンパ廓清+ki-67 30%だと化学療法必須ということでしょうか?」
「3)リンパ廓清していても術後病理検でki-67値によって化学療法回避可能でしょうか?」

⇒リンパ節転移は(化学療法するかどうか?とは)無関係。
今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」
今週のコラム 189回目 「リンパ節転移があれば抗がん剤をすべき」という古い考えが完全否定される日も近いのです。』を是非、熟読ください。

 ★Ki67=30%は「シンプルに」グレーゾーンです。
  OncotypeDXをお勧めします。

「うまく質問できないと困ると思い、アドバイスよろしくお願いいたします。」
⇒「リンパ節転移が判明」した時点で「化学療法が必要になる」と、言っているので、その大学病院の医師は「リンパ節転移=抗がん剤」という考え方のようです。

 上記コラムで質問者がそれに疑問を持つのならば、OncotypeDXすべきでしょう。(閉経前でリンパ節転移陽性でも、十分にOncotypeDXは適応があります。)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

全摘手術後の治療方針について
性別:女性
年齢:50歳
病名:浸潤性硬癌
症状:

田澤先生、こんにちわ。

先週「全摘手術後の治療方針について」でアドバイスをお願いしました者です。

初めての質問でいろいろと情報に漏れがあったにも関わらず
ご丁寧に迅速にお応えいただきとてもありがたく思っています。

確定診断から手術までの期間が長かったこともあり不安な毎日を
ここで勉強させていただいていたこともお伝えせずに失礼いたしました。

術後、最初の診療で病理結果が出ましたのでご報告と追加でいくつかご相談させてくださいませ。

【クリニック検査機関での術前確定診断】
右浸潤性硬癌・ステージ1・ルミナルB・ER/PRともに陽性(100%)
HER2陰性・Ki-67 30% しこり20㎜
【術後病理結果】
右浸潤性硬癌・ステージ2・ルミナルA・ER/PRともに陽性
HER2陰性・Ki-67 10-20% しこり20㎜ 

・リンパ節転移あり
センチネルリンパ節に1個、レベル1領域に1個あり計2個郭清した
センチネルリンパ節は22個取ったとのことで2/22(そう聞こえたのですがニュアンスがわからなくなってしまいました)
腋窩リンパ節の取り扱いについてはきちんと書面で、センチネルリンパ節に転移があれば場合によって追加で腋窩リンパ節郭清するとの説明がありました。

(こちらは前回私のお伝えの仕方が不明確でした)ただ数については取り決めていませんでした。

・術前の画像診断でしこりは20㎜だけど奥に広がっているかも・・・との
診断で全摘を勧められたようです。

しこりは20㎜ぴったりとのことで「広がりはありましたか?」と聞いたところしこり1個だけで広がりはなし。
とのお答えでした。

・追加の情報として 閉経前です。

主治医からは術後すぐには化学療法が必要と言われていましたが
病理結果を踏まえて今後の治療方法をどうするか?となった今回の外来では抗がん剤をやるかやらないかの判断はリンパ節転移のみだけど・・・
と前置きがあったうえで
①抗がん剤はやりたくないのでホルモン療法のみ
②リンパ節転移ありだから抗がん剤とホルモン療法
③オンコタイプDXでもう少し細かく調べて確認する(悪い結果がでることもある)
の3択と言われました。

どれを強く勧めるでもなく、抗がん剤もやってもやらなくても・・・
とのニュアンスです。

Ki-67値が高ければ化学療法を受け入れるべきと思っていましたし術前と同じグレーゾーンでしたら迷わずオンコタイプDXをお願いするつもりでしたが、悪性度が少し下がったためサブタイプも変わったことで逆に迷いが生じてしまいました。

こんなことをお聞きしてよいのかと思うのですが、田澤先生だったらワタクシの術後治療方針はどのように診断されるでしょうか?
ホルモン療法だけで、規則正しく検査を続ければよいでしょうか?

オンコタイプDXの検査料は安心料を思っていますが全摘後、まだ再建が考えられていない状況で、今後の外的ケアや精神的なケアに費用を使いたいとの欲が出てしまい悩んでいます。

(手術前に遺伝カウンセリングも受けており、長いスパンではいづれそちらの遺伝子検査をしたいと思っていることもあります)

主治医にはすぐに決断できず1週間後の外来を希望しました。

長くなり申し訳ありませんが再度、アドバイスをいただけたら嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「センチネルリンパ節に1個、レベル1領域に1個あり計2個郭清した」
「センチネルリンパ節は22個取ったとのことで2/22(そう聞こえたのですがニュアンスがわからなくなってしまいました)」

⇒文章に誤りがあります。
 正しくは…

 センチネルリンパ節生検で「センチネルリンパ節として何個取ったのかは不明ですが、その中に1個転移を認めた」のでレベル1領域のリンパ節を「追加郭清」したところ、(その追加郭清分のリンパ節の中で)1個転移があった。
 ⇒センチネルリンパ節+(追加郭清分の)レベル1リンパ節=全22個であり、その中で20個は転移陰性、残り2個は転移陽性であった。ということ

 ★ちなみに、センチネルリンパ節は規約上「あくまでもレベル1リンパ節の一部」です。
  センチネルリンパ節領域などという部位はなく、レベルⅠ領域で「最初にリンパ管から入る」リンパ節のことを(特別に)センチネルリンパ節と呼ぶだけです。

「抗がん剤をやるかやらないかの判断はリンパ節転移のみ」「②リンパ節転移ありだから抗がん剤とホルモン療法」
⇒(前回、想像した通り)この医師は「リンパ節転移=抗がん剤しなくてはいけな
い」という「古くて誤った」考え方を持っているようです。
今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」
今週のコラム 189回目 「リンパ節転移があれば抗がん剤をすべき」という古い考えが完全否定される日も近いのです。
今週のコラム 190回目 RSを用いれば、(今まで「リンパ節転移が陽性だから」という理由で抗がん剤治療されてきた)かなりの数の患者さんを無駄な抗がん剤から解放できるのである
』を熟読してください(本来は、その医師にこそ読んでもらいたいものです)

「こんなことをお聞きしてよいのかと思うのですが、田澤先生だったらワタクシの術後治療方針はどのように診断されるでしょうか?」
⇒「Ki-67 10-20%」であればホルモン療法単独とします。(「抗がん剤しますか?」などとは、間違っても言いません)





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